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対談 池田大作は語る:後へ続くひとのために(昭和44年)(2)小林正巳(毎日新聞記者)
<崇高な目的と信念>
小林 環境に勝つ以上に、自分に勝っていくことは、大変なことだと思うんです。私なんかもなかなか勝てませんね。楽をしたいという気持に引きずられてしまいます。そういう自分に勝つことが「人間革命」になるのですか 。
池田 そうですね。人生のほんとうの戦いは,せんじつめていけば、自分との戦いですね。ある人の言葉に「見えざる敵を恐れよ」という名言がありますが、この「見えざる敵」とは
結
対談 池田大作は語る:後へ続くひとのために(昭和44年)(1)小林正巳(毎日新聞記者)
<大きな悩み・小さな悩み>
小林 誰でも、青年期には 、いろいろな悩みがあるものですが、「 若き日の日記」を拝見しても“広宣流布” という至上目的に対する悩みはあっても、私生活にまつわるような、小さな悩みはうかがえませんね。経済的に苦労されても、貧しさが少しも惨めさにつながっていないというのでしょうか。たとえば、「今日は生活費、逼迫す。金欠病となる。いやはや」といった具合に、全然、じめじめしたと
実生活での指導(9)学会員がうけとめるもの「現代人物論 池田大作」小林正巳著(昭和44年9月25日)第37回
教義と指導
創価学会員のなかには、あらゆる階層が含まれているが、池田の指導を学会員はどう受け止めているのだろうか。
前にも書いたように、池田の指導の多くは広宣流布、王仏冥合の理念をはじめ、身近な社会生活に至るまで日蓮の教義に直接もとづくか、そうでなくても、その思想を根本として現代に適応させて説く。
そして、学会員は池田によって日蓮の教義を現実の生活の上で、どうとらえるかを知るのである。
十
3.11東日本大震災に思う(2)
2012年1月,研究留学中の米国のカーネギーメロン大学での最終講演のテーマを「3.11東日本大震災」にした。東部の名門大学である。どんな質問が出るだろうか,福島の原発事故に対する質問は絶対出るだろう,何をどう話せばいいのか,祈りながら考えに考えた。死亡者数や経済損失を数字で示しても心に響かない。かと言って,被害の悲惨さを伝えるだけでもダメだ。
祈りながら考えに考えた結論は,誰にでも絶対にあ
実生活での指導(8)現実に立つ指導(3)指導が実る時(2)「現代人物論 池田大作」小林正巳著(昭和44年9月25日)第36回
〈 ある会合で 、ピクトルユゴーの小説に触れて 〉
「ワーテルローの戦いで敗れたナポレオンの一戦士はイギリス軍のウェリントン将軍の降伏呼びかけに屈しなかった。ウェリントンも心の底では、この無名の戦士のあっばれさに勝つことができなかった」
「自分の置かれた立ち場に使命を感じ、生き甲斐を知ることが最も大事なことだ。平凡な姿のなかに偉大なエンジンが動いている人だからである。人生の最後の勝利というもの
実生活での指導(8)現実に立つ指導(3)指導が実る時(1)「現代人物論 池田大作」小林正巳著(昭和44年9月25日)第35回
指導が実るとき(1)
以下は最近の指導会、懇談会などにおける池田の指導の実例である。(指導はやはり信心上の話が中心になるが、一般になじまない純仏法上の話は避けた。)
<M大学会で、革命児として生きてゆく道を教えてくださいとの問いに>
「われわれは、ともすると過去の先入観、過去の事象に観念的にとらわれてしまう。過去は一つの参考として見ていくことは大事だが、未来も同様な方程式でいくと決めるのは、
実生活での指導(7)現実に立つ指導(2)「現代人物論 池田大作」小林正巳著(昭和44年9月25日)第34回
弟子を尊敬する
