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テキーラと焼酎は似ている!?「テキーラ道場」×「正調粕取り焼酎」イベントレポート

世界には(日本にも)、知らないお酒がたくさん存在します。
今回初めて飲んだのは、メキシコの「メスカル」と、日本の「正調粕取焼酎」。全然わからないという方、大丈夫です。自分もよく理解していません。

きっかけは、ふと目にしたイベント告知でした。

テキーラ道場? 正調粕取? メスカル? ブラインド?
ぜんぜんピンとこないけれど、ただ凄そう。とにかく参加してきました。

※お酒の説明はのちほど

テキーラ道場とは?

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(会場へ到着。かわいい飾り付けが不安感を高めます)

(配布資料より抜粋)
テキーラ道場は、テキーラ好きによる、
テキーラ好きの人と、
本当のテキーラにまだ出会ってない人のための、
テキーラ専門テイスティングスペースです。

会場は千葉駅近く。テキーラに魅せられたご主人が、テキーラの魅力を伝えるためにはじめたイベント。本物のテキーラを味わうための空間です。

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(主催者のおふたり。「…何者なんですか?」の質問に「ただの会社員です」ときっぱり。後ろに並ぶはすべてテキーラ!)

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席に着くと、テキーラ道場の資料が。こちらでテキーラを学びつつ飲むことができるというわけ。これは勉強になります。

そもそもテキーラとは?
メキシコで造られる蒸留酒(ウイスキーやスピリッツと同じ)。多肉植物である「アガベ」のなかでも、特定地域で栽培される「アガベアスール」を使い、搾り汁を発酵、蒸留させてできるお酒のこと。(テキーラ5州で造られたものだけがテキーラを名乗れるそう)

「産地の違い」「熟成年度による違い」と、どんどん深掘りできるそう。どの世界も同じですが、一歩入るとどこまでも楽しみがありそう。

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写真に写っている丸いやつが、アガベアスールの球茎。でかい…。白い模様みたいなものは、実は「切り口」。ここからかたい葉っぱが生えているので、もっともっと大きいです。

対する「メスカル」とは?
かつては「アガベ」を使った蒸留酒の総称だった。今はテキーラと区別するため新たな基準が設けられている。テキーラにくらべて、50種類以上のアガベの品種をつかえるため、味わいや個性も様々。

シャンパン(テキーラ)とスパークリングワイン(メスカル)のようなものでしょうか。または純米酒などの特定名称酒(テキーラ)と、スーパーにあるパック酒(メスカル)のような関係かもしれません。

「メルカルはアガベの品種が多様ということに加え、蒸留所も小規模なところがほとんど。テキーラにくらべて原始的な製法(地面に穴を掘って燻焼きにする)が多いため、とても変(個性的)になりやすいです」

と、道場主。

「正調粕取焼酎」とは?

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(この方が、コラボ相手、わっしーさん。正調粕取焼酎研究家として活動されているそうです。そんな専門家がいたのか)

正調粕取焼酎とは?
日本酒を造ったときにでる「酒粕」を蒸留してつくる焼酎を「粕取焼酎」といいます。ここから枝分かれして、
・近代的な蒸留器でつくるもの=吟醸粕取焼酎
・酒粕に「籾殻」を混ぜ込んで、セイロで蒸留してつくる=正調粕取焼酎
になります。なぜ「籾殻」かというと、酒粕はどろっとしているので、籾殻をまぜることで通気性を出し、蒸留できるようになるそうです。

正調粕取焼酎は、籾殻の個性的なクセが特徴的。古くから地元で造られていた「これぞ地酒」といえるお酒なのだそうです。

詳しくは、わっしーさんの「正調粕取研究ノート」へ。

日本とメキシコ、地球の反対側に位置する2つの国のお酒には、
・蒸留酒である
・地域で愛されるお酒文化がある(メスカル/正調粕取)
といった共有点があります。あえてブラインドにすることで先入観を抜きに比べてみようというのが今回の趣旨です。

テイスティング開始……くさい。でも、懐かしい?

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今回のテイスティングは下記の6種類。

<テキーラチーム>
・Ocho Blanco(テキーラ:40度) ・Fortaleza Stillstrength Blanco(テキーラ:46度、無加水) ・Ajal(メスカル:40度 )※エスパディンというアガベを使ってます

<粕取焼酎チーム>
・吟醸粕取:「宜有千萬」(40度) ・正調粕取:「天鷹 純米粕取焼酎5年古酒」(40度) ・正調粕取:「たるへい純粕取焼酎十年熟成」(40度)

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テーブルに6つのショットグラスが登場。この時点で、強烈な匂いがします。何かわからないけど、むせるような匂いが。

ぐっと気合を入れてテイスティングスタート。「焼酎かテキーラかくらいはすぐわかるだろう」と思っていたのですが、ところが、これが結構似ています。

しかも、すごく臭いやつ(正調粕取とメスカルでした、やはり)がいます。口を近づけた瞬間、うっと身体が拒否反応するような、謎の匂い。
それでもしっかりと嗅いでみると、なにか知っているような……。

畳だ。古い、おばあちゃんちの畳です。

味も強烈。香ばしいというか、焼酎の刺激の奥に、臭さと一体になった独特のコクとか甘さがあります。焼酎だけど、知っている焼酎じゃない。

「この独特の香りは、酒粕に混ぜる『籾殻』ですね。きついですか?それでいいのです。はじめからおいしいという感想は期待していません」

と、粕取焼酎代表のわっしーさん。

だんだん、ウイスキーのピート香にも近いと思えてきます。

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(別の参加者の方からいただいたチョコレート。こういう風にペアリングを提案してくる「道場破り」もあるのだそう)

6種類を飲んで、それぞれの正解(どれがどのお酒か)を聞き、改めて飲んでみると、うん、やっぱり似ています。

材料も食文化も全然違うはずなのに、近い。日本酒と焼酎よりもなんなら近いかもしれません。同じ蒸留酒、というわけじゃなくて、臭さの強度とか、舌のざらつきとか、そういったニュアンスが似ている。特に正調粕取焼酎とメスカルは。

圧倒的な「土着感」があります。

次第に、「おいしい」では物足りない体に

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ふと、気付きました。
「メスカル」「正調粕取」が、他のお酒より減りが早いことに。

最初は臭い臭い言っていたのですが、ついそちらを飲んでしまう。
きれいなお酒は、きれいなんだけど、比べると物足りない。
臭い方を、体が求めてしまうようになってしまいました。

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(ほかにもいろいろいただきました)

なんとなく縁遠い印象のあった「テキーラ」、面白いです。知れば知るほど面白くなりそう。そして日本のお酒なのにほとんど知らなかった「正調粕取焼酎」、初めて飲んで驚きました。

単純な「おいしい」とは違う、しかし強烈な引力を感じる、不思議で楽しい時間でした。

テキーラ道場さん、わっしーさんありがとうございました!

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