西山 逸成(Itsunari Nishiyama)

ル・プチメック ファウンダー 2019年6月までル・プチメックというパン屋さんと、20…

西山 逸成(Itsunari Nishiyama)

ル・プチメック ファウンダー 2019年6月までル・プチメックというパン屋さんと、2020年6月までレフェクトワールというベーカリーカフェをやっていました。 現在は、リタイアした何者でもない人

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ぬはははは

ある日の昼下がり、いつも利用する近所のコンビニに行こうと歩いていると、歩道の数メートル先では小さなお子さんを連れた若いお母さんと思しき二組が立ち話をされていた。…

銀鮭の塩焼き定食を食べながら考えたこと

昔から日本人は、「お客さまは神様です」という言葉を刷り込まれてきた。 その解釈を履き違える人もいたりするものだから、そのせいでカスハラなんて社会問題も起きている…

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ

「AIに仕事を奪われる」と巷でよく言及されるご時世だけれど、18世紀のイギリスで起きた産業革命のときにも同じことはあった。 「機械に仕事を奪われる」と労働者たちが工…

セルフ、自動化、無人化

人材不足の問題は、外食産業に限らず至るところで起きている。 食べもの屋さんの中には以前からスタッフ不足のため、お客さんの人数や営業時間の制限をしているお店もある…

タブレット メニュー

少し前のこと。 よく利用するやよい軒さんへ行こうとすると、遠目からも薄暗いことがわかる。 なんと、まさかの改装中で、それもリニューアルオープンまで約1ヶ月もあると…

Winny

これまで配信はU-NEXTだけだったと思うけれど、ついに数日前からNetflixとPrime Videoでも配信が始まった。 「ゴジラ −1.0」もとても良かったけれど、ぼくが昨年観た映画…

王蟲

王蟲がいると聞いて、京都市京セラ美術館へ行ってきた。 金曜ロードショーとジブリ展 「金曜ロードショーと」は、要らないなぁ。 シンプルに「ジブリ展」が見たかったな…

経営本のスゝメ 12.

お店から特別扱いされることを良しと思う人(それが悪いというわけではない)や自分で常連と言ってしまう人(それはお客さんでなくお店側が感じること、決めることだとぼく…

経営本のスゝメ 11.

正垣さんの新刊について、の続きになる。 ぼくもこちらで以前に何度か書いているけれど、「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり」「万物は流転する」という話も本書の後…

経営本のスゝメ 10.

この話は、昨日で最後のつもりだったけれど、奇遇にもこのタイミングで(わずか2ヶ月足らず前)正垣さんの新刊が上梓されたことを知り、早速拝読した。 『サイゼリヤの法…

経営本のスゝメ 9.

この話の最後に、一部ではあるけれどお薦めの経営本を改めてご紹介しておく。 ビジョナリーカンパニー  ジェームズ・C・コリンズ 稲盛和夫の実学 経営と会計  稲盛和夫…

経営本のスゝメ 8.

「本はコスパが良い」とよく言われるけれど、その通りだと思う。 執筆に要した時間という意味でなく、著者の貴重な経験に費やされた時間を想像すれば、コスパが良いなんて…

経営本のスゝメ 7.

経営本やビジネス書の話題になると、なぜか謎の上から目線で嘲笑するかのような人に遭遇することがある。 大抵その場合、自分には必要ないといった表情を浮かべられていて…

経営本のスゝメ 6.

こうしてぼくが経営の勉強をしていたとき、ずっと不思議でならないことがあった。 なぜ、正垣さんの著書がないんだ? この時点で既にいろんなフードビジネス誌上で、正垣…

経営本のスゝメ 5.

ぼくにとって経営の神様が稲盛さんだとしたら、外食業界における経営の神様はサイゼリヤの創業者である正垣泰彦さんになる。 それにしても、やはり〇〇の神様も多いな。神…

経営本のスゝメ 4.

ここで、超お薦めの経営本を1冊ご紹介したい。 ぼくが最初に読んだものであり、その後も繰り返し読んだ稲盛和夫さんの著書になる。 その前に。 稲盛さんがたくさん遺され…

ぬはははは

ぬはははは

ある日の昼下がり、いつも利用する近所のコンビニに行こうと歩いていると、歩道の数メートル先では小さなお子さんを連れた若いお母さんと思しき二組が立ち話をされていた。
傍らまできたぼくは邪魔にならないようにと、歩道から降りてその横を通りかかった刹那、お母さんの1人が大きな声で笑われた。

ぬはははは

ぬはははは・・・!?

