川上に住む者の責任
非常に不勉強で恥ずかしいのですが、私はインドに行く以前、ガンジス川は黄色い濁った水の流れるあまり衛生的とは言えない川だと思い込んでいました。ですが実際に自分の目で見たそれは、翡翠色の水を湛えたとても清らかで美しいものでした。周囲の深い緑と澄んだ空気、朝夕で変わる沢山の光。その全ての粒子が高密度で自分を包み込んでくれているような感覚を覚えて、神聖な気分になります。まさに「聖地」の雰囲気。もちろんゴミ一つ落ちていません。ただし、たまにお供え物のようなモノは流れてくるようです。受講生仲間の一人が沐浴中に、ヒンドゥー教の女神様を象った飾り物を水中から拾ってきました。ヒンドゥー教ではガンジス川(ガンガー)自体が女神であり、信仰の対象なのです。
本当に美しいものは一日中眺めていても飽きません。周辺の方々が、川の水を汚さないよう多少の不便を受け入れていらっしゃるのも印象的でした。川上に住む者の責任は万国共通なのですね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?