秋(空き)時間

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秋(空き)時間

誰もいない山奥で小説もどきのものを書いています。作品『妊娠物語』『全身女優モエコ』『小幡さんの初恋』『人情酒場』『札幌でサッポロ一番を食べる』等twtterはこちらhttps://twitter.com/9ickVOB75xzGUuF

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  • 秋(空き)時間に読む短編集

    自作の短編を集めました。若干シリアスよりです。

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    短編小説を集めました

  • コント集

    オチのない世界で僕らは一体何を語ればいいのだろう。

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    天かすと生姜と醤油をかけたかけうどんは至高!

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おじいちゃんはパンクロッカー 全編

ガン宣告 「俺、ガンなんだってさ。しかもステージ4で助かる見込みねえんだとよ」  こう病室のベッドに横たわっている全身入れ墨だらけの男が言った瞬間、病室にいたものは驚きの表情で彼を見つめた。周りのベッドで寝ていた他の患者たちは彼の言葉を聞いて俯いた。男はかなり年がいっており、客観的に見ればすでに老人である。痩せこけた体はシワで覆われ、髪もすでにハゲかかっており、髪の毛の間から地肌がうっすらと見えた。しかし男は老人にはあまりにも似つかわしくない格好をしていた。体は上に書い

    • 日曜日の昼

       曇りがちの憂鬱な日曜日。休日の公園。仕事なのは僕だけだ。目の前には餌を求めてか蠅が僕にたかる。餌などないのに何故君たちは僕にたがるのか。こんな清潔な公園じゃ餌なんて見つからないさ。さっさと他のところにお行きとシッシと手を振ったが、それでも餌を求めて僕にたかる。今張り付いた蠅が僕の首をぺろっと舐めた。それを合図にしてか他のハエも僕にまとわりついてきた。今僕は蠅で覆われてなにもかも見えない。

      • 神のイタズラ

         液晶画面の文章を何度も読み返した。地下鉄の入り口に向かって歩きながら、そのどこにでも強調点や太字を入れられそうな文章を読み、動揺のあまり何度も足を止めて食い入るように液晶画面を見た。いくら若い子からのメールだからってこんなにも胸を高まらせるなんてバカげている。さっきオフィスでまた来週と挨拶して別れた部下からのメール。彼女らしいくだけた中にも丁寧なそのメールにはこう書かれていた。 『いきなりメールすみません。あの主任、ちょっとお話したい事があるんですが、お時間大丈夫ですか?

        • 午後の紅茶の茶葉1.5倍のミルクティが復活した。もう思い残すことはない。

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          うつらうつらとただ書き連ねる

           書き連ねた文章の大半はシュレッダー入らずのゴミでしかないが、かといって書くのをやめられぬ所業は如何ともしがたい。こうして今日考えた事を書こうとしても頭が回らず、司馬遷、いや芝居、いや司馬懿のように365度頭を回転させるなど到底できない。今はただうつらうつらと山にもならないゴミを書き連ねているが、やはりそれはどんなに書いてもゴミでしかなく、書いたことさえ忘れてしまうほどのものでしかない。頭で考えてどれだけ素晴らしいと思ったことでも実際にそれを深くイメージし、あるいはそれを実体

          うつらうつらとただ書き連ねる

          今日もあと三分でおわりです。

          今日もあと三分でおわりです。

          月曜日からグッタリです。

          月曜日からグッタリです。

          リヒャルト・エーベルスとギュンター・ホープの対話

           世紀を代表する哲学者二人が半世紀前に初めて会見しその時に小一時間程交わした対話とその後の二人の絶縁について知識人たちは今もなお議論していた。この哲学上の伝説とも、神話ともいえる対話は残念ながら断片しか記憶されておらず、その全貌はうかがい知れないが、世界各国の知識人たちは二人の対話について研究する事は人類の知の深淵の奥深くに実る果実であり、対話の全貌を想像し、知覚する事は知の発展において必要な事だと信じ、残された断片から二人の対話の全貌を解明しようとしていた。。この対話は記憶

          リヒャルト・エーベルスとギュンター・ホープの対話

          日曜日もお仕事でした。

          日曜日もお仕事でした。

          侍の本懐

           白装束の男は短刀を目の前に座っている二人の男に見せながら口を開いた。 「これぞ侍の本懐よ。余は一人の侍として潔く果てよう。この太平の世にかなわぬ夢と思うていた事がこうして成し遂げられるのじゃ。そなたら、余を悲しんでくれるな。余は侍として最期を遂げられて本望なのじゃ」  この白装束の男の言葉を聞いて中年の男は泣きだした。 「ああ、なんとお労しい!殿、今も家来であったなら私もお供したかったのに!」 「そのような事言うでない。殉死などしたらそなたの家もお家断絶になるぞ。そ

          愛はお金で買えない

          「愛ってお金じゃ買えないよね」  と彼女は語尾に力を込めて言った。僕はそう言った彼女の強い眼差しに改めて二人の絆を感じた。僕はそうだねと頷く。そうさ、愛は金じゃ買えない。僕らがこうして出会えたのは金じゃない。時の巡り合わせだ。二人が運命の相手に出会うまでの。  僕だって別に子供じゃないし、それなりに恋愛だってしてきた。だけどここまで愛した人はいなかった。僕は感じたんだ。これが運命だなんて一生ものの人だって。僕は君のためなら何もかもを捨ててもいい。君さえいれば他は何もいらな

          愛はお金で買えない

          残念ですが、お金で愛を買うことはできないのです。

          残念ですが、お金で愛を買うことはできないのです。

          スティーブ・アルビニ死去

          スティーブ・アルビニ死去

          残り30分を切ったら

           何をすればいいのだろう。もうゴールデンウィークは終わった。っていうか私にはゴールデンウィークなんて最初からなかったけど。だけどそれでも空いている電車に休み気分的なものは感じられた。でもそんな気分は昨日でどうやら終わりのようだ。で、残り30分である。家に帰ってきて二時間もしないうちに今日が終わろうとしている。地球の自転が1.5倍になったぐらいの慌ただしい時の中で私はどう心を落ち着かせればいいのか。はなまるうどんはもうやっていない。カップラーメンを買いにいく力すらない。そうだ、

          残り30分を切ったら

          退職届

          拝啓  ゴールデンウィーク中のところ失礼します。突然ですが、私須玖八女類は五月をもちまして退職することになりました。本当に一言の相談もなく勝手なことをしでかしているのは重々承知の上ですが、これは私が一年以上前から考えていたことなのです。決して会社がブラック企業だとか、上長や先輩や同僚にいぢめられていたとかそんな事はなく、ただあくまで私自身が自分と会社の事を深く考えて出した結論なのです。私は会社に入ってしばらく経ってから、自分のスキルが会社の求めるそれよりも大きく下回っている