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ちょいちょい書くかもしれない日記(褒められた)

あまり褒められることがない人生を送ってきたので、お前を表彰してやろうと言われたら、まず「なんのドッキリやねん」と身構えてしまうのだが、ガチだった。
楽天さんが、拙著「祖母姫、ロンドンへ行く!」に楽天Kobo電子書籍Kobo Award 2024の特別賞をくださるらしい。マジか。
というわけで、のこのこ上京した。
新幹線の車両には、インドから来た観光客の大家族がいた。
みんなに食べ物を配りにきたおじさんが、ひとりだけスルーは可哀想だと思ったのか、私にもいちいちくれる。
クッキーとか、ゆで卵とか、チーズとか。
大昔、イギリス留学中に一人旅をしたときのことを思い出した。
インバネスまで一気に北上し、そこからあちこちで途中下車しつつ南下していく一週間の旅。
ヨークへ向かう列車では、通路を挟んで向こう側の席に中国人の一家がいた。
当たり前みたいな顔で、何か食べるときは必ず私にもタッパーを差し出してくれた。
八角の効いた煮玉子を三つも振る舞ってくれた。
みかんも貰った記憶がある。
そのときもそうだったが、今日も、お返しする食べ物の持ち合わせがない。
申し訳ない気持ちでいたら、彼らが富士山に盛り上がり始めた。
ここに来て撮りなよと窓際の席をしばらく譲って、ちょっとだけほっとした。

授賞式は思ったより盛大で、山崎怜奈さんがゲストだった。
物凄く華奢な高いヒールの靴でずっと立っていらして、それだけでもめちゃくちゃ大変だと思うのに、臨機応変に立ち回っておられて凄かった。
そしてとてつもなく細くて美しかった。
ずっしり重い記念の盾をいただき、懇親会では事前に名物だから食べなと言われていたミニサイズのマロンシャンテリーをいただいた。
甘い甘い栗と生クリームという、どストレートな食べ物だった。私には、ミニで適量な気がする。
編集部の方々に、のけぞるほど美味しいお祝いのディナーをご馳走になって、久しぶりに定宿に泊まった。
倍になった宿泊費に見合うかどうかは即答できないが、やはり慣れた宿は落ち着く。

受賞は勿論嬉しいのだけれど、本に関わってくれた人たちや読者さんがみんなで取らせてくれた賞なのに、私だけ晴れがましい場所に立たせて貰って申し訳ないな、という気持ちにもなった。
頑張ろう、いろいろ。



こんなご時世なのでお気遣いなく、気楽に楽しんでいってください。でも、もしいただけてしまった場合は、猫と私のおやつが増えます。