椹野道流

猫に仕えたり、専門学校で解剖学や法医学、公衆衛生学を教えたり、たまに医師のお仕事も。メ…

椹野道流

猫に仕えたり、専門学校で解剖学や法医学、公衆衛生学を教えたり、たまに医師のお仕事も。メインのお仕事は小説家です。「祖母姫、ロンドンへ行く!」(小学館)、「最後の晩ごはんシリーズ」(角川文庫)、「鬼籍通覧シリーズ」(講談社文庫)、「時をかける眼鏡」(集英社オレンジ文庫)など。

マガジン

  • ちょいちょい書くかもしれない日記

    気が向いたら覗いておくれよ。

  • たまに書く日記

    そのまんま、気が向いたときにさらさらっと書く日記です。

  • たまにあいつらが作っている料理

    拙著に出てくるキャラクターたちが、お喋りしながらごはんを作ります。ちゃんとした計量などはあんまりしません。

記事一覧

ちょいちょい書くかもしれない日記(許す)

私はわりと経験したことを忘れないほうだ。 いいことについても、悪いことについても、とにかく憶えている。 別段、そうしようと努めているわけではない。 単純に長期記憶…

椹野道流
3時間前
340

ちょいちょい書くかもしれない日記(寝具の洗濯)

友人が帰ったあといちばん大変なのは、洗濯である。 置きルームウェアや毛布や敷きパッド、枕カバーを洗って乾燥するのに、なかなかの時間がかかる。 何より、私は畳むのが…

椹野道流
1日前
586

ちょいちょい書くかもしれない日記(酉に翼)

事情があってここ数日、母と過ごす時間が多い。 母は毎朝、忘れたときは昼に、「虎に翼」を見ているそうだ。 「ストーリーは難しすぎてよくわからない」そうだが。そうだろ…

椹野道流
2日前
845

ちょいちょい書くかもしれない日記(牛乳)

幼い頃から、牛乳が苦手だった。 フルーツ牛乳とかコーヒー牛乳とか、何らかの味がついていたら平気なのだが、そのまんまの牛乳がどうにも駄目なのだ。 あと、あたためた牛…

椹野道流
3日前
789

ちょいちょい書くかもしれない日記(喋る)

友人たちが帰って、自宅はまた静かになった。 猫たちはたくさん構ってもらって、大満足でホワホワしている。 ここしばらく本当に切羽詰まった気持ちで過ごしていて、猫たち…

椹野道流
4日前
716

ちょいちょい書くかもしれない日記(友人)

けっこう頻繁に拙宅を訪ねてくれる友人たちが、この週末、我が家で過ごしている。 猫たちももうすっかり慣れて、いちばん警戒心の強い長男猫も、もう自分から撫でられにい…

椹野道流
5日前
751

ちょいちょい書くかもしれない日記(中華料理)

両親が長年行きつけにしていた中華料理店は、どうも弟ではなく、私のほうを「跡継ぎ」と認識したらしい。 まあ、両親に付き合ってよく行っていたので、私のほうにより馴染…

椹野道流
5日前
688

ちょいちょい書くかもしれない日記(木の器)

新型コロナウイルス感染症の後遺症で、腕に筋炎が起こると、ちょいと重い物を持つのがしんどくなる。 いつもは好きなイッタラのシンプルな器は、実はとても重いのだな、と…

椹野道流
7日前
687

ちょいちょい書くかもしれない日記(凝り)

気を張ることや、柄にもなく集中することがあると、うなじが猛烈に凝る。 小さなマッサージガンで、パワーをいちばん弱にして、うなじから肩甲骨のあたりまで順番に当てて…

椹野道流
8日前
653

ちょいちょい書くかもしれない日記(遠くへ)

父が死んで以来、なんだかんだと山のような手続きがあり、その中にはけっこう、先方に出向いてやらなくてはならないことがある。 面倒だし、その手のことを私にぶん投げて…

