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「神秘学遊戯団」は1991年スタート。シュタイナーのほか、諸テーマを横断。 HP ht…

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「神秘学遊戯団」は1991年スタート。シュタイナーのほか、諸テーマを横断。 HP https://r5.quicca.com/~steiner/novalisnova/    Facebook https://www.facebook.com/kazenotopos

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  • 神秘学ポエジー【風遊戯】photopos

    神秘学的な内容を写真と言葉で、「遊戯」していくシリーズ。

  • 神秘学ポエジー【風遊戯】mediopos

    本を中心としたメディアを神秘学的な視点で読みながら「遊戯」していくシリーズ。

記事一覧

わからないといえるところから

☆photopos-3571  2024.6.18 わかっている と思いたい 思われたい わからないとは 思えない 思いたくない そんなところからは わかることは はじまらない わからない …

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2時間前
17

土居健郎「人間理解の方法————「わかる」と「わからない」」(『最終講義 学究の極み』)

☆mediopos3501  2024.6.18 手元に1997年実業之日本社からでている 『最終講義』という一冊がある 今回(五月)角川ソフィア文庫から 『最終講義 学究の極み』『…

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2時間前
10

どの世界を生きているか

☆photopos-3570  2024.6.17 光にふれるひとは 光を紡ぐ 光にふれようとしないひとに その世界は紡げない 光で紡がれた世界を 想像することさえできないままに 虫を見…

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1日前
30

ユクスキュル『生物から見た世界』『生命の劇場』/保坂和志「鉄の胡蝶は記憶を歳月を夢は彫るか71」(『群像』)/グレーバー …

☆mediopos3500  2024.6.17 ユクスキュルの『生物から見た世界』は mediopos-2343(2021.4.16)でとりあげているが その「環世界」という視点は 主-客という認識の問題…

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1日前
31

魔法の言葉で世界は歌う

☆photopos-3569  2024.6.16 水の神話は 創造の起原を語る 原初の海は 言葉をつくる 音の波の集まり つまり弦 弦がふるえ 音の波が重なり響きあい そこから光が生まれ…

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2日前
36

小林道憲「共鳴する宇宙」(『生々流転の哲学』)/中村雄二郎『かたちのオデッセイ』/アレクサンダー・ラウターヴァッサー『ウ…

☆mediopos3499  2024.6.16 mediopos3493(2024.6.10)では 小林道憲『生々流転の哲学』から 「ヘラクレイトス」をとりあげたが 今回は同じ「1 万物流転」から 「共鳴す…

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2日前
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鏡に映る姿

☆photopos-3568  2024.6.15 わたしは 水鏡に映る じぶんの姿を じぶんだと思って 生きているけれど 水の面は ときに 風をうけ 千々に乱れもする わたしは あなたに映…

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3日前
43

石井ゆかり「星占い的思考52 フォゲット・ミー・ナット」(『群像』2)/ケン・ウィルバー『インテグラル・スピリチュアリティ』…

☆mediopos3498  2024.6.15 感情というのは厄介極まりないが 思考や意志と関係した感情もふくめ ひとはその生のほとんどを感情とともに過ごす いかに感情を豊かにする…

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3日前
28

生きるために

☆photopos-3567  2024.6.14 生きるために  のどをうるおす水と  いのちをうるおす水と 見るために  照らされる光と  生みだされる光と 学ぶために  知るため…

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4日前
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東畑開人「贅沢な悩み 連載第7回 4章 臨床心理学の二柱の神——生存と実存」『文學界』

☆mediopos3497  2024.6.14 東畑開人が「文學界」で連載している 「贅沢な悩み」の第7回 第1回から第5回までは 第1回:mediopos3310(2023.12.10) 第2回:mediopo…

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4日前
21

孤独の深みのなかで

☆photopos-3566  2024.6.13 孤島には 独自の生態系があるように 孤独にも 独自の生態系がある 孤独のなかで 独自の進化を遂げた 言葉たちがあり 言葉を溯っていくと …