一瞬、自分の耳を疑ったけれど間違いない。確かに「ぬ・は・は・は・は」で、「は」

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銀鮭の塩焼き定食を食べながら考えたこと

銀鮭の塩焼き定食を食べながら考えたこと

昔から日本人は、「お客さまは神様です」という言葉を刷り込まれてきた。
その解釈を履き違える人もいたりするものだから、そのせいでカスハラなんて社会問題も起きている。

食べもの屋さんでもサービスは無料、といった風潮が根強く残っている印象があるけれど、それならいわゆる大衆チェーン店はどんどんセルフ化、自動化した方がいい気がする。
サービスは無料と思い込んでいる人はそういったお店に行けばいいし、付加価値

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愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ

「AIに仕事を奪われる」と巷でよく言及されるご時世だけれど、18世紀のイギリスで起きた産業革命のときにも同じことはあった。

「機械に仕事を奪われる」と労働者たちが工場の機械を破壊したラッダイト運動と呼ばれるものがそれで、現在は破壊行動こそ起こさないものの、まさに「AIに仕事を・・・」と同じ思考といえる。

そう思うと、いつの時代も世の多くの人が変化を望まないというのは、本能なのかもしれない。また

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セルフ、自動化、無人化

セルフ、自動化、無人化

人材不足の問題は、外食産業に限らず至るところで起きている。

食べもの屋さんの中には以前からスタッフ不足のため、お客さんの人数や営業時間の制限をしているお店もある。また特に地方では、求人を出しても応募がこないといったことも今では珍しくもない。
その窮状は予想以上だけれど、少子化に加えこれほどお店や職業の選択肢が増えた現在では、今や職人さん的なやりがいといったモチベーションやお給料などの待遇面では人

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タブレット メニュー

タブレット メニュー

少し前のこと。

よく利用するやよい軒さんへ行こうとすると、遠目からも薄暗いことがわかる。
なんと、まさかの改装中で、それもリニューアルオープンまで約1ヶ月もあるという告知が。

あぁぁぁ、銀鮭の塩焼き定食・・・

仕方がないので、近所のCoCo壱さんに変更することに。
久しぶりに伺うと、知らない間にメニューがタブレットになっていた。

おぉー、なんだか今っぽい。

最近、外食チェーン店ではコレを

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Winny

Winny

これまで配信はU-NEXTだけだったと思うけれど、ついに数日前からNetflixとPrime Videoでも配信が始まった。
「ゴジラ −1.0」もとても良かったけれど、ぼくが昨年観た映画の中で一番心を揺さぶられた作品は、低予算で制作されたこの「Winny」だった。

こんな理不尽な事件さえなければ、日本が現在のような貧しい国になることはなかったかもしれない、と本当に思う。
金子勇さんという天才が

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王蟲

王蟲

王蟲がいると聞いて、京都市京セラ美術館へ行ってきた。

金曜ロードショーとジブリ展

「金曜ロードショーと」は、要らないなぁ。

シンプルに「ジブリ展」が見たかったな。
まぁ、日本テレビがスタジオジブリを子会社化したから仕方ないんだろうけれど。

ニュースになったときから宮崎駿さんや鈴木敏夫さんの高齢化に伴う後継者問題を思うと、個人的には経営とプレイヤーを分けるのは良い選択だったのでは、と感じてい

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経営本のスゝメ 12.

経営本のスゝメ 12.

お店から特別扱いされることを良しと思う人(それが悪いというわけではない)や自分で常連と言ってしまう人(それはお客さんでなくお店側が感じること、決めることだとぼくは思っている)にはピンとこないかもしれない。

一般的にチェーン店のマニュアルによる接客は往々にしてネガティブな捉えられ方をされることが多いけれど、逆にいえば画一的な接客だからこそお客さんを選ぶといったことがない。それは、お客さんがお金持ち

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経営本のスゝメ 11.

経営本のスゝメ 11.