椹野道流
9日前
704

ちょいちょい書くかもしれない日記(外出着)

出掛ける機会が増え、困っている。 私はそこそこの高所に住んでおり、だいたい気温が街中より数度低い。 出掛けるときに、今の時期、必要以上に悩みが多いのだ。 長袖でい…

椹野道流
10日前
730

ちょいちょい書くかもしれない日記(母の日)

つい先日、東京で人混みを幾度も経験してしまったので、母の日に施設を訪問することは遠慮した。 コロナ禍が始まって以来、母がお世話になっている施設は、スタッフと入居…

椹野道流
11日前
738

ちょいちょい書くかもしれない日記(猫の毛)

猫には春と秋に換毛期がある。 その時期は、とにかくブラッシングを毎日したところで、家じゅうが毛だらけになる。 一階から二階までまんべんなく。もう、ふわふわのプチタ…

椹野道流
12日前
745

ちょいちょい書くかもしれない日記(褒められた)

あまり褒められることがない人生を送ってきたので、お前を表彰してやろうと言われたら、まず「なんのドッキリやねん」と身構えてしまうのだが、ガチだった。 楽天さんが、…

椹野道流
13日前
973

ちょいちょい書くかもしれない日記(揺れない)

連休中は体調が優れない日が多く、なんだかグンニャリしているうちに終わった感じがするが、唯一、小さなテーブルをひとつ組み立てたことは成果と言ってもいいと思う。 仕…

椹野道流
2週間前
706

ちょいちょい書くかもしれない日記(回復)

体調が微妙にすぐれず、働く時間と休む時間が同じくらいになってしまっている。作業がはかどらなくて困るけれど、こればかりは仕方がない。 早く治るといいですね、と言わ…

椹野道流
2週間前
768
ちょいちょい書くかもしれない日記(許す)

ちょいちょい書くかもしれない日記(許す)

私はわりと経験したことを忘れないほうだ。
いいことについても、悪いことについても、とにかく憶えている。
別段、そうしようと努めているわけではない。
単純に長期記憶の容量が大きく、門番がルーズなのだろう。すぐにそっちへ入ってしまうのだ。
それだけに、なかなか怒れない性格も手伝って、以前は何年、ヘタをすると何十年分の憤りを全部まとめて、突然猛烈に怒り出す……というよくない傾向があった。
何がよくないっ

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ちょいちょい書くかもしれない日記(寝具の洗濯)

ちょいちょい書くかもしれない日記(寝具の洗濯)

友人が帰ったあといちばん大変なのは、洗濯である。
置きルームウェアや毛布や敷きパッド、枕カバーを洗って乾燥するのに、なかなかの時間がかかる。
何より、私は畳むのが最高に嫌いだ。
車庫の自動車を見ていると、花粉と黄砂の凄まじさはよくわかるので、ずいぶん前から洗濯物を外に干さなくなった。
ドラム式洗濯機で乾燥までやるのだが、やはり毛布や敷きパッドは、乾ききらないところが残るので、しばらく衣桁にかけてお

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ちょいちょい書くかもしれない日記(酉に翼)

ちょいちょい書くかもしれない日記(酉に翼)

事情があってここ数日、母と過ごす時間が多い。
母は毎朝、忘れたときは昼に、「虎に翼」を見ているそうだ。
「ストーリーは難しすぎてよくわからない」そうだが。そうだろうな。
「あなたは酉年だったわね。でも、トラちゃんをを見ているとね、いつもあなたを思い出すの」
それはねー、なんか知らんけどひゃっぺん言われてるわ、色んな人に。
別に私、地獄を切り拓いた憶えなんかないんやけどね。
何かがあるんやろね。

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ちょいちょい書くかもしれない日記(牛乳)

ちょいちょい書くかもしれない日記(牛乳)