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5日前
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小笠原鳥類『吉岡実を読め!』/『吉岡実詩集』/『小笠原鳥類詩集』

☆mediopos3496  2024.6.13 小笠原鳥類は一九七七年生まれの詩人である 誰にも似ていない詩を書く 彼は詩は魚であるといっているそうだ 最初の詩集は『素晴らしい海岸生…

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5日前
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これは詩として書かれてはいない

☆photopos-3565  2024.6.12 はじめに詩があるのではない 詩として読まれる言葉が そこにあるだけだ 詩として書かれていなくても 詩として読まれる言葉はあるけれど 詩…

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6日前
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文月悠光(連載書評 文一の本棚)「石原吉郎『石原吉郎詩文集』」(『群像』)/野村喜和夫『証言と抒情 詩人石原吉郎と私たち…

☆mediopos3495  2024.6.12 石原吉郎は 「詩は、「書くまい」とする衝動なのだ」としながら 一九七七年六十二歳の晩年まで詩を書きつづけた 文月悠光は一九九一年生ま…

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6日前
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秘儀の公開はすでに自明である

☆photopos-3564  2024.6.11 秘儀の公開は すでに自明である 秘儀はすでに 現代人にとっては 智慧を得る源とさえなりつつある 秘密を漏らす者は 死をもって 贖わなけ…

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7日前
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竹下節子『オカルト2.0 西洋エゾテリスム史と霊性の民主化』/「科学はフェイクで、魔術がリアル? 大学で「魔術とオカルト科…

☆mediopos3494  2024.6.11 昨今「Web 2.0」という言葉が 使われたりもするように 「オカルト」も これまでとは異なったあり方 認識のされ方が求められるのではないか …

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7日前
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わからないといえるところから

わからないといえるところから

☆photopos-3571  2024.6.18

わかっている
と思いたい
思われたい

わからないとは
思えない
思いたくない

そんなところからは
わかることは
はじまらない

わからない
というところ

わかろう
とするところから

わかることは
はじまる

わかることを
はじめるために

未知の曠野へ
赴く者は
幸いである

その孤独の種からこそ
稔りはもたらされるから

*愛媛県久万

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土居健郎「人間理解の方法————「わかる」と「わからない」」(『最終講義 学究の極み』)

土居健郎「人間理解の方法————「わかる」と「わからない」」(『最終講義 学究の極み』)

☆mediopos3501  2024.6.18

手元に1997年実業之日本社からでている
『最終講義』という一冊がある

今回(五月)角川ソフィア文庫から
『最終講義 学究の極み』『最終講義 挑戦の果て』
という二冊がでているが
これは二〇二二年に刊行された『増補版日本の最終講義』が
分冊の上文庫化されたもの
上記の『最終講義』以降に行われた講義をはじめ
そこには収められていない講義も収録さ

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どの世界を生きているか

どの世界を生きているか

☆photopos-3570  2024.6.17

光にふれるひとは
光を紡ぐ

光にふれようとしないひとに
その世界は紡げない
光で紡がれた世界を
想像することさえできないままに

虫を見るひとには
虫の世界がひらかれる

虫を見ないひとに
その世界はみえない
虫が見る世界を
想像することさえできないままに

作るひとは
ポイエーシスを生きる

作らないひとに
その世界は存在しない
作ることで

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ユクスキュル『生物から見た世界』『生命の劇場』/保坂和志「鉄の胡蝶は記憶を歳月を夢は彫るか71」(『群像』)/グレーバー 『万物の黎明』

ユクスキュル『生物から見た世界』『生命の劇場』/保坂和志「鉄の胡蝶は記憶を歳月を夢は彫るか71」(『群像』)/グレーバー 『万物の黎明』

☆mediopos3500  2024.6.17

ユクスキュルの『生物から見た世界』は
mediopos-2343(2021.4.16)でとりあげているが

その「環世界」という視点は
主-客という認識の問題にも深く関わり
さまざまな動物の世界における「環世界」の他にも
ひとりひとりの人間にとっての「環世界」という
主観的現実についての視点も加えられているのが興味深い

