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万人に知ってほしい!投資信託の”隠れコスト”の実態

まず「隠れコスト」と聞いて、いい気分になる人はいないと思います。ですが、現在、投資信託を持っている多くの方はこの隠れコストについてはご存知ないのではないでしょうか?

比較サイトでもほぼ出てこないこのコスト。どんなコストで、どういう対策があるのか、この記事では具体例を交えながら、考えていきたいと思います!



そもそも投資信託のコストって何がある?

よく投資信託のコストと耳にしますが、そもそもどういうコストがあり、誰に払ってるんでしょうか?

大きく分けると、買ったり売ったりするときの手数料と、保有してるときに発生する手数料があります。

よく皆さんが聞くのは「信託報酬」だと思います。その背景には、最近はコスト競争が激しくなってきており、売買するときのコストは無料な商品が多くなっている。そのため、差別化ポイントとしては信託報酬に集約されることが多いからです。

長期で運用する場合、複利を最大に利かせたいならコストを抑えるべし

原理原則に戻ると、こうですよね。従って、信託報酬を抑えるということは大事です。インデックス投資は、一般的にはこの手数料が低いことで知られ、私たちがこのブログでもオススメしてる理由でもあります。



じゃぁ"隠れコスト"って?

信託報酬が大事なのはわかったけど、”隠れコスト”について見ていきましょう。ここでいう”隠れコスト”とは、俗に言う「その他の費用・手数料」にあたるものです。実際の具体例を見ていきましょう!

1️⃣ いい例

親しみのある例で、eMAXIS Slimシリーズの米国株例にみてみましょう。

コストが低いので有名なこの銘柄。買う時の「購入時手数料」も、売る時の「信託財産留保額」もないですし、「信託報酬」も業界最低水準。めちゃくちゃ魅力的な商品です。読者の多くも持っているはず。

では、”隠れコスト”はどうでしょうか?

目論見書(出典

1番下に隠れコストの記載がありました。でも実は、隠れコストがいくらかは「目論見書」には載っていません。きわめて面倒くさいのですが、「運用報告書」という別のものを見ないといけないのです。

合計113ページある運用報告書を見てみると…

…ありました。

以下の通り、隠れコストは0.012%。信託報酬と隠れコストの合計が「実質コスト」となり、私たちが保有している金額に対して実際かかるコストとなります。(「総コスト」や「総経費率」と言われることも)

この商品に関しては、信託報酬の上に少しだけ乗っている、というイメージですよね。コストなのでもちろん嬉しいものではないですが、まぁこれくらいなら許容範囲、という感じでしょうか。

運用報告書(出典


2️⃣ 気を付けたい例

もう一つ事例を見てみましょう。

少し前話題になった「PayPay投信 NASDAQ100インデックス」の運用報告書をみてみます。

信託報酬が0.417%に対して、隠れコストはなんと0.5%!私たちが銘柄を選ぶ時によく目にするのは信託報酬ですよね。それより、裏の隠れコストの方が大きいのです。

運用報告書(出典

これは絶対に嫌だ!実質コストが、信託報酬の倍以上。ガッツリ、かつ分厚く隠れコストが乗っかっている、そんな例になります。



金融庁も黙っていない!

これは本当にわかりにくくないですか?

レストランで「2000円で食べ放題!」と宣伝されていたのに、実は「ごはん系は対象外」と後々言われたら怒りますよね。

「ご飯も入れるならお値段その倍頂きます」と言われたらさらに、怒りますよね。

でも本当にそういうことが起きているのです。表面的には安く見えるけど、隠れたコストがあるが故に実際は高い商品、そんな商品も実在するということ。右図のようなものは要注意ですよね。特に長期で運用する場合、このコストが長年積み重なって効いてくるのです。

私たち消費者からすると「実質コスト」が実際に発生する手数料なので、商品を選ぶ時はそこを見ないと意味がないですよね。隠れコストで、コソコソできてしまうのは、実に不便です。その理由は「信託報酬」の定義に関する明確なルールがないから。なので各社色々やれてしまう、それが現実なんです。

でも実は、金融庁もこれについては怒っており、今年4月から実質コストを目論見書にわかりやすく記載して、私たち投資家に伝える、ということが決まりました。「『信頼』と『透明性』の向上に向けて」と題して72ページのレポートを去年出しているくらい(参考リンク)。



隠れコストの確認方法

混乱を招くような情報ばかりで… じゃぁどうすればいいの?となると思います。

結論、実際買う場合は、レビューをチェックしたり、信頼あるブログで商品の情報収集したり、「目論見書」と「運用報告書」の両方を見る以外、方法はありません。もちろん、全部読む必要はありません。「費用」というキーワードで検索してそのページに飛べば5分で終わる確認作業なので、ぜひ確認してみてください!

📌ここ気を付けたい!

上記の2つの事例でもわかった通り、隠れコストが分厚く乗ってくる可能性がありますよね。そして、私たちが日々見ている比較サイトや、楽天証券やSBI証券のサイトでは、この”隠れコスト”が含まれていないケースがほとんど!それも、サイトによっては「管理費用(含む信託報酬)」というあたかも実質コストを連想させる混乱を招く書き方で。

比較サイトによっては「実質コスト」と表記して書いてあるところもありますが、間違っている情報も多かったり(隠れコストは毎年変動するため裏のシステム連携がうまくいってないのでしょうか…)。懐疑的な目でみるようにしましょう!


📌ここ気を付けたい!

もう一つ。以前このブログで、インド株の投信を取り上げてましたが、新しい商品がたくさんでてきますよね。1年経たないファンドはまだ決算が終わっておらず「運用報告書」が出てないので、新規設定ファンドについては実質コストはわかりえないのです。

半期が経つと、その半期分の隠れコストが出るので「年換算するとこれくらいかな」というおおよその予測ができるようになりますが。

なので、おススメとしては、1年未満の新しい投資信託には手を付けないこと、運用報告書が出てから判断をすることですね。


📌ここ気を付けたい!

最後、気を付けたいのは信託報酬は一定の%であるのに対して、隠れコストは年によって変動します。言うても、そんなに変わらないはずではありますが、その決算期の中でかかった「その他費用」という建て付けなので、変動します。運用報告書も毎年出てるので、チェックは可能、ということはお伝えしておきますね。

ただ、めちゃくちゃ厳密にコストを見ない方が、ほったらかし投資が気楽にできるので、むしろいい。そう思っています。私たちも月に一回資産を見るか見ないかくらいです。資産形成はなるべくストレスフリーでいたいので。



おわりに

いかがだったでしょうか?投信を持っている皆さんに、この隠れコストを知ってもらいたく、今回この記事を書いてみました。

わかりづらい!と思いますよね。ホントその通りだとは思いますが、これに懲りず、ストレスフリーで資産形成をするのがベストと思ってますので「こんなもんがあるんだ」くらいで捉えましょう。実は私たちも、知らずに何年も続けてた過去がありますし、それは勉強の一つと思ってます。これからも色々と新NISAについて、一緒に勉強していきましょう!



再掲)どんなブログにしていくの?

改めて、1か月前からこのブログ始めました、インデックス夫婦です!ここでは、新NISAについて、初心者から中級者に向けて有益情報を発信していこうと思います。特徴としては 「図解で」「一口サイズで」学んでいく、そんな場にできたらと思っています!これまでも以下のような記事書いていますのでもしよかったらぜひ!

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