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「北海道の日本酒がくる !?」可能性しかない北海道日本酒の会(角打ち)レポート

日本酒の美味しい地域といえば、米どころの新潟をはじめ、福島、秋田、山形……と、「東北地方」があがることが多いです。そのまま南下(関東とか近畿に)していくので見逃しがちですが、実は日本最北の「北海道」でも日本酒は造られています。

今回、北海道をこよなく愛し「北海道のお酒をもっと知って欲しい!」という二戸さんの「北海道角打ちNight」イベントに参加してきました。

九州出身で北海道未経験の私としては、北海道に対して「おいしいもので溢れかえるすごい場所」という憧れがあります。日本酒もおいしいに決まってます。

未知の北海道酒をいただきます!

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会場は浅草橋のSAKE Street。普段は酒販店ですが、不定期でイベントも行われているとのこと。

すごい人!

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ふらっと立ち寄ったのですが、一瞬「入れないんじゃ…」というほどの人。すごい盛況ぶりです。

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(メニュー。すべて初めて見る名前です)

今回のイベントは、北海道のお酒と北海道のおつまみがともに300円〜楽しめるというもの。角打ちですので一度お店の奥のカウンターまでいき、そこで注文し、立ち飲みエリアの一角まで持ち帰っていただくのですが…まず注文のための行列ができるほど。すごいです。

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右が主催の二戸さん、左がSAKEStreet店主の藤田さん。超忙しそうです。とはいえ、実は北海道のお酒のことをなにも知らず、メニューを見てもわかりません。

なので「北海道初心者へおすすめのお酒を!」とお願いしました。

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いただいたのはこちら。
左「COCOROMI 試験醸造やってみました」、右「千歳鶴 純米大吟醸 2020頒布会限定酒 きたしずく」です。

二戸さん「日本酒自体あまり飲んだことのない方にも美味しく飲んでいただけて、日本酒は飲んでるけど北海道の酒は未経験、という方にも面白いと感じていただけるお酒として選ばせていただきました」

「COCOROMI」はつんとした酸味があってまろやかな甘みも。やさしくシルキーな感じです。一方「千歳鶴」はもっとはっきりした雰囲気。優しいけれどゴツゴツとマッチョ。僕が勝手にイメージしている「北海道の大地が育んだ男」の顔が浮かびます。

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(北海道産のミディトマトのお浸し。酸味があっていい具合にお酒と合います)

もっと、もっと北海道を感じるお酒をください!

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と、さらに北海道を感じたくて追加注文しました。

手前が「福司 大吟醸」、右が「北の勝 鳳凰」です。名前に「北」とあるだけで北海道の風を感じるほど、北海道に対してミーハーです。

二戸さん「次は『高級酒』と『日常酒』の両サイドで北海道のお酒のレベルの高さを感じてください。「福司 大吟醸」は鑑評会で入賞したお酒。こちらの酒蔵は金賞・入賞の常連蔵です」

ああ、いいお酒。これは高い味がします。うまい。

二戸さん「『北の勝 鳳凰』は『根室の幻の酒』とも呼ばれる北の勝の地元向け定番酒です」

こちらはしみじみですね。なんというか、これまでのお酒全体的に「おしとやか」な雰囲気。すごく目立つというわけではないのですが、しっとりゆっくり楽しめるイメージです。

北海道のお酒には「可能性」しかない!

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(会場にあった「北海道酒のプレゼン資料」です。熱意がすごい)

そもそも、なぜ北海道に日本酒のイメージがなかったかというと、日本酒の原料である「お米」が育ちにくい環境(寒すぎる!)だったからだそう。酒蔵の数も11蔵(2016年)と、かなり少ない印象。※全国に1400くらいあるといいます

しかし、そんな北海道の日本酒を二戸さんは「可能性しかない!」と言います。

二戸さん「実は、北海道は日本で唯一『酒蔵が増えているエリア』です!2017年の上川大雪酒造緑丘蔵、2020年の上川大雪酒造緑丘蔵碧雲蔵、三千桜酒造、2021年の箱館醸造、函館五稜乃蔵と酒蔵の移転・新設が続いています。2016年の11蔵からみると1.5倍です!」

さらに、ネックとなっていた「お米」も、長年の研究の末克服。2000年以降に開発された「吟風」「彗星」「きたしずく」の3品種(名前からして北海道っぽい!!)は全国的にも高い評価を得ているそう。

二戸さん「北海道産酒米の品質が向上していることに加え、温暖化により伝統的な名産地の酒米にも品質懸念が生じているという背景があります。こうした環境にあって、北海道の酒蔵が造るお酒はどんどん美味しくなっています。可能性しかないのが北海道酒です!」

ラストは「アイヌの伝統のお酒」を御燗で!

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小樽の田中酒造さんがアイヌの伝統酒「トノト」を再現したという「カムイトノト」。なんと、雑穀の「ヒエ」が使われているそうです!

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「ザラリ」??なんだこれは、マッコリのような、でももっとジャリっと舌にひっかかる感じ。滋味あふれるというか、栄養価が高そうな味。おもしろい。

二戸さん「まさに、口の中でしっかり主張するテクスチャが特徴です。『食べるお酒』といった感覚でアルコール度数も低め(10度)。温めて食事と一緒に味わっていただくのがオススメです」

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(鮭トバと合う…)

もう、いますぐ北海道に行きたい!

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隣の席にいらっしゃった方が、北海道のローカルマガジンを制作されているネイティブ道民の方でした!お酒はもちろん、それに限らない「北海道」の魅力を少し教えていただけました。

(写真はアンオフィシャルガイドブック「doto」)
https://note.com/dotdoto/n/n27b8e9667f3f

お酒が入り口ですし、多分今後もそうなのでしょうが、お酒やつまみを通して「北海道」という存在が気になってくるのは、こういうイベントの楽しみだと思います。

もう、北海道に行きたいです。

二戸さん「北海道酒、これから間違いなく『くる』と思います!今の姿を知っておいて損はないです。他の場所でも北海道のお酒を見かけたらぜひ試してみてください!」

二戸さん、ありがとうございました!

後日、北海道のお酒をみつけて速攻で飲みました。これまでになかった選択肢が広がるのは楽しいです。

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もちろん、お酒を飲みます。