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ゴリンゴリン削られた。

 ようやく歯医者の予約が取れたので行ってきた。

 先週末に突如欠けた奥歯は案外と根強い痛みで起きていても寝ていてもジクジクとして始末が悪かった。

 馴染みの歯医者に行って受付票と保険証を出す。

 いつもの受付のお姉さんがどこが痛みますかというので左の奥歯が…と説明した。

 するとほぅんという感じで頷かれて待合室で待つように言われた。

 ああ、地味に痛いなぁともう何十回となく思った気持ちを押し殺ししつつもう少ししたら楽になるだろうと希望的観測を持ちながら待った。

 今日は雨だったのだが何だかとても混んでおりなかなか自分の名前が呼ばれなかった。

 そのうちに待合には私一人になったがまだ呼ばれない。

 もしかして忘れられているんじゃないの?と思っていたらようやく診察室にどうぞと通された。

 荷物を置いて診察台に腰掛ける。

 横になると倒しますねの歯科助手さんの声がした。

 グィーンと椅子が倒れて仰向けになる。

 まずは患部を教えてもらえますかというので指で指してここですと答えた。

 軽く汚れを取りますねと言われて金具でガシガシとこすられたら激痛が走った。

 ちょ、ちょっと痛いです…と涙目で訴えるとアッすいませんと謝られた。

 次に悪い歯のレントゲンを一枚パシャリ。

 それから他に悪い歯がないか全部の歯をチェックしてもらった。

 そこまでやって先生が来るまでお待ちくださいと言われたので待つことにした。

 ところがこれがいつまで経ってもやってこない。

 他の患者さんの歯を削るキュィーンというあの嫌な音は聞こえてくるが私の前は素通りするばかりだった。

 ううん、待つのも何だか怖いなぁと思っているとウトウトしてきてしまった。

 そしてまどろんでいると突然先生がはいお待たせしましたとやってきた。

 今日はどうされましたか?と本日三度目の同じ質問に答えて患部を診てもらった。
 
 沁みますか?というのでそうですねと答えると麻酔をして削ることになった。

 すぐにプスリと麻酔を打たれてしばらく待ち時間。

 痛みもマヒしてアウアウとアシカ状態になったところで施術開始。

 ドリルで容赦なくガリガリ削っていく。

 麻酔が効いているので痛みはないが振動が物凄い。

 はい、うがいしてと言われて口をゆすいだらだらモザイク必至の衝撃映像だった。

 幸い欠けていなかった歯がまだ結構残っているので隙間を詰める事でとりあえずの処置が終わることになった。

 やれやれこれで元の何でも噛める生活が戻ってくるわいと思っていたら、帰りがけに親知らずが虫歯になりかかっていますから半年後にまた来てくださいねと満面の笑みで言われた。

 お、親知らずか~それは思っても見なかった。

 一難去ってまた小さな一難が待っている。
 
 まあ、今日は久しぶりに歯を使ってアグアグ噛めるものを食べるんだ。

 血が足りねぇ、何でもいい、食いもんジャンジャンもってこい!

 とまあわかる人にしかわからないネタをかましながら昨日の晩御飯を。

 まずは水から炊くお粥をと四十分かけてコトコトと。

 副菜は温泉卵とクタクタに煮込んだ大根のそぼろあんかけ。

 そぼろは鶏ひき肉を炒めて色が変わったら水と砂糖、しょうゆ、酒、みりんを入れて煮立たせる。

 火が通ったら仕上げに水溶き片栗粉を入れてとろみがついたら出来上がり。

 この手のとろみ料理にはずいぶん助けられた。

 これだけだと妻には物足りないのでメインに豚肉の生姜焼きをササッと作った。

 豚のロース肉の薄切りを半分に切って油を敷いたフライパンで炒めてそこに醤油、砂糖、酒、ショウガをたっぷり入れて水を加える。

 我が家の生姜焼きは焼きながらも仕上げは煮込んで作る。

 これは昔テレビで美味しそうな定食屋さんが作っていたやり方でこれだと味が濃くなりすぎなくてなかなか塩梅がいい。

 後は定番のぬか漬けを出して晩御飯の準備完了。

 妻を呼んでいただきます。

 まずは温泉卵に出汁醤油をかけてツルリ。

 喉越しが良くて歯にも刺激が無くて栄養が豊富でいい。

 次にお粥に軽く塩をかけて頂く。

 水から炊いたお粥はお米の粒がふっくらで優しい味がする。

 何よりあまり噛まくていいのでいい。

 妻もお粥に温泉卵を入れてアレンジして食べている。

 タンパク質も取りたかったのでそぼろあんかけがありがたかった。

 歯が痛いと食欲も失せて粗食になりがちだが栄養のバランスはとりたい。

 妻が美味しそうに生姜焼きを頬張っているのが羨ましかぅた。

 腹八分目でご馳走様をして片づけ。

 いやぁ歯が治ると気分がとても良いなぁ。

 今日からしっかり歯磨きをしましょう。

 皆さんも歯は大切になさってくださいませ。

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