見出し画像

「秋田旬吟醸2020」コンプリートの会へ。ガチ系日本酒ファンの集いはここがすごい

noteをはじめて、いろいろな「日本酒の会」に足を運びました。今回、中でも特にコア向けな日本酒の会にお邪魔する機会を得ました。

「秋田旬吟醸2020 一斉開栓の会」

「秋田旬吟醸」とは、秋田県にある酒蔵30蔵による共同企画。それぞれの蔵が厳選したお酒を出し、統一ラベルでセット販売(ランダム)するといったもの。内3本や6本セットを購入し、なにがやってくるかわからない「ガチャ感」を楽しむのが一般的です。8月の販売即完売というほど人気を集めました。

そんな「秋田旬吟醸」30本をみんなでコンプリートしよう、というのが今回の日本酒の会です。おちょこで少しずつとすると…30ml×30=900ml(5合)。多分、ぎりぎり耐えられる(味わえる)。そう張り切ってのぞみました。

お誘いいただきましたFacelessさん、ありがとうございます!

場所は千葉の山奥

場所は千葉県の内房の山の中にある施設。シルバーウィークのある日、日本酒だけを目指して10数名が集まります。

これが秋田旬吟醸全30本だ!

会場にはすでに30本がスタンバイされていました。挨拶もそこそこに開栓の準備に入ります。(私は日帰りでしたが、一部メンバーは昨夜から「前夜祭」をしていたそう。飲み会の前夜祭ってなに)

さすが、みなさん酒瓶の扱いが巧みです。どんどん外袋がはがされます。

30本、写真に入りません。ただただ壮観です。

一時、会場は撮影会に。自分ももちろん撮影したのですが、日本酒マニアはみな、酒瓶の写真を撮るものです。猫見たら撮るみたいなもの。

ここから、日本酒マニアたちの会ならではの楽しみ方を7つピックアップしました。紹介しつつレポートします。

日本酒会の楽しみ①ラインナップにうなる

秋田のお酒といえば「新政」や「山本」「雪の茅舎」など人気蔵揃いです。今回は秋田の30蔵。

(参加蔵一覧)新政/秋田晴/秋田誉/阿櫻/天の戸/一白水成/奥清水/刈穂/喜久水/金紋秋田/銀鱗/大納川/太平山/高清水/田从/千代緑/出羽鶴/出羽の冨士/天寿/春霞/爛漫/秀よし/飛良泉/福小町/福乃友/まんさくの花/山本/ゆきの美人/雪の茅舎/両関

当然知らない蔵もたくさんあるのですが、参加者はそのレベルではなく、「ほとんど知っているからこそ気になる」という視点で楽しみにしていました。

・あのマニアックな蔵が今回参加した!どんな味か楽しみだ
・唯一知らないのは地元でしか手に入らないあの蔵。いったいなにを出したのか

といった声が、会場への道中(主催の方が駅から車を出してくださいました)で飛び交っていました。

参加者には事前にテイスティングシートが配布されます。No.1から順番に味わい、メモを取っていきます。

この秋田の酒蔵の前掛けをつけている方が、秋田酒をこよなく愛する「ぱ酒かる」さん。秋田酒の知識と愛情がすごくて、30蔵の特徴をほぼそらで言えるくらい。会はみんなで味の感想をいい、ぱ酒かるさんが答え合わせ(公式HPやラベルを見ながら)をします。

SNS経由での日本酒の会にいくたびに感じるのですが、SNSネームで呼び合うのはむず痒い。いい意味での非日常感が味わえます。

日本酒会の楽しみ②打順に想いを馳せる

(飲むときは真剣です)

今回の「秋田純吟醸」には、1から30までナンバリングされています。no.1から開栓していくのが今回の流れ。ここで、日本酒マニアは「順番」にも沸きます。

・お、いきなりNEXT5連続できたかー
・え、トリは○○蔵??
・◯◯蔵はここかー、えー

※NEXT5は、秋田の5酒蔵さんによるユニットです。そういうのがあるのです。

そう、もはや飲まずして楽しめるのです。

日本酒会の楽しみ③スペックを当てにかかる

(ラベルのスペックを凝視する参加者)

順番に飲んで感想を書いていくのですが、驚いたのがみなさんの声。

・これは美山錦でしょう!
・えー、雄町でこの味だすか?
・秋田◯◯◯?
・うーん、50、いや45くらいじゃない。60はないよ

……なにをいっているのかわかりません。圧倒されていると、横に座っていた方が「わからない単語が出てきたらお米だと思えば大丈夫です!」とアドバイスを。なるほど、呪文は「原料のお米」だったのか。

日本酒マニア(との)の楽しみ④味わいの解像度が上がる!

