KAZE

「神秘学遊戯団」は1991年スタート。シュタイナーのほか、諸テーマを横断。 HP ht…

KAZE

「神秘学遊戯団」は1991年スタート。シュタイナーのほか、諸テーマを横断。 HP https://r5.quicca.com/~steiner/novalisnova/    Facebook https://www.facebook.com/kazenotopos

マガジン

  • 神秘学ポエジー【風遊戯】photopos

    神秘学的な内容を写真と言葉で、「遊戯」していくシリーズ。

  • 神秘学ポエジー【風遊戯】mediopos

    本を中心としたメディアを神秘学的な視点で読みながら「遊戯」していくシリーズ。

最近の記事

ほんとうの言葉・意味・愛のために

☆photopos-3544  2024.5.22 ひとは 騙らずには 生きてゆけないから 語りは 騙りにもなるが 騙りゆえに 糧になりもする 騙りの果てにこそ ほんとうの言葉で語るために ひとは 意味にとらわれずには 生きてはゆけないから 意味を拒み 忌みとするときもあるが 忌みゆえの沈黙が 美味となりもする 沈黙の果てにこそ ほんとうの意味を見つけるために ひとは 愛さずには 生きてゆけないから 愛は 哀にもなるが 哀ゆえに 詠となりもする 哀しみの果

    • 鈴木聖子『掬われる声、語られる芸 小沢昭一と『ドキュメント 日本の放浪芸』』/池内紀『山の本棚』

      ☆mediopos3474  2024.5.22 小沢昭一は二〇一二年一二月に亡くなっているが その三年ほど前に講演会のディレクターをした関係で お話しする機会があった そのときどうしても小沢昭一に会って 『ドキュメント 日本の放浪芸』のCDに サインをいただきたいというお年を召した方がいて 小沢氏の了解を得て楽屋にお連れした 『ドキュメント 日本の放浪芸』は 当初一九七一年六月に発売されたレコードで 小沢昭一が日本の放浪芸を探訪し 現地録音した音楽芸能とインタビュー

      • 心を見るもうひとつの心をひらく

        ☆photopos-3543  2024.5.21 水の流れを 見るように 心の流れは見えるか 流れて どこへ向かうか 流されないでいる 心はあるか 流れる心をみつめる もうひとつの心はあるか もうひとつの心は そこからひらかれてゆく 火の燃え盛るのを 見るように 心の燃え盛るのは見えるか 燃えて どうなるか 燃え尽きない 心はあるか 燃え盛る心をみつめる もうひとつの心はあるか もうひとつの心は そこからひらかれてゆく *愛媛県久万高原町・古岩屋にて

        • 森田真生「絶版本の贈り物」(J.クリシュナムルティ『英知の教育』)(『絶版本』)

          ☆mediopos3473  2024.5.21 以前も取り上げたことのある 「あなたが、いまこそ語りたい『絶版本』はなんですか?」 に答えるという企画本を拾い読みして再発見 数学をはじめとした独立研究者・森田真生は 高校生のときH先生から贈られたという クリシュナムルティの『英知の教育』を挙げている H先生の本業は山伏 学校では体育の授業を受け持ち バスケットボール部の メンタル・フィジカルトレーナーでもあったが 「瞑想の方法を指導してくれ」 「苦しいときに相談に

        ほんとうの言葉・意味・愛のために

        • 鈴木聖子『掬われる声、語られる芸 小沢昭一と『ドキュメント 日本の放浪芸』』/池内紀『山の本棚』

        • 心を見るもうひとつの心をひらく

        • 森田真生「絶版本の贈り物」(J.クリシュナムルティ『英知の教育』)(『絶版本』)

        マガジン

        • 神秘学ポエジー【風遊戯】photopos
          1,237本
        • 神秘学ポエジー【風遊戯】mediopos
          1,237本

