しっかりとした共通認識を
1165文字
昨今では「多様性」という言葉を、目にすることがとても多くなりました。
仕事においても、この「多様性」が発揮されて、今までにない「価値」や「イノベーション」が生み出されることもあるでしょう。
しかし、現実にはなかなかうまくいかないことも多いのではないかと思います。
例えば、リンゴがあって「赤いリンゴです」という人もいれば、「丸いリンゴです」という人もいるでしょう。それは当然だと思います。「なるほど、そういう見方をするんだね」ってことで、自分の考えと違うことがわかるし、参考になります。
ですが、それは「青いリンゴです」と言ったり、「四角いリンゴですね」と言ったら、それは指摘して訂正してあげなければいけないと思うんです。
それを認めてしまうと、「リンゴ」が赤くて丸いという、全員の共通認識が崩れていってしまうからですよね。
もう少し具体的な例でいえば、
上司が部下に「この資料、今週までに仕上げといて」という指示を出した時に、もし共通認識がズレていたら、資料を見て、どこをどう仕上げればいいのか、そして今週とはいつまでのことを指しているのか、そもそも何に使う資料なのか、重要度や優先度はどれくらいなのか、そして自分の業務範囲なのか、それはその人の得意分野なのか、など色々ズレそうなポイントがありますよね。
なので、「ツーカーの仲」でまだ仕事に取り組んでいない場合、細かく丁寧に何度も指示を出さないと、絶対に期待通りのものは仕上がってきません。
また、指示を受ける側も「これで考え方は合ってるのかな」といった、途中経過での再確認を何度もしていくことが大事でしょう。
それを繰り返していくうちに、「共通認識」が少しずつ生まれて、先々の仕事で細かく指示を出すことなく「これ、今週までにやっといて」がきっちり認識されて、より良いものが出来上がってくるのではないでしょうか?
というわけで、会社において、この「共通認識」がとても大事になることは間違いがないでしょう。
ということは、「共通認識」が一致していない場合、何をしていかなければいけないのか。
やはり何度も何度も、事あるごとに細かく話をし、説明をしなければならないし、その時々で、これはこの考え方で合っているか、この判断は間違っていないか、毎回、毎回確認しなければならない、ということです。
そして都度、違えば指摘し、訂正し、「共通認識」を擦り合わせながら進んでいく。そうやって出来上がるものが、企業の風土であったり、ひいては会社や経営者の理念だったりするのかもしれません。
そして、それが社員の細部まで宿っている会社はとても「強い」ということです。
あきらめずに、「共通の認識」を皆が持つことによって「価値観の共有」が生まれてくるのだと思います。
毎日、毎日、丁寧に頑張っていきましょう、共有いたします。