ひとりひとりの見ている

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魔法の言葉で世界は歌う

魔法の言葉で世界は歌う

☆photopos-3569  2024.6.16

水の神話は
創造の起原を語る

原初の海は
言葉をつくる
音の波の集まり
つまり弦

弦がふるえ
音の波が重なり響きあい
そこから光が生まれた

言葉は光る音
そして音と光は律動し
歌いはじめる

すべてのものは
歌でできているから

たとえ歌が
忘れられてしまう
そんなときがきても

魔法の言葉さえあれば
世界はまた歌いはじめる

詩人は

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小林道憲「共鳴する宇宙」(『生々流転の哲学』)/中村雄二郎『かたちのオデッセイ』/アレクサンダー・ラウターヴァッサー『ウォーター・サウンド・イメージ』

小林道憲「共鳴する宇宙」(『生々流転の哲学』)/中村雄二郎『かたちのオデッセイ』/アレクサンダー・ラウターヴァッサー『ウォーター・サウンド・イメージ』

☆mediopos3499  2024.6.16

mediopos3493(2024.6.10)では
小林道憲『生々流転の哲学』から
「ヘラクレイトス」をとりあげたが
今回は同じ「1 万物流転」から
「共鳴する宇宙」をとりあげる

この章では
「宇宙は無数の要素の共鳴世界」であって
「多くの音の振動や位相が同期し」
「弦と弦が共振するように」
「われわれ地球上の生命体も、
この宇宙のリズムと共振

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鏡に映る姿

鏡に映る姿

☆photopos-3568  2024.6.15

わたしは
水鏡に映る
じぶんの姿を
じぶんだと思って
生きているけれど

水の面は
ときに
風をうけ
千々に乱れもする

わたしは
あなたに映る
じぶんの姿を
じぶんだとは思わずに
生きているけれど

あなたという鏡は
ときに
わたしの言葉で
激しく歪んだりもする

どんなに乱れ
歪んだとしても
それはわたしを映しているけれど

風なき湖面の

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石井ゆかり「星占い的思考52 フォゲット・ミー・ナット」(『群像』2)/ケン・ウィルバー『インテグラル・スピリチュアリティ』/カルロス・カスタネダ『時の輪』

石井ゆかり「星占い的思考52 フォゲット・ミー・ナット」(『群像』2)/ケン・ウィルバー『インテグラル・スピリチュアリティ』/カルロス・カスタネダ『時の輪』

☆mediopos3498  2024.6.15

感情というのは厄介極まりないが
思考や意志と関係した感情もふくめ
ひとはその生のほとんどを感情とともに過ごす

いかに感情を豊かにするかということ
意識化し制御できるかということが
最重要の課題だといえそうだ

注意が必要なのは
感情が豊かであるということと
感情的になりやすいということとは
逆だということである

感情的になりやすいのは
むし

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生きるために

生きるために

☆photopos-3567  2024.6.14

生きるために

 のどをうるおす水と
 いのちをうるおす水と

見るために

 照らされる光と
 生みだされる光と

学ぶために

 知るための言葉と
 詠うための言葉と

作るために

 かたちを習う手と
 自由に遊ぶ手と
 
変わるために

 流れる時間と
 生きられる時間と

愛するために

 求める姿と
 与える姿と

祈るために

 

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東畑開人「贅沢な悩み 連載第7回  4章  臨床心理学の二柱の神——生存と実存」『文學界』

東畑開人「贅沢な悩み 連載第7回 4章 臨床心理学の二柱の神——生存と実存」『文學界』

☆mediopos3497  2024.6.14

東畑開人が「文學界」で連載している
「贅沢な悩み」の第7回

第1回から第5回までは
第1回:mediopos3310(2023.12.10)
第2回:mediopos3343(2024.1.12)
第3回:mediopos3376(2024.2.14)
第4回:mediopos3409(2024.3.18)
第5回:mediopos3432(2

