イトカズ

もう若くはないわ、だって昭和女だもの。 大阪の中心で執筆、演劇、音声配信やってます。思…

イトカズ

もう若くはないわ、だって昭和女だもの。 大阪の中心で執筆、演劇、音声配信やってます。思い出さないけど忘れない日々の記録。stand.fm(スタエフ)→ https://stand.fm/channels/6530c802bcd1491cab3616f3

マガジン

  • うすのろ日記

    うすのろな毎日を綴った日記。ほぼ毎日更新しています。立ち食い蕎麦を食べるようにいつも通り、普通に平凡に日々生きていきたい気持ちの日記。

  • オリジナル モノローグ・朗読・音声配信用素材集

    演劇の練習や音声配信、朗読などに利用できるオリジナル素材集です。 マガジン購入、または単品購入していただいた方は自由にお使いください。 少し利用規約はあります。各作品の下段をお読みいただけると嬉しいです。

  • 不水溶性な日常

    少しのこと、たくさんのこと、いっぱい考えたこと…についてのエッセイ。 あんなことやこんなことを誰かと共有できたらいいなと思っています。

  • stand.fm

    stand.fmで過去に放送したものを集めてあります。 お時間のある時にここからでも、stannd.fmからもで聴いてみて下さい。

  • noteは小説より奇なり

    時々、思いついたら書いている小説集です。 連続短編小説「短い時間の長い瞬間」「Stairway to Heaven」「不幸中にしか幸せはないのか...」など

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毒気とロマンティシズム (自己紹介に代えて)

それはコロナ真っ只中の春の日の昼下がり、ソファに寝転がって眠るわけでもなくぼんやり外を見ていた時だった。ニュースから流れる醜悪なセリフとは裏腹に空は爽やかに晴れていた。 「何かしよう...」 「そうだ何か書こう」 昔から書くことでモヤモヤした何かを払拭してきた経験がある。 書くことにした。 自己紹介するほど特別なキャリアも地位も何もない。 お知らせできるのは大阪のど真ん中で夫と一匹の猫との暮らしを営む昭和生まれの主婦という肩書きだけだ。 若い頃は海外生活が多かった。そのせ

    • 寝不足 胃もたれ、 ご都合主義。

      2024.5.21(火) notice 数日前からホテル生活をしているせいか、なかなか眠れない。 枕が変わると眠れないという人がいると思うが、私はそれ以上で枕もそうだが、マットレスや掛け布団でさえがどうも合わない。 まず布団が重い。 私は冬は毛布1枚、夏はタオルケット1枚という軽い寝具を使っているのだが、ホテルは(このホテル特有なのかもしれないが)布団が重い。 夜中に目が何度も覚めて、私の体に何やら重しを乗っけられているような息苦しさである。 そんなこんなでほとんど眠れてい

      • 泣くおとな

        【朗読用作品】 泣く人を見つめるひとりの目線 泣いている大人を目の前で見るのは久しぶりだ。 テレビの悲しいニュースの中で泣いている人や、スポーツ選手の悔やし泣きや嬉し泣きなど、こことは違うところで泣いている人の姿はよく見かけるのだけれど、今、目の前にいる人と私と隔てるものは何もなく、すぐそこで、ひっそりと泣いている。 街中のカフェというシチュエーションもさることながら、店内に流れるジャズもその姿を効果的に演出しているようであった。 他の客やスタッフに見られないように

        • 【stand.fm】 エゴを明け渡すということ

          2024.5.17(金) 放送分一部抜粋 … … そんな感じで、なんやかんやと忙しいことを大阪弁で「せわしない」って言うんですが、 本当にせわしない1週間でした。 なんかね、そうやってせわしない日々を送っていると、いつも思うんですよ。 もう少し身軽になれないかなーってね。 身軽っていうのは2通りありますけど、物理的な身軽と精神的な身軽。 物理的なのは周りに物がないってことでわかりやすいけど、精神的なのは人それぞれの尺度が違うから一概には言えないんですけれど、自分の芯になるも

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        記事

          言葉は控えめに、しかし執拗に、

          2024.5.17 (金) Pass on… 明け方のカラスの鳴き声というのは、嫌だわね。 昼間だったらそうでもないのに、なんかこう...訴えてくるのよ。 何を訴えてるかと言われると皆目見当もつかないのだけど、 嫌な気分になることは確かで、今朝も空は晴れているけど嫌な予感がした。 結果から言うと、今朝の嫌な予感はまるっきり当たらず、 いたって平凡な1日であった。 そういえば何かの啓発本に、 『嫌な予感というのはだいたいは当たりません』と、書いてあった。 だいたいだから少し

          言葉は控えめに、しかし執拗に、

          乖離のうしろ姿

          【モノローグ・寸劇台本】 登場人物…年配女性とその娘 (設定…年配女性が誰かについさっき経験した出来事を話している) 美江さん、ちょっと聞いてよ さっきね、ほんの10分くらい前なんだど、ここからスーパーに行くまでの大通りあるじゃない あそこをね、「今日も寒いわ、手袋もして来りゃ良かった」と思いながらスーパーに向かって歩いてたのよ。 そしたら、ほら途中に動物病院があるじゃない、あそこら辺でね、前を見るとさ、ちょっと変わった雰囲気を醸し出している女性が歩いてたのよ、ええ~とね

          有料
          100〜
          割引あり

          乖離のうしろ姿

          ため息のような雨が降る

          2024.5.13 (月) Rainy Days and Mondays 月曜日に雨が降るというのは… 私は嫌いじゃないが、ほとんどの人はゲンナリしているであろう。 そのゲンナリのため息が混じったようにジトジトとした雨が降っている。 朝からカメムシを2匹退治した。 私からすれば雨よりそっちの方がゲンナリのため息である。 堂島川の遊歩道を歩く人影は少なく、時々どこからかひょいと飛んできたかのように傘をさした人がひとりっきりで歩いているだけだ。 そんな街の様子を眺めていたら、