        記事

          楽園の外で

          ☆photopos-3542  2024.5.20 かつて 楽園にいた 楽園には 調和と平安があった なぜ 蛇の言葉に従って 知恵の実を食べたのか 楽園にないものを 求めたからだ 楽園にないものは 違いである 違いは 調和と平安を 壊してしまうから 楽園の外では 無数の感覚が燦めきはじめる 感覚は望み 感覚は競い 感覚は知ろうとする もはや 楽園に戻ることはできない 楽園の外で 知恵の実とは なんだったのか考える 楽園とはなにか 楽園の不在とはなにかを

          楽園の外で

          岡崎乾二郎「感覚のエデン————蛇に学ぶ」「聴こえない旋律を聴く」

          ☆mediopos3472  2024.5.20 岡崎乾二郎『感覚のエデン』については mediopos-2529(2021.10.19)と mediopos2870(2022.9.26)で 少しばかりとりあげたことがあるが 今回はそのなかから 「感覚のエデン————蛇に学ぶ」と 「聴こえない旋律を聴く」について 「感覚のエデン————蛇に学ぶ」は 「蛇に学ぶ」という副題があるように エデンの園の話からはじまっている イブとアダムは蛇に勧められて 禁じられていた知恵

          岡崎乾二郎「感覚のエデン————蛇に学ぶ」「聴こえない旋律を聴く」

          見えないものを見る 語れないことを語る

          ☆photopos-3541  2024.5.19 写真で 写せるもの それは 光でとらえられる 表面だけだとしても ほんとうに写すとは その奥にある 光ではとらえられないものを 写しだそうとすることである そのためには 見えないものを 見ることのできる 眼が必要となる 言葉で 語れること それは 言葉でとらえられる 表現だけだとしても ほんとうに語るとは その奥にある 言葉では語れないことを あえて語ろうとすることである そのためには 語れないでいることを

          見えないものを見る 語れないことを語る

          千早茜『グリフィスの傷』/千早茜×石内都「傷痕の奥に見えるもの」(『すばる』)/石内都『Scars』『INNOCENCE』/宮地尚子『傷を愛せるか』

          ☆mediopos3471  2024.5.19 千早茜の短編小説集『グリフィスの傷』の刊行を記念し 写真家の石内都との対談「傷痕の奥に見えるもの」が 『すばる』2024年6月号に掲載されている 『グリフィスの傷』は 「「不注意、事故、性暴力、整形など、 さまざまな傷をめぐる十の物語を集めた短編小説集」 写真家の石内都には 『Scars』『INNOCENCE』という 傷痕をテーマにした作品群があるが 千早茜は「石内さんの写真を見て、 傷や痛みを自分でも書いてみたいと

          千早茜『グリフィスの傷』/千早茜×石内都「傷痕の奥に見えるもの」(『すばる』)/石内都『Scars』『INNOCENCE』/宮地尚子『傷を愛せるか』

          悪はあるか 善はあるか

          ☆photopos-3540  2024.5.18 悪はあるか 善があるように あるいは 善はあるか 悪があるように 善は みずからを 善として 善をなしているのだろうか 正しき道をゆくことを 善だというのであれば なにが正しいかが 明らかでなければならないが 正しさは どこからくるのだろう ときに 正しさは 迷路のなかにありはしないか 悪は みずからを 悪として 悪をなしているのだろうか 間違った道をゆくことを 悪だというのであれば なにが間違っているのかが

          悪はあるか 善はあるか

          映画『悪は存在しない』/中村雄二郎「悪——存在の欠如/関係の解体」(『術語集Ⅱ』)

          ☆mediopos3470  2024.5.18 映画『ドライブ・マイ・カー』から三年 濱口竜介(監督)跋石橋英子(音楽)による 映画『悪は存在しない』が制作・公開されている 自然の豊かな高原の町に暮らす巧とその娘・花 その暮らしは水を汲み薪を割るような 自然に囲まれた慎ましいものだが ある日近くにグランピング場を作る計画が持ち上がる 芸能事務所が政府からの補助金を得て計画したものだが 森の環境や町の水源を汚しかねないずさんな計画が 住民の説明会でも明らかになり その説

          映画『悪は存在しない』/中村雄二郎「悪——存在の欠如/関係の解体」(『術語集Ⅱ』)

