椹野道流

猫に仕えたり、色々な学校で解剖学や法医学、公衆衛生学を教えたり、庭仕事をしたり、たまに…

椹野道流

猫に仕えたり、色々な学校で解剖学や法医学、公衆衛生学を教えたり、庭仕事をしたり、たまに医師のお仕事をしたりしていますが、メインのお仕事は小説家です。「最後の晩ごはんシリーズ」(角川文庫)、「鬼籍通覧シリーズ」(講談社文庫)、「時をかける眼鏡」(集英社オレンジ文庫)などなど。

マガジン

  • ちょいちょい書くかもしれない日記

    気が向いたら覗いておくれよ。

  • たまに書く日記

    そのまんま、気が向いたときにさらさらっと書く日記です。

  • たまにあいつらが作っている料理

    拙著に出てくるキャラクターたちが、お喋りしながらごはんを作ります。ちゃんとした計量などはあんまりしません。

最近の記事

ちょいちょい書くかもしれない日記(褒められた)

あまり褒められることがない人生を送ってきたので、お前を表彰してやろうと言われたら、まず「なんのドッキリやねん」と身構えてしまうのだが、ガチだった。 楽天さんが、拙著「祖母姫、ロンドンへ行く!」に楽天Kobo電子書籍Kobo Award 2024の特別賞をくださるらしい。マジか。 というわけで、のこのこ上京した。 新幹線の車両には、インドから来た観光客の大家族がいた。 みんなに食べ物を配りにきたおじさんが、ひとりだけスルーは可哀想だと思ったのか、私にもいちいちくれる。 クッキー

    • ちょいちょい書くかもしれない日記(揺れない)

      連休中は体調が優れない日が多く、なんだかグンニャリしているうちに終わった感じがするが、唯一、小さなテーブルをひとつ組み立てたことは成果と言ってもいいと思う。 仕事部屋の隣にミニキッチンがあるのだが、そこに数年前、電子レンジを置こうと思い立った。 二階にはちゃんとした台所があり、そこにも電子レンジがあるのだが、紅茶を飲むためのお湯を電子レンジで沸かすようになって以来、いちいちそのために作業を中断して二階へ行くのが億劫になった。 ただでさえ運動量が足りなくなりがちな作家業、家庭内

      • ちょいちょい書くかもしれない日記(回復)

        体調が微妙にすぐれず、働く時間と休む時間が同じくらいになってしまっている。作業がはかどらなくて困るけれど、こればかりは仕方がない。 早く治るといいですね、と言われると、「本当に」と相づちを打つものの、まあ、後遺症は、無理をしなければある程度までジワジワよくなって、そこで止まるだろうな、100%元どおりということはなかろうな、と正直思っている。 七割八割戻れば御の字なんだろうな、と。 八割を目指して、夏以来あまりにハードモードだった自分を労ろうと思っている。 そういえば、父が

        • ちょいちょい書くかもしれない日記(酢豚)

          もう最初に言っておこう。 酢豚にパイナップル、入れる派なのよ。 何なら炒飯にも入れるし、ピザにも載せるし、食べたあとのヘタを植えて育てて増やしたりもしている。 パイナップルが好きなのだ。 しかも、料理に使って、しょっぱい味と組み合わせるのがたまらなく好きなのだ。 というわけで、久し振りに酢豚が食べたくなった。 材料を揃える時点でそこそこまとまった量を作らざるを得ないことがわかっているので、一人暮らしになってからは敬遠してきた。 でも、食べたい。 市販のお惣菜を買えば済むような

        ちょいちょい書くかもしれない日記(褒められた)

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        • ちょいちょい書くかもしれない日記
          64本
        • たまに書く日記
          4本
        • たまにあいつらが作っている料理
          2本

        記事

          ちょいちょい書くかもしれない日記(面白くない)

          猫が5匹いると、だいたい誰かは寝ていて、誰かは起きている。 深夜、突然スイッチが入って走り回り始めた末っ子が、寝ている私の身体の上を斜めに横断し、そのとき、みぞおちを思いきり踏んでいった。 大きくなったとはいえ兄たちに比べれば軽い猫だ。 それでも、猫の「手のひら、足の裏」はとても小さいので、体重がピンポイントにそこにかかる。けっこう痛い。 眠気がシュッと撤退したので、布団の中で、「こういうのはよくないねえ」などと呟きながらも、ついスマホを弄り始めた。 ふと気になって、「そろそ