          ため息のような雨が降る

          自分以外の人をじっと見つめる

          2024.5.11 (土)other people's lives    夫が早朝から何かの仕事でどこぞやにロケハンに行った。 昨晩そのことを聞いていたが、今朝、私はすっかり忘れていて、 起きた時にはもう夫が外出した後だったのでびっくりしてた。 「どこにいかはったんやろか」と一瞬思ったが、しばらくして 「あぁそうだった」と思い出したのだ。 大きな声では言えないが、夫のいない朝というのはいい。 まず好きなものが食べられる。 私は朝ごはんは和食派なのだが、夫が洋食派なのでほぼ

          自分以外の人をじっと見つめる

          【essay】 母の残像

          母の日に寄せて… 街を歩けば、花屋の店先にさまざまな色のカーネーションが並び、広告メールには『母の日のプレゼントはもうお決めになりましたか?』という言葉が並ぶ。どちらも悪気があるものではないが、そういう母の日の状況を横目で眺めながら、「後にも先にも、私には関係ないわ」と思う。関係なさを自覚するために、少し早い母への思いを吐露してみた。 これで2024年5月12日は、知らん顔で通り過ぎることにしよう。 * 私の中での母の姿はとてもスローモーションな動きをしている。 それは

          【essay】 母の残像

          【essay】唐十郎という演劇人の死...

          5月4日、唐十郎が逝った。 野暮ったい言い方で申し訳ないが… 唐十郎は私の演劇においての父であり、師匠である。 彼の芝居を観て、まだ10代だった私は心が躍り、光を見つけ、いい意味での世の中に対する反骨心が沸々と湧き出た瞬間だった。 その私の人生を変えた唐十郎というひとりの演劇人がいなくなったということの寂しさを、愕然と、唖然と、そして無気力さを感じながら訃報を読んでいる。 紅テントは異様な雰囲気を常に醸し出していた。 世の中には日の当たらないところでしか生きられない人々が

          【essay】唐十郎という演劇人の死...

          空が晴れると、目に涙。 風が通ると、また涙。 乾き目の孤独の呻吟...

          空が晴れると、目に涙。 風が通ると、また涙。 乾き目の孤独の呻吟...

          【stand.fm】 いいことも悪いことも、みんなG.Wのせいにして。

          2024.5.3(金) 放送分より一部抜粋 テレビを見ると人ごみの行楽地がお決まりのように映し出されていますが、あの人ごみはね、私ならも泡を吹いてぶっ倒れているわと思いながら見ています。 お仕事の方、大変でしょうね。お疲れ様です。 お休みの方はどのようにゴールデンウィークを楽しんでいらっしゃるのでしょうか。 私は物理的にも精神的にもゴールデンウィークとかあまり関係ない生活なので、特に旅行しましたとか何かイベントに参加しましたとかはないんですが、夫は友人と音楽ライブに行ったり

          【stand.fm】 いいことも悪いことも、みんなG.Wのせいにして。

          【詩集】 真珠 ・荒川洋治

          惑わされる...これはきっと叙情の惑いなのかと こうなれば、もうどうでもなれと思いながら読み終えた。 詩というものを読んだことがないわけではない。 子供の頃から現在に至るまで、有名無名に限らずあらゆる詩を読んできた。 そして自分でも詩を書いた。 これだけ長いあいだ詩と関わってきたのに、荒川洋治さんの『真珠』にこれだけ惑わされて、「読み解けるもんなら解いてみる?」と、問われる詩集は始めてだった。 正直に白状しよう。 私は読み解けてはいない。 そもそも詩というのは、読み解くも

          【詩集】 真珠 ・荒川洋治

          ビールの風味とモスキートと...

          2024.4.29 (月) bit by a mosquito 『皆さん、ゴールデンウィークいかがお過ごしですか?』 というテレビの情報番組などでまず最初に問いかけられるこの言葉は、 ゴールデンウィークに仕事が休みの人をターゲットに問いかけているようなニュアンスを受けるのは私だけだろうか… その問いかけの後に必ず、全国の行楽地で楽しそうに遊ぶ方々の様子が映し出されるのだから… どのテレビ局もゴールデンウイークに仕事をしている人、あるいは仕事をせざるを得ない人のことは何も言わ

          ビールの風味とモスキートと...

          【essay】 花という名の猫のこと

          運命的な出会いというのは、本人が思っているほどドラマチックなことではなく、聞かされる方はどこか胡散臭さを感じることも多いのだが、運命的な出会いというのはこの世に本当に存在するものなのだろうか? それは人と人だけではなく、人と動物、人と物などでもいいのだが、この人に会うために私は生まれてきたとか、ドラマや映画や小説などで星の数ほど描かれてきている。果たしてそれは本当に運命だったのか、単なる偶然の重なりなのか、それは立証する方法がないから何とも言えない。 私と花の場合もそのどちら

          【essay】 花という名の猫のこと

          No! を飲み込んでいる。

          2024.4.24 (水) question mark 「はて?」というのが口癖になっている。 現在放送中のNHK朝の連続ドラマ『虎に翼』の主人公である猪爪ともこの口癖である。 そのともこが言う「はて?」は「なてな?」の縮小版だが、響きというか、言い得て妙というか、ちょっと真似して言っているうちに私の口癖にもなってしまった。 朝ドラを見ている人にはおわかりかと思うが、生活の中で疑問が湧いた時にともこは「はて?」と言う。 それは単なる疑問ではない。 例えば「この花の名前はなん

          No! を飲み込んでいる。