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建築に潜む彫刻性01(Museum Insel Hombroichを訪ねて)

初めに
Museum Insel Hombroich (ムゼウム・インゼル・ホンブロイヒ)に行ってきた(名前が全然覚えられない)。何人かの友人や知人、Twitterでおすすめしている人が多かったのと、たまたま友人から「車を借りていろいろ回ってみよう」という計画性のない小旅行の誘いもあり、行くことができた。
場所はドイツDüsseldorf(デュッセルドルフ)の南西方面にあるNeuss(ノイス)。広大な敷地はその全てが庭であり、豊かな自然にあふれている。その中に点在する建築物(と言っていいのか、あるいは彫刻と呼んだ方が良いのかはまだ分からないけれど、ひとまず建築物と言うことにする)が大小合わせて15棟ほどある。オープンしてすぐの10:00過ぎに到着。天気は良好。気温はやや低めだけれど、そこまで寒くはなく、いわゆる秋が始まりそうな気候だったと記憶している。旅の日程の関係もあり、そんなにゆっくりとはできなかったけれども、他のお客さんよりはかなりゆっくり周ったし、なんなら予定より2~3時間オーバーして4~5時間ほどここでの体験を楽しんだ(下写真:わかりにくい入口の看板)。

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これらの建築物を体験して、感じたこと、考えたことをベースに建築物の彫刻性について考えてみようと思う。
端的に言ってしまえば、ここに建っている建築物の多くは彫刻性をもっているように思える。建築の彫刻性とは何なのか。いったいそれはどういう要因によって生まれるのか。まだこの段階では断片的にいくつかの考えがあるだけで、その全体像は僕自身にも分かっていない。文章を書き進めることで、徐々にその全体を明確にできればと考えている。
ちなみに、これらの建築物に関わる歴史的な背景であったり、建築物の設計者に関することであったり、いわゆる体験以外の情報と関連させて対象を記述することはここではしない。体験したことを基盤にしながら話を展開していく方がそこで感じたことを素直に書ける気がしているし、事後的にいろいろ調べる時間を楽しみたいのもある。


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