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孤独の深みのなかで

孤独の深みのなかで

☆photopos-3566  2024.6.13

孤島には
独自の生態系があるように
孤独にも
独自の生態系がある

孤独のなかで
独自の進化を遂げた
言葉たちがあり

言葉を溯っていくと
別の島の言葉と
どこかで繋がっていたりもするのだが

見かけは同じでも
意味は必ずしも同じではなく
それは孤独のなかでしか
得られない言葉かもしれない

けれども
孤独の深みのなかでこそ
繋がることのでき

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小笠原鳥類『吉岡実を読め!』/『吉岡実詩集』/『小笠原鳥類詩集』

小笠原鳥類『吉岡実を読め!』/『吉岡実詩集』/『小笠原鳥類詩集』

☆mediopos3496  2024.6.13

小笠原鳥類は一九七七年生まれの詩人である
誰にも似ていない詩を書く

彼は詩は魚であるといっているそうだ
最初の詩集は『素晴らしい海岸生物の観察』(2004年)

鳥類なのになぜ魚なのかといえば
魚を狙う鳥だからだとかいう(笑)

小笠原鳥類の詩を読むようになったのは
入沢康夫が上記の詩集の帯にある
「この新しい詩人の自然物(生物、わけても鳥)へ

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これは詩として書かれてはいない

これは詩として書かれてはいない

☆photopos-3565  2024.6.12

はじめに詩があるのではない
詩として読まれる言葉が
そこにあるだけだ

詩として書かれていなくても
詩として読まれる言葉はあるけれど
詩として書かれていても
詩とは読めない言葉のいかに多いことか

こうして詩のように行分けで書かれていても
これは詩として書かれてはいないし
詩として読まれる必要もないように

詩人も芸術家も哲学者も
はじめから

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文月悠光(連載書評 文一の本棚)「石原吉郎『石原吉郎詩文集』」(『群像』)/野村喜和夫『証言と抒情 詩人石原吉郎と私たち』

文月悠光(連載書評 文一の本棚)「石原吉郎『石原吉郎詩文集』」(『群像』)/野村喜和夫『証言と抒情 詩人石原吉郎と私たち』

☆mediopos3495  2024.6.12

石原吉郎は
「詩は、「書くまい」とする衝動なのだ」としながら
一九七七年六十二歳の晩年まで詩を書きつづけた

文月悠光は一九九一年生まれの詩人だが
『群像』の「連載書評 文一の本棚」で
『石原吉郎詩文集』をとりあげている

ひとは必ずしも年齢ではなく
それぞれの体験の質はひとの数だけあるだろうが
三十代の文月悠光にとって
そしてその「詩」の言葉

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秘儀の公開はすでに自明である

秘儀の公開はすでに自明である

☆photopos-3564  2024.6.11

秘儀の公開は
すでに自明である

秘儀はすでに
現代人にとっては
智慧を得る源とさえなりつつある

秘密を漏らす者は
死をもって
贖わなければならない
そんな時代は去った

それが残っているのは
政治と経済の世界くらいだろう
危険な人物は
それと知られず
あるいは見せしめとして
死を迎えることになるように・・・

しかしながら
自明となった秘

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竹下節子『オカルト2.0 西洋エゾテリスム史と霊性の民主化』/「科学はフェイクで、魔術がリアル? 大学で「魔術とオカルト科学」を学ぶ意義」((「WORKSIGHT」)

竹下節子『オカルト2.0 西洋エゾテリスム史と霊性の民主化』/「科学はフェイクで、魔術がリアル? 大学で「魔術とオカルト科学」を学ぶ意義」((「WORKSIGHT」)

☆mediopos3494  2024.6.11

昨今「Web 2.0」という言葉が
使われたりもするように
「オカルト」も
これまでとは異なったあり方
認識のされ方が求められるのではないか
というところから
竹下節子『オカルト2.0』という著作が書かれている

副題に「西洋エゾテリスム史と霊性の民主化」とあるように
秘められた高次の智慧のようなものとして
限られた人間だけに可能な「霊性」をと

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