地方指導に関連して、私がとりわけ感心したのは、学会員の誰に対しても、弟子を尊敬する。子供に対してすら、彼は一度として“会長” の態度で接したことはなかった。彼と握手しながらお辞儀をする学会員に「握手をして頭を下げたりする必要はないんですよ。もっと胸を張りなさい」
また、ある指導会で質問に立った女性が「私は班担をやらしていただいています」というと、すかさず「一銭ももらっているわけで
実生活での指導(7)現実に立つ指導(1)「現代人物論 池田大作」小林正巳著(昭和44年9月25日)第33回
会員とのふれあい
「池田会長は雲の上の存在で、一般会員などと会わないのではないか」こんな質問をうけることがある。七百万世帯の会員たちの池田に対する熱烈な支持ぶりだけから、池田が神格化された存在だと思っている人は意外に多い。
だが、実のところこのぐらい幅広く一般の会員たちと会い,対話をかわしている指導者はいないだろう。国内は、北は北海道の僻地から、南は沖縄まで、何度かにわたってくまなく指導に歩き、
実生活での指導(6)”書く”理論の指導「現代人物論 池田大作」小林正巳著(昭和44年9月25日)第32回
「人間革命」と会員
「小説 人間革命」 の第五巻が連載されると報道されてから、私は毎日胸をときめかせて十三日のその日を待っていた。新聞受けの口金がカタッと音を立てたとき、思わず飛び上って、新聞をとりにいった。無我夢中で読んだ。そしていいようのない懐しさをおぼえた。昨年七月から数えて約九ヵ月である。私はなんだかその九ヵ月の間、空白のような物足りない思いであったように感じた。それがいま満ちてくるよう
実生活での指導(5)平等と調和ある人材「現代人物論 池田大作」小林正巳著(昭和44年9月25日)第31回
平等の会員たち
池田にとって学会員はすべて平等であり、共通の目的に向かって全員の団結が何よりも大切である。
創価大学、創価学園は人材育成の面で、池田から将来へ向けてより大きな期待をかけられることは間違いない。しかし、創価学会員の膨大な人口からみれば、ここに入れる子弟は極限されることになる。だから池田は「若い人は創価大学の通信教育をやりなさい。そして男も、女も、全員大学を出なさい」という。そうい
実生活での指導(4)人材の城(1)「現代人物論 池田大作」小林正巳著(昭和44年9月25日)第29回
昭和の生まれ
創価学会のすさまじいエネルギーの秘密の一つを、私は若さにあると思っている。組織自体青年部が中心だし、会長の池田は昭和三年生まれの若さ。
中枢部の要職は、生まれでいえば昭和の一桁組。ほとんどが三十代の中ごろ。教学部長の要職も、一挙に二、三十年若返って昭和の二桁組から抜擢されている。
公明党にしても、上の方の幹部クラスは大正の後半が一人だけ、あとはすべて昭和の一桁組。そこに 送り出さ
実生活での指導(3)「対社会活動への指導」「現代人物論 池田大作」小林正巳著(昭和44年9月25日)第28回
人材製造の信念
かつて池田は、「幅広い人材の発掘、いかなる革命も改革もその原理を外してはいけないのです」と私に語ったことがある。また最近ある作家から「あなたの職業は?」ときかれて、即座に「人材製造業です」と答えたときくが、池田によればこの人材づくりが、そのまま広宜流布につながるのだ。
「戦国時代の名将、武田信玄は『人は石垣、人は城』を理念として、特に 城は築かず、勇猛な武将をもって最高の守りと
実生活での指導(2)「リーダーシップ」「現代人物論 池田大作」小林正巳著(昭和44年9月25日)第27回
創価学会に対して批判的な人を含めても、池田の傑出した指導性に対して、異論をさしはさむものはいないだろう。池田をよく知る央忠邦氏は、その著「池田大作論」のまえがきの中で「数多くの組織の中で、数百万以上の成人を含め、すべてを弟子たらしめる人物は、わが国の歴史では稀だろう」と述べている。私も同感である。
これまでも、制度、権力、武力など物理的な力関係を背景として、指導性を確立した権力者は多い。しかし、