見出し画像

『呪術廻戦』はなぜ面白いのか?②

放置!圧倒的放置!

ということで、noteを始めて三田は良いもののおよそ4か月放置致しました。スイマセン。さて本日は単行本が4500万部を超えて映画化も確定し、見事に覇権をとった『呪術廻戦』の記事2回目です。本誌の方では映画の影響か休載が増えてきて少し心配ですが、ついにあのキャラが登場したりとまだまだこれから盛り上がっていきそうですね。

ということで今回も主観全開で、『呪術廻戦』の魅力を語っていきたいと思います。単行本収録ストーリーまではネタバレ有です。ちなみに前回の記事はコチラ https://note.com/zzzzita/n/n6004a6588f35

①最強呪術師:五条悟

画像1

まあもう言うまでもないのですが、当作品で最も強いキャラであり最もイケメンキャラであり最も人気のあるキャラです。属性てんこ盛り。マンガは↑のシーンでアンケートをかき集める計算してた感満載ですね。

元々0巻の時から最強キャラだったんですけど、本編で回を追うごとに最強度に拍車がかかってきて 「敵が全員でかかっても全く勝てんから必死こいて封印する作戦立てたりとか、こいつが生まれたから呪霊全体のレベルが上がっちゃったりとか、こいつがいるから悪い人たちが全員おとなしくしてるとか、てかこの人本気出したら日本人全員一人で殺せる」とかなんかよくわからんレベルに。そしてそれに呼応して0巻でこいつを足止めできたモブっぽい見た目の敵キャラの強さも呼応して最強レベルに。

ちなみにこの人の能力は、

無限を現実に持ってきて物理攻撃を全部無効化させたり、瞬間移動したり、衝撃波&重力(的な)攻撃したり、奥義だした瞬間相手は廃人になったり、さらにもう一方の能力で相手の技が大体全部読めたり、さらにもう一つの能力で呪力が実質無限になってたり、

とあまりにもやりすぎてて作者も収集がつかなくなってるレベル。ちなみに敵さんの作戦で↑が封じられても体術だけで相手を完封できるくらいには身体能力も強いです。敵さんいわく、「お前はいったい何を持ちえないのだ」。

ということで味方にそんなんいるんだからもういいじゃん、なのですが逆を言うとこの人一人で大体味方陣営が持ってたようなもんなので封印された瞬間からもうびっくりするくらい全部崩壊してっちゃうわけですよ。封印までの過程もなるほどといった感じでうまいし、作者がファンブックで語ってた「わかりやすいてっぺんがほしかった」という役割は存分に果たしてんじゃないかなと。ぜひ封印から解けた暁にはまた大暴れしてもらいたいものです。

②不条理な死・満足な死

画像2

もう今更なのですが、この作品めっちゃネームドキャラが死にます。「幼魚と逆罰」編の吉野を筆頭に、「懐玉」編では理子、「宵祭り」編のメカ丸、そして「渋谷事変」での七海。(あとスクナが適当に殺しまくった人たち)

『鬼滅の刃』や『進撃の巨人』なんかがそうですが昨今流行するマンガは容赦なく人が死んでいくのが多い気がしますが、『呪術廻戦』ではこの死の描写に際して印象的なフレーズが使われています。

・呪術師に後悔のない死なんて存在しない

・世の中の大半の人は善でも悪でもない。そのすべてを「正しい死」に導くのはきっと苦しい。

後半は、まだドリーマーでありながら徐々に現実を知っていった主人公・虎杖に対して七海が語り掛ける言葉なのですが、これがもうずっと虎杖の視点を通してこれでもかというほど重くのしかかってきます。てかこの作品全体的に主人公を曇らせようとしすぎ。

そして前半もかなり徹底しています。衝撃的だった七海の死のシーンですが、実は七海は「幼魚と逆罰」編で一度真人に殺されかけてまして、てか完全に死ぬ描写だったんですが、あの時七海は「悔いはない」と言っていたんですね。反面「渋谷事変」編では今わの際に虎杖に駆けた言葉を少し後悔しながら死んでいった。後から思い直すと「呪術師に後悔のない死なんて存在しない」という言葉が伏線になっていた印象的な対比でした。

というような感じで、件の『鬼滅の刃』が善(=鬼殺隊)は良き死を、善から悪に落ちた鬼は後悔・懺悔しながらの死を、元来の悪は死の瞬間すら省略、みたいな感じで結構わかりやすくなっているのに対し、『呪術廻戦』の死はそうわかりやすくもなく、根っからの善人でも後悔して死んでいきますし、悪とカテゴライズされる呪いでもものっすごく満足な死を迎えたりします。そこらへんのある種現実的な不条理感が緊張感あり、かつ心地よいんですね。

③初の長編 『渋谷事変』の群像劇

画像3

全部で50話以上、およそ1年以上かけた初の長編でしたが、結論群像的としてすばらしくまとめたのではないでしょうか。

もちろん途中だれてたりとか、特に終盤の展開が結構無理やりだったとかありますが、中盤のパパ黒が召喚されちゃうところとかスクナVSマコラ のあたりは盛り上げという点で素晴らしかったと思います。特にスクナVSマコラは、マコラの召喚方法もよく考えたなと思いますし、スクナと戦う理由にも当初からはってあった伏線をうまく組み合わせて処理したな、と思いましたし、総じて『HUNTER×HUNTER』のキメラ・アント編のクライマックスである王宮突入編よろしく同時進行で様々な場所で事象が展開し組み合わさる、レベルの高い長編になっていたと思います。新キャラや新能力もばかすかでてきたし作者疲れただろうなあ、と。(今またすげえつかれそうなことやってますが)

後は前回も言いましたけど、舞台が渋谷ってことで何となく土地勘的に分かるのがいいですね。


…ということで、何か途中で力尽きた感が否めないですが、『呪術廻戦』はなぜ面白いのか?第2回目でした。

しかしやっぱ「渋谷事変」編、そして今やっているストーリーと、どんどんHUNTER×HUNTER感が強まっている気がしますね。そういえば『呪術廻戦』でよくやる「自分の能力のネタバレをすると威力が上がる」ってのを縛りで解決してわざわざ相手にネタバレをする理由付けをしたの、うまいなあと思ったのですが、HUNTER×HUNTERでゲンスルーが思いっきりやってるんですよね。ファンブックで作者も言ってましたが、全面的にアピールする呪術廻戦より、さりげなく入れてくるHUNTER×HUNTERの方が現状クールだな、と思うシーンはやっぱ多いです。


とはいえ今のWJでNo.1なことは間違いないですし、まだまだ盛り上がるべき要素はたくさんある作品なので、是非とも作者には健康に留意しつつ頑張ってほしいなと思ってます。また進んだら、第3回目をやりますね。では。





この記事が参加している募集

マンガ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?