幼い頃から、牛乳が苦手だった。
フルーツ牛乳とかコーヒー牛乳とか、何らかの味がついていたら平気なのだが、そのまんまの牛乳がどうにも駄目なのだ。
あと、あたためた牛乳の表面に張る蛋白質の膜が致命的に苦手で、うっかり口に入れてしまうと、今でも真剣に慌てる。
湯葉は大好きなのに、勝手かつ不思議なものだ。

遠い昔、牛乳を飲まない幼子に、よほど強い危機感を感じたのだろう。
私が大人になっても、母は毎晩、私

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ちょいちょい書くかもしれない日記(喋る)

ちょいちょい書くかもしれない日記(喋る)

友人たちが帰って、自宅はまた静かになった。
猫たちはたくさん構ってもらって、大満足でホワホワしている。
ここしばらく本当に切羽詰まった気持ちで過ごしていて、猫たちにゆったりした接し方をなかなかしてやれなかったので、本当に助かった。
キリキリ巻きの日々はまだ当分続きそうなのだが、他愛ないお喋りで気持ちを緩めることができたのもありがたかった。
お喋りといえば、去年の夏までは、母と毎日夕食を作って食べな

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ちょいちょい書くかもしれない日記(友人)

ちょいちょい書くかもしれない日記(友人)

けっこう頻繁に拙宅を訪ねてくれる友人たちが、この週末、我が家で過ごしている。
猫たちももうすっかり慣れて、いちばん警戒心の強い長男猫も、もう自分から撫でられにいく。
腰をトントンしてもらったり、撫でてもらったり、ブラッシングしてもらったり、もうやりたい放題だ。
私が様々な厄介事で取り込んでいても、彼女たちが猫たちを構い倒してくれるので、とてもとても助かっている。
猫たちは「私がたいへんに忙しくして

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ちょいちょい書くかもしれない日記(中華料理)

ちょいちょい書くかもしれない日記(中華料理)

両親が長年行きつけにしていた中華料理店は、どうも弟ではなく、私のほうを「跡継ぎ」と認識したらしい。
まあ、両親に付き合ってよく行っていたので、私のほうにより馴染みがあるからだろう。
それは大変光栄なことだし、とても美味しい店なのでこれからもずっとお馴染みでいたいのだが、いかんせん、円卓料理なのだ。
ひとりでふらりと行って食べるというのは難しいので、友人知人がこちらに来てくれるタイミングで付き合って

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ちょいちょい書くかもしれない日記(木の器)

ちょいちょい書くかもしれない日記(木の器)

新型コロナウイルス感染症の後遺症で、腕に筋炎が起こると、ちょいと重い物を持つのがしんどくなる。
いつもは好きなイッタラのシンプルな器は、実はとても重いのだな、とそういうときに実感する。
母がよく、「器が重くて手がしんどい」と言っていたのはこれか。
そのくせ母は、食後の洗い物は自分がやるのだと言ってきかなかったので、やむなくコレールの軽くて薄くて割れにくい、三つに仕切られたランチプレートを買ってきて

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ちょいちょい書くかもしれない日記(凝り)

ちょいちょい書くかもしれない日記(凝り)

気を張ることや、柄にもなく集中することがあると、うなじが猛烈に凝る。
小さなマッサージガンで、パワーをいちばん弱にして、うなじから肩甲骨のあたりまで順番に当てていくと、本当にこう……生き返る、という感じがする。
痛みが消えるわけではないけれど、少しは効いているのだろう。
こういう便利なガジェットや湿布がなかった頃、我等の先輩たちはどうやって肩凝りや首凝りをしのいできたのだろう。
書き物をしたら、紫

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ちょいちょい書くかもしれない日記(遠くへ)

ちょいちょい書くかもしれない日記(遠くへ)