正垣さんの新刊について、の続きになる。

ぼくもこちらで以前に何度か書いているけれど、「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり」「万物は流転する」という話も本書の後半に登場する。
今回の著書を拝読し、ぼくの正垣さんに対するイメージは新たに「物理、科学に強いお坊さんのような人」になった。

少し前に天才について書いたけれど、そこで失念していたことがあったので、ここで改めて述べておきたい。
ジャンルを問

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経営本のスゝメ 10.

経営本のスゝメ 10.

この話は、昨日で最後のつもりだったけれど、奇遇にもこのタイミングで(わずか2ヶ月足らず前)正垣さんの新刊が上梓されたことを知り、早速拝読した。

『サイゼリヤの法則 なぜ「自分中心」をやめると、ビジネスも人生もうまくいくのか?』

そんなわけで、やはり本書のことも綴っておきたい。

改めて述べるまでもなく、素晴らしい内容だった。
3時間ほどで読めると思うので、ご興味のある方は是非こちらも読んでいた

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経営本のスゝメ 9.

経営本のスゝメ 9.

この話の最後に、一部ではあるけれどお薦めの経営本を改めてご紹介しておく。

ビジョナリーカンパニー 
ジェームズ・C・コリンズ
稲盛和夫の実学 経営と会計 
稲盛和夫 
生き方 
稲盛和夫
おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ 
正垣泰彦 
『サイゼリヤの法則 なぜ「自分中心」をやめると、ビジネスも人生もうまくいくのか?』※追加しました
正垣 泰彦
サイゼリヤ革命 世界中どこ

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経営本のスゝメ 8.

経営本のスゝメ 8.

「本はコスパが良い」とよく言われるけれど、その通りだと思う。
執筆に要した時間という意味でなく、著者の貴重な経験に費やされた時間を想像すれば、コスパが良いなんてものじゃない。

多くの人に届くように、という意味で適正価格というのはあって然りだと思うけれど、個人的には本の価格を材料原価から考えるのはナンセンスだと思う。
だから先述のビジョナリーカンパニーをはじめ、ここで紹介した書籍が仮に5倍の価格で

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経営本のスゝメ 7.

経営本のスゝメ 7.

経営本やビジネス書の話題になると、なぜか謎の上から目線で嘲笑するかのような人に遭遇することがある。
大抵その場合、自分には必要ないといった表情を浮かべられていて、自分のやり方に自信があるのは大いに結構なんだけれど、その表情はどこか中途半端な自信に映る。それに、こういった人はそもそもどうやって経営を学ぶのだろうと不思議に思えてならない。
まさか、生まれ持っての天才経営者なんてこともあるまい。

きっ

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経営本のスゝメ 6.

経営本のスゝメ 6.

こうしてぼくが経営の勉強をしていたとき、ずっと不思議でならないことがあった。

なぜ、正垣さんの著書がないんだ?

この時点で既にいろんなフードビジネス誌上で、正垣さんのインタビューはかなりの数を拝読していた。どれも含蓄のある話ばかりで、ただただ勉強になり感銘を受けるものばかりだった。

それなのに・・・

なぜ、書籍化しない?

出版社や編集部の目は節穴か?とさえ、正直思った。

そんな待ちに待

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経営本のスゝメ 5.

経営本のスゝメ 5.

ぼくにとって経営の神様が稲盛さんだとしたら、外食業界における経営の神様はサイゼリヤの創業者である正垣泰彦さんになる。
それにしても、やはり〇〇の神様も多いな。神様でないとしたら、外食業界におけるアイドルが正垣さんだといってもいい。

ぼくが修業時代、技術を学ぶことと並行してやってきたことをこれまでにも何度か述べているけれど、多分まだ書いていなかった具体的なことを少し述べることにする。
先にお断りを

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経営本のスゝメ 4.

経営本のスゝメ 4.

ここで、超お薦めの経営本を1冊ご紹介したい。
ぼくが最初に読んだものであり、その後も繰り返し読んだ稲盛和夫さんの著書になる。

その前に。
稲盛さんがたくさん遺された著書のタイトルや設立された京セラの企業理念を見れば何となくわかると思うけれど、それらを宗教っぽいと揶揄する向きもある。
稲盛さんや京セラといえば、必ずというほど「フィロソフィー」という言葉がついてまわりその倫理観や道徳観はとても高尚で

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