          ちょいちょい書くかもしれない日記(面白くない)

          ちょいちょい書くかもしれない日記(寝こむ)

          ここのところ、急に暑くなったせいか、新型コロナウイルス感染の後遺症が強めに出ている。 血圧が安定しないし、あちこちの筋肉が運動もしていないのに炎症を起こすし、突然猛烈な疲労感に襲われて、変な時間にバッタリ寝てしまったりするのでわりと困る。 後遺症外来に定期的に通ってはいるが、未だわからないことが多い、長期的な追跡データがまだない病だけに、先方も現時点できることは限られている。 「そういうときはすぐ休む。今はそれしかないし、そうしないとまあまあ死にます」と主治医は真顔で言った。

          ちょいちょい書くかもしれない日記(寝こむ)

          ちょいちょい書くかもしれない日記(マッサージ)

          だいたい月に一度くらいのペースで、マッサージに通うことにしている。 リラクゼーションサロン、という奴だ。 リラクゼーションをうたっているわりに、ロビーにゴッホの複製画が飾られているのがうっすら不気味なのだが、相性のいい施術者と出会えたので、半年近く通い続けている。 もちろん、日常的に自分でストレッチもすれば、マッサージャーも使う。 それでも自力でケアしきれるわけではないので、やはり定期的に他人の手でほぐしてもらう必要が出てくる。 一時期酷かった腰痛がそこそこ落ち着いてきて、今

          ちょいちょい書くかもしれない日記(マッサージ)

          ちょいちょい書くかもしれない日記(フジコ・へミングさん)

          多くの人と同じだと思うが、私がフジコさんを知ったのは、例のNHKのドキュメンタリーだった。 何の気なしに見て、めちゃくちゃに衝撃を受けた。 かつて、「調律はプロがやっちゃうんだから、誰が弾いても同じ音が出てつまんない」なんて言いぐさでピアノをやめてしまった不見識な自分をどつき倒したいと思った。 画面の中で鍵盤を叩く人は、その指先にこれまで越えてきたすべてを込めていた。 テレビのスピーカーからの音ですら、それがわかった。 勿論、具体的にいちいち何があったかなんてことはわからない

          ちょいちょい書くかもしれない日記(フジコ・へミングさん)

          ちょいちょい書くかもしれない日記(エプロン)

          いくつになっても汚し屋さんである。 料理をしては食材を跳ね散らかし、食べてはソースを飛ばし、洗い物をしては袖を濡らす。 庭仕事をすると泥んこになるし、ただ家の中を歩いているだけで猫のゲロを踏む(換毛期あるある)。 猫を抱っこすれば、たちまち毛だらけだ。 中学生の頃、あまりにも私が服を汚すので、母が突然、イッセイミヤケの割烹着という世にも珍しいものを買い与えてきた。 カーキ色の、異様にデザインがかっこいい割烹着だった。和洋折衷エプロンといったほうがいいかもしれない。 それを貰っ

          ちょいちょい書くかもしれない日記(エプロン)

          ちょいちょい書くかもしれない日記(宿泊)

          今月は、一泊だけ東京に滞在する予定がある。 そうはいっても猫たちがいるので、朝食を食べたら帰る、という実にアレな宿泊なのだが。 噂には聞いていたものの、定宿のサイトをチェックしたら、宿泊料金がきっちりこれまでの倍になっていた。 私が好きだった「ちょっとだけ普通のシングルより高い、窓が潰されたへんてこな狭い部屋」など、もはや高級デザイナーズホテルのシングル料金くらいになっている。 たぶん、居酒屋みたいな内装が、外国人観光客に凄く人気なんだと思う。 せっかく東京オリンピックにあわ

          ちょいちょい書くかもしれない日記(宿泊)

          ちょいちょい書くかもしれない日記(防音)