          いのちの水・ことば・器

          ☆photopos-3539  2024.5.17 いのちの水は かたちをもたないから それを蓄えるため わたしは器となるが 器が壊れるとき いのちの水は わたしから 零れ落ちてしまう たとえ 器があったとしても いのちの水を 得られなければ 器の意味は失われる ことばは いのちの水のようだ ことばを使うには 器をつくらねばならない 蓄えられたことばは わたしを生かしてくれるが 器のかたちに 合わないことばを 容れることはできない そして 器が壊れるとき 蓄

          いのちの水・ことば・器

          高橋巖インタビュー「エラノスで会った〈非〉学問の人」/若松英輔『井筒俊彦』/井筒俊彦 『東洋哲学の構造 エラノス会議講演集』

          ☆mediopos3469  2024.5.17 シュタイナーの人智学を紹介し 長きにわたって牽引してきた 高橋巖が亡くなった 高橋巖と井筒俊彦の関係について語られる機会は稀で まとまったかたちでは 井筒俊彦の全集の月報がはじめてだったようだが その後KAWADE道の手帖『井筒俊彦』(二〇一四年)で 安藤礼二・若松英輔を聞き手として行われた 高橋巖へのインタビューでその最初の出会いや エラノス会議での再会などについて語られている そのインタビューのタイトルは 「エラノ

          高橋巖インタビュー「エラノスで会った〈非〉学問の人」/若松英輔『井筒俊彦』/井筒俊彦 『東洋哲学の構造 エラノス会議講演集』

          つくる人は遊ぶ人

          ☆photopos-3538  2024.5.16 現生人類は 知恵ある人 ホモ・サピエンス と称されるが 果たして サピエンスなのか 悪知恵も サピエンスではあるだろうが 悪知恵だけでは サピエンス返上ではないか それよりも 人が人であるのは ホモ・ファーベル つくる人だからだろう つくるとは ポイエーシス つくることができて はじめてポエジーは生まれる すべてのひとは なにがしか 職人である じぶんのなかの職人を 等閑にするとき 創造することもまた 等閑にす

          つくる人は遊ぶ人

          中沢新一編『東洋の不思議な職人たち』/中村雄二郎『問題群——哲学の贈り物——』/リチャード・セネット『クラフツマン』

          ☆mediopos3468  2024.5.16 現代のいわゆるハイテクは 西欧近代文明のなかで発達した 「技術のオートノマス(自律的)な発達」として あらわれている「科学技術」の結果である かつては「科学」と「技術」は 「科学技術」ではないという議論もありはしたが 実際のところ現代の「科学」は ますます「科学技術」と同化しつつある それによってもたらされる さまざまな「危機」が論じられはするものの 「いまでは、技術といえばたったひとつのスタイル、 西欧近代文明のな

          中沢新一編『東洋の不思議な職人たち』/中村雄二郎『問題群——哲学の贈り物——』/リチャード・セネット『クラフツマン』

          寄せ返す波の如く

          ☆photopos-3537  2024.5.15 歌の如く  彼方から 送られる  ふしぎの ことばが 寄せる波  返す波の あいだに  繰り返し 記される わたしは  からだを ひらいて  その歌を 呼吸する わたしは  どこから きたのか  どこへと ゆくのか 寄せ返す  波の如く 問いかけ  問い返し わたしは  彼方此方 時の間を  戯れ遊ぶ *愛媛県松山市・重信川河口にて

          寄せ返す波の如く

          小林忠(監修)『鈴木春信大全』

          ☆mediopos3467  2024.5.15 浮世絵をはじめとした日本文化を英語で国際的に紹介した イサム・ノグチの父・野口米次郎(一八七五〜一九四七)は 鈴木春信を筆頭とした『六大浮世絵師』と題する 日本語版の著書を刊行したが (六大浮世絵師とは鈴木春信のほかに鳥居清長・喜多川歌麿・ 東洲斎写楽・葛飾北斎・歌川広重) 昭和四年(一九二九)には「限定私家版」として 『鈴木春信』を出版し そのなかで 〈若し春信の『雪中相合傘』がなかったならば、 私はわが浮世絵がどん

          小林忠(監修)『鈴木春信大全』