(卓上の大量のミネラルウォーターがお酒のみの証です)

これは僕の感想なのですが、普通に飲んでいると「あー、おいしい、好き」「これもおいしい、さっきと違うけどよし」くらいの感想しか出ないのですが、

・ミルキーな味わいですね
・フルーツの「皮」の感じがあります

などなど、自分だけなら絶対出てこないコメントが飛び交います。すごいのが、コメントを聞いて飲んでみると、本当にその通りだと感じるところ。

日本酒のテイスティングに秀でた方と一緒に飲むと、自分の味わう感どもグッと上がります!

日本酒マニア(に限らず)の楽しみ⑤料理がすごい

何気なくテーブルにのった鯛のお刺身。

参加されていた現役の魚屋さんが、たったいま捌いたものでした。そりゃあおいしいです。日本酒関係なくおいしい。
(マグロやらウニやら、いろいろいただきました)

このかたは中華の料理人(有名な高級中華のシェフだそう)です。

(乾杯酒に使った高級日本酒でフランベ!)

(写真はあれですが、本当はもっともっと美味しそうで、いろいろなメニューをいただきました。お店にいきたい!)

SNSのつながりのおもしろいところだと思うのですが、その世界の専門家がいらっしゃることがあるのです。

この日、僕は永遠とお酒と豪華な料理をいただく、それだけをしていました。(たまらなくおいしかった)

日本酒会の楽しみ⑥予定と違うお酒も飲む

秋田のお酒一斉開栓が会のテーマですが、別のお酒も並んでいました。
こちらは群馬県は土田酒造のリリースした「研究醸造10本セット」。こちらも個人ではなかなか買えない(買わない)もの。日本酒好きの間では話題のセットでもあります。なぜここにあるのか不明ですが、とにかくいただきます。

土田の研究醸造は、ひとつの酒米につき2種の麹歩合を比べることができる、というもの。意味不明な方は大丈夫です。「同じ原料だけど使ってる量によってこんなにかわるよ」というやつです。

これが、おもしろい。秋田もおもしろいけど群馬もすごい。それを千葉の山奥で感じています。日本酒ってすごいです。

日本酒会の楽しみ⑦予定と全然違うお酒も飲む、その2

(厨二病感がすごいと噂のレア酒、新政no6)

なぜかどんどん新しいお酒を出していただきました(前夜祭で飲んでいたとか)。さらっと、なかなかお目にかかれないレアなお酒が出てきます。

(新政と而今。会の後半、ごっちゃごちゃのテーブルでいただきます)

こちらはwakazeの2周年記念酒。と、それを手にする蔵人(大学生アルバイト)のニトロンさん。彼は前夜祭参加組なのでこれはパジャマ姿です。

全部おいしい!以上

ウニまでまわってきました。今年はじめて食べました。

正直、秋田の酒30酒、比較なんて全然できません。おいしい、おいしいだけで、いろいろ時間が過ぎてしまいました。

帰路

日帰り組でしたので(連泊組もいました)、途中でリタイア。無人駅で電車をまつ間、これまでにいただいたお酒を反芻しました。どこだここは。

本当にいろいろたくさんいただいたのですが、どれもが強すぎて(1タイプのお酒で1つの会がありそう)、ただただ満足がすごかったです。

お酒の会って「初心者にもやさしい」のがありますが、
ごく個人的な好みとしては「置いていかれるくらいわからないけれど、熱中している」ような会、いいなと思うのです。

美味しい日本酒合計で50種くらいでしょうか、楽しかったです。


お誘いいただき、本当にありがとうございました。極上のお酒を飲みすぎて夜うなされました。

この記事が参加している募集

イベントレポ

もちろん、お酒を飲みます。