          家を建てたとき、ハウスメーカーに、「うちの建材は防音性が高い」と謎の自慢をされた。 住んでみてわかったのだが、確かに……と思うところはある。 雨音がほとんど聞こえないのだ。 なので、出掛けようと外に出て「うわっ、雨降ってるやん!」と焦ることが増えた。 移り住んでしばらくして、深夜に猪が庭を駆け回り、庭のあちこちに大穴を掘って室外機をちぎり飛ばしたときすら、朝まで気づかなかった。 朝になって気づいた理由は、門扉が破壊されていたことだ。 さすがに何らかの破壊活動が行われたことだけ

          ちょいちょい書くかもしれない日記(防音)

          ちょいちょい書くかもしれない日記(ありんこ)

          数日前から、二階の台所にアリが出る。 特に何かに激しくたかっているというわけではないのだが、目当てのひとつは猫のカリカリだ。 猫がいるので、普通の殺虫剤は使いたくない。 そして、アリの巣コロリ的な、餌と見せかけて持ち帰らせ、巣ごと殲滅するような理不尽なアイテムは絶対に使わない。 それは卑怯なやり口だし、だいいちやり過ぎだ。 彼らが外の世界にいる分には、その営みに干渉すべきではないし、むしろ大事にしたい。 しかし、家の中はダメなのだ。マジでダメ、絶対。 家の中に入り込んだアリに

          ちょいちょい書くかもしれない日記(ありんこ)

          ちょいちょい書くかもしれない日記(遠出)

          コロナ禍のステイホームは、正直私にはまったく苦ではなかった。 もとから出不精だし、家が好きだし、行きたいところがあったとて、コロナ禍だろうとなかろうと、猫がいるとそうそう家を空けられない。 一泊二日、それも翌朝は何もせずにすぐ帰途につくなら、まあまあ許される……という加減だ。 誰かに、猫の食とトイレの掃除だけ頼むことができたら、二泊三日や三泊四日の旅が可能になるかもしれないが、問題がふたつある。 留守宅に赤の他人の業者を家に入れるのはセキュリティ上いやだなあ、ということ。 も

          ちょいちょい書くかもしれない日記(遠出)

          ちょいちょい書くかもしれない日記(倦怠感)

          昨夏に家族まるっと新型コロナウイルスにやられたとき、両親の世話でバタバタ走り回って、ろくに自分の療養ができなかった。 おそらくはそれが祟って、未だに強い倦怠感が抜けない。 何かするとすぐにとんでもなく疲れてしまって、少し横になりたいな、と感じる。 横になると、実際、秒でコテンと寝てしまう。 自分でも信じられないくらい頑張れないので、たぶん編集さんたちは信じてくれず、あいつ豪快にサボってやがると思われてしまうだろうな、としょんぼりしたりしている。 一時期、味覚と嗅覚がおかしくな

          ちょいちょい書くかもしれない日記(倦怠感)

          ちょいちょい書くかもしれない日記(花)

          急に暖かくなったせいで、庭のあちこちで花が咲いている。 レンゲも咲いたし、ベロニカ・オックスフォードも、何故か植えた覚えがない場所で咲きまくっている。 一才藤もようやく咲いた。今年はひと房だけなので、気合いが入っているのかとても美しい。 藤は蜂たちに大人気なので、長く咲いてくれるといいと思う。 スノーフレークは知らない間に咲いておわっていたようで、ちょっと悪いことをした。 花梨も咲いたし、水仙とブルーベルはもうすぐ。 ツツジも大輪のものから咲き始めた。 あちこち好き放題に賑や

          ちょいちょい書くかもしれない日記(花)

          ちょいちょい書くかもしれない日記(うろうろ)

          もはや初夏の日差しだ。 車を降りて歩き始めて三分くらいで、ああ、こういうときに日傘を使うのだな、と気づく。 去年買った日傘は、サイズが大きなものにしたらとても重くて、しかも数回、雨に降られたら、明らかに傷んでしまった。 安物買いの銭失いというやつだ。何度繰り返せば気が済むのか私よ。 まあでも、何事も経験。よくある肩幅すら覆えないようなレディース日傘より、メンズのでっかい日傘のほうが実用性が遥かに高いことはわかった。 それを踏まえて、今年はちょっといい奴をもう買ってある。 でも

          ちょいちょい書くかもしれない日記(うろうろ)