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50日祭は賑やかに

 昨日は叔父の法事で田舎の町まで出かけてきた。

 叔父が亡くなったので田んぼを作る人がいなくなり今は雑草が生え放題になっておりそれが少しというかかなり寂しいものがあった。

 神道で区切りとなる五十日祭だったので親戚一同が大集合だった。

 午前十時から祭礼が始まった。

 神主さんに祭詞をあげてもらい、それから玉串を奉納してスムーズに行事は進んだ。

 回数を重ねているので作法や立ち振る舞いは慣れたものである。

 それからお墓に移動して納骨祭。

 時間は十一時くらいだったがお墓には日差しを遮るものが無くてギラギラと太陽が照り付けてきて意識が遠くなりそうだった。

 それでも叔父の遺骨をお墓に収めて一連の儀式を執り行って無事に全ての祭礼が終了。

 神主さんにお礼を言ってみんなで暑かったねぇと言いながら叔父の家に戻った。

 それから少し早めのお昼ご飯。

 仕出し屋さんに頼んでいた折詰弁当をお酒が好きだった叔父を供養する意味でビールと一緒に頂いた。

 ここ最近祖母のお葬式から仕出し弁当を頂く機会が多いので正直少し食傷気味だったのだが、お腹が減っていたので全部食べてしまった。

 その間に飲んだビールは二本で留めておいた。

 昼酒は開放感があってとても美味しいし、いとこたちと昔話に興じるのもなかなか良いものだった。

 ご飯を食べ終わってからが昨日のもう一つのミッション。

 それは叔父の家の周りの草刈りである。

 裏山は竹が伸び放題になっており、家の周りも雑草が伸び放題になっていた。

 そこで法事用の服から動きやすいジャージに着替えて作業を開始。

 父と叔母の旦那さんが草刈り機を持って裏山の斜面を刈り始めた。
 
 私は鎌で家の周りのまだあまり背丈の高くない草をザックザックと刈っていった。

 暑いだろうなぁと覚悟して作業をしていたのだが直射日光とムワッとする熱風のような風のおかげであっという間に全身びっしょりと汗をかいた。

 麦わら帽子を貸してもらったので熱中症にはならなかったがそれにしても中腰でしゃがんで草を刈り取る作業は腰と膝が痛くなりそうだった。

 実際腰は作業を始めてすぐに違和感を感じた。

 それでも根気強く雑草を刈り取っていった。

 大人が総出で作業をしたのでみるみるうちに綺麗になっていった。

 途中で塩分補給に塩飴を舐めたり叔母が買ってきてくれたミネラルウォーターを飲んで水分補給をしながら黙々と作業。

 数のパワーというのは大したものでものの二時間くらいでほぼ綺麗な状態になった。

 雑草は無限に生えるがしばらくは大丈夫かなと思った。
 
 みんな汗びっしょりだったので順番にシャワーを浴びてエアコンの効いた部屋で一休みをしてから解散。

 昨日は実家でご飯を食べていきなさいと母に言われていたのでお言葉に甘える事にした。

 晩御飯はいとこの奥さんがピビンパの具材を作ってくれていたので、それがメイン。

 いとこの奥さんは韓国出身なので本場の味である。

 何でも朝の四時から仕込みをしたらしくナムルだけでも八種類とお肉もプルコギとキムチ炒めと二種類あるきめの細かさ。

 他の料理は特に必要なかったが一日一回包丁を握らないとどうにも落ち着かないので大根葉の炒め物を簡単に作った。

 大根葉を熱湯で一分茹でて、水に晒してしっかり絞る。

 フライパンにごま油をしいてちりめんじゃこをいれてこんがりするまで炒める。

 そこに細かく刻んだ大根葉を加える。

 軽く炒めたら酒、アジシオで味付けをして水分を飛ばす。

 仕上げに醤油を軽く一回ししたら大根葉とじゃこの炒め物の出来上がり。

 これはつまみにもなるしご飯に乗せてもちょっと素敵な一品になる。

 後は父の畑でもいだばかりときゅうりとトマト。

 ホットプレートをセットして晩御飯の始まり。

 何はともあれまたビールで乾杯。

 父は草刈り機を使うので昼はお酒を控えていたのでゴクリゴクと実に美味そうに飲んでいた。

 私も日中の作業で軽く体が火照っていたのでビールが沁みる沁みる。

 つまみは大根葉と収穫して十分以内の野菜たち。

 きゅうりは醤油マヨネーズで食べたが瑞々しさが半端じゃなくて鮮度っ!という力強さを感じた

 もちろんトマトも甘酸っぱくて良かった。

 では早速ピビンパを作っていく。

 ホットプレートにごま油をしいてご飯を広げる。

 その上にナムルとご飯を乗せてお焦げができるまでじっくり待つ。

 その内に弟が来たので改めて乾杯。

 タレも自家製で何と半熟卵まで自家製というこだわりぶり。

 もういいかなというところで半熟卵を割って乗せてから自家製ダレを回しかけてフライ返しで天地返しをして満遍なく混ぜに混ぜて仕上げにカイワレを散らしたら本場物のピビンパの完成である。


かなり食欲をそそる見た目

 各々のお皿に取り分けてアツアツを頂く。

 ホフッホフと口に含むとやや甘めの味付けでたくさんのナムルと牛肉の旨味が混然一体となってかなり美味い。

 飲み込んだ後から唐辛子の辛みがピリリとやってきてそれがまた食欲を刺激した。

 普段は晩ご飯の時にご飯ものを食べない父も珍しくお代わりをしていた。

 大食漢の兄は大盛りで上にキムチを乗せたりと独自のカスタマイズをして味変を楽しんでいた。

 みんなで美味しいねぇと絶賛しながらモリモリ食べてあっと言う間に完食。

 お米はお腹にたまるのでさすがに満腹になった。

 食後に片づけをしてピビンバを持ってきてくれたいとこにご馳走様でした最高に美味かったよとLINEを贈ると妻が大変喜んでおりますと返事が返ってきた。

 叔父の法要は昨日で一区切りなので母や父もだいぶホッとしているようだった。

 いとこたちとは夏休みにまた集まれたらいいねと話している。

 この歳になって仲のいい親戚がたくさんいる事は本当にありがたい。

 実に中身の濃い充実した一日でした。

 叔父さんが繋いでくれた縁を大切にしていきたいなと思った次第である。

 お盆にはお墓参りに行きますね。

 叔母さんと一緒のお墓でゆっくり休んでくださいね。

 ではまたお会いしましょう、不肖の甥っ子より。

 
 
 

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