否応なしに動き出す3人の時間
短い時間の長い瞬間
26[否応なしに動き出す3人の時間]
美涼は、居酒屋の店長のところから飛び出してきて、しばらく勢いに任せて歩いていたが商店街の中程にあるベンチに座ったまま動けなくなった。
どこが痛いとか苦しいとかではなく、頭から動けと指示を出すのだがその指示に体が従ってくれない。頭と体がまったく違う人間になったような感じだった。背もたれにもたれ掛かり空を見る。東京の空ってたいした空じゃないなと思う。
動こう。こんなところでくたばってる場合じゃない。動かないと何も始まらな