父が死んで以来、なんだかんだと山のような手続きがあり、その中にはけっこう、先方に出向いてやらなくてはならないことがある。
面倒だし、その手のことを私にぶん投げて知らん顔の弟にもまあまあむかつくが、どの手続きを誰がやるかをわざわざ話し合う煩雑さ、そして当然の分担なのに、何故かこちらがお願いしてやってもらう感じになるあの理不尽感に比べれば、自分ひとりが面倒くさいほうがまだマシ。
厄介ごとに慣れきった長

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ちょいちょい書くかもしれない日記(外出着)

ちょいちょい書くかもしれない日記(外出着)

出掛ける機会が増え、困っている。
私はそこそこの高所に住んでおり、だいたい気温が街中より数度低い。
出掛けるときに、今の時期、必要以上に悩みが多いのだ。
長袖でいいだろうか、それとも思いきって半袖を着ちゃう?
上着は要るかしら。
サンダルはまだ早い? 嫌がる人もいるけれど、私は靴下+サンダルがけっこう好き。
でもそういうの、今日のお出掛け先ではどうかしら。
ちょっとカジュアルすぎかも?
ワンピース

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ちょいちょい書くかもしれない日記(母の日)

ちょいちょい書くかもしれない日記(母の日)

つい先日、東京で人混みを幾度も経験してしまったので、母の日に施設を訪問することは遠慮した。
コロナ禍が始まって以来、母がお世話になっている施設は、スタッフと入居者を守るべく、たいへんな努力とご苦労をしてこられたことと思う。
入居者の身内として、病原菌を持ち込みがちなアクションは控えねば、と強く感じているので、親不孝は許されたい。

去年まで、母の日には母の大好物のちらし寿司を作り、苺のショートケー

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ちょいちょい書くかもしれない日記(猫の毛)

ちょいちょい書くかもしれない日記(猫の毛)

猫には春と秋に換毛期がある。
その時期は、とにかくブラッシングを毎日したところで、家じゅうが毛だらけになる。
一階から二階までまんべんなく。もう、ふわふわのプチタングルウイードよろしく床を転がっている毛玉たち。
「どこから湧くねん」と思わず愚痴ってしまうが、無論、猫からである。
日々の掃除が、まるで賽の河原のような虚しさ。
朝、掃除機をかけても、昼過ぎにはふわふわが発生している。
ああー、もう。

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ちょいちょい書くかもしれない日記(褒められた)

ちょいちょい書くかもしれない日記(褒められた)

あまり褒められることがない人生を送ってきたので、お前を表彰してやろうと言われたら、まず「なんのドッキリやねん」と身構えてしまうのだが、ガチだった。
楽天さんが、拙著「祖母姫、ロンドンへ行く!」に楽天Kobo電子書籍Kobo Award 2024の特別賞をくださるらしい。マジか。
というわけで、のこのこ上京した。
新幹線の車両には、インドから来た観光客の大家族がいた。
みんなに食べ物を配りにきたおじ

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ちょいちょい書くかもしれない日記(揺れない)

ちょいちょい書くかもしれない日記(揺れない)

連休中は体調が優れない日が多く、なんだかグンニャリしているうちに終わった感じがするが、唯一、小さなテーブルをひとつ組み立てたことは成果と言ってもいいと思う。
仕事部屋の隣にミニキッチンがあるのだが、そこに数年前、電子レンジを置こうと思い立った。
二階にはちゃんとした台所があり、そこにも電子レンジがあるのだが、紅茶を飲むためのお湯を電子レンジで沸かすようになって以来、いちいちそのために作業を中断して

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ちょいちょい書くかもしれない日記(回復)

ちょいちょい書くかもしれない日記(回復)

体調が微妙にすぐれず、働く時間と休む時間が同じくらいになってしまっている。作業がはかどらなくて困るけれど、こればかりは仕方がない。
早く治るといいですね、と言われると、「本当に」と相づちを打つものの、まあ、後遺症は、無理をしなければある程度までジワジワよくなって、そこで止まるだろうな、100%元どおりということはなかろうな、と正直思っている。
七割八割戻れば御の字なんだろうな、と。
八割を目指して

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