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半熟日和

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“未熟で、ままならない日々を書く”。毎日書いている400字以上のnoteをまとめています。現在は土日祝日を除く週日更新です。800本を機に「毎日note」から「半熟日和」にマガジ…
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2023年9月の記事一覧

満月

今日は中秋の名月。会社帰りの夜、この目で満月を確認することができた。満月と「中秋の名月」が同じ日に揃うのは8年ぶりだという。 満月はぽっかりと真っ暗な空に煌々と輝きながらあって、周りには雲ひとつないようだった。夜にかけて天気が崩れる、雲が多くなると天気予報で言っていた記憶があったので、束の間の瞬間だったのかもしれない。 星を観測するなら、新月が良い。星の輝きを打ち消してしまうから。この前、天体観測のために訪れた施設の映像内で語っていたことを思い出す。満月の日は、月そのもの

クルマで言うと

THE COACH Academy受講生対象の「継続探究」第2弾に参加した。 第2弾のテーマは「スタイルを使いこなす~ResourcefulとBe withの達人になろう~」。「Resourceful(リソースフル)」と「Be with」とは、THE COACH独自のコーチングスタイルのことを指している。 講座を受けながら、ふと浮かんできたことがある。車を使った例え話だった(『あちこちオードリー』の若林正恭さんの発言の影響は否めない)。 自分そのものを「車」で例えた時。

マラソン

在宅ワーク中のリモート会議が終わった後、体が熱くなった。ぶわっと汗を掻く。「こりゃ大変だ……」と思いつつ、いざという時のために、と冷凍庫の奥にストックしてあるハーゲンダッツについ手を伸ばした。 先方からのタスクがどんどん増え、目まぐるしい。要所要所で反射的に「振り落とされそうだな」と頭の中で自分の声がこだまする。声に出してみたこともある。 けど、熱くなった体をクールダウンさせるためにアイスを食べながら、ちょっとその表現は違うかもと思った。 思い出したのは、小学校時代のマ

ねこじた

「なんで猫舌っていうんだ?」 熱いお茶が入ったばかりで、かなり熱いであろう湯呑みをしっかりと片手で掴んだままの状態で祖父が尋ねた。 この前、祖父の計らいで大変久しぶりに焼肉へ行った。飲み物について、水かお茶を選べる。この日は雨模様ということもあって肌寒く、みんなお茶を選んだ。 お茶は店員さんがすぐに運んできてくれた。「熱いのでお気を付けください」とコトコト湯呑が置かれていく。湯気が立ち上っている。 絶対熱い。器も、中身も。ちょっとだけ指先で触れてみて、「こりゃもう少し

熱狂が過ぎた後で観ること

大変今さらながら、Netflixで『イカゲーム』を全話観た。今回はドラマの内容に触れるわけじゃない。 『イカゲーム』は2021年のドラマなので、観るまでに約2年掛かった。 改めて自分はサブスケリプションで映像を観ることに対して腰が重いなあ、と痛感する。観たら絶対面白いだろうな、観てみたいな、と興味があってもすぐ再生しない。 それ自体がいいとか悪いとか、そういう話ではなくて。熱狂の渦中で観なかったからこその楽しさもある。 たとえば、あの時のお笑い番組のパロディ、このシー

2週間経って、やっとあとがきのようなものを

このnoteをアップしてから2週間が経ちました。もっと早い段階であとがきのようなものを書こうかな、と思いつつもなかなか食指が動かず……。 更新しただけでなんだか胸がいっぱいになって、よく言えば噛み締め、悪く言えば放置しておりました。 ある意味直線的な、ストレートな言葉も書いたので、このままアップしてもいいのか? とちょっと怖くなって、悩んだりもしましたが、「今」の状態を文章にできたのはよかった。「そうそう、そうなんだよ、わたし」と自分で自分のことを知っていく時間でした。

アプリ

「え。アプリ、多くない?」 驚いた声を上げたのは親戚の子(小学生)だった。今年の新年会でかくれんぼをともにしてからというもの、向こうから声をかけてくれるようになった。去年まで片手で数えるくらいだったのに。 弟のほうも「名前、なんていうの?」と聞かれてから、それ以降名前も呼ばれるようになり、二言目には「かくれんぼしよう!」になった。「一緒に遊ぶ」という行為がもたらすパワーはすごい。いつまで効果が続くかはわからないけれど。 なんというか、親よりずっと甘い大人なんだろうとも思

せめて指先で秋を感じる

夏服に飽きてきた。特に仕事着。同じ服を何度も何度もローテーションしている。半袖のトップスと、ユニクロのタックワイドパンツの組み合わせが多い。 服を見にお店へ足を運ぶと、もう秋服ばかり並んでいる。どこを見ても長袖長袖長袖。買ってもすぐに着れないから、まだ今年は一度も秋服を買っていない。着れるものなら着たい。 秋はどこへ行ったんだろう。あと10日経てば10月だ。予定も増えてきた。 夜眠るとき、蒸し暑さはだいぶ軽減してきたけれど、それでも日中はまだまだ半袖で過ごせる。 この

持ち運べる涼

今年の夏に買ってよかったものは? と聞かれたら真っ先に思い浮かぶものがある。それは、携帯扇風機だ。 首にぶら下げたりするタイプもあるけど、わたしは手持ちのタイプを買った。長い棒部分を自分で掴んで、顔などクールダウンしたい場所にファンを向けて風を当てる。 前々から気になっていたものの、荷物が多めになってしまうタチなのでこれ以上持ち物を増やすのもなあ……と尻込みしていた。 今年の7月、神戸旅行を計画したのをきっかけに購入を決意した。異人館を巡ったりと、長時間外を出歩くことが

天気の一コマ

電車に乗っていると、向かい側の窓の景色が薄暗い。振り返って、自分が座っているほうの車窓から見える空を確認すると少しだけ青空が見えて明るかった。 自分が乗車している電車を境に天気が分かれているように思えて不思議な心地がする。 視線を前に戻して、再び向かい側の車窓から見える景色を見る。海が見えた。その上に曇天が広がっているなあと思ったのも束の間、窓ガラスに斜めに夥しい数の線が走っていく。雨が窓に叩きつけられている。 あっという間に雨の勢いは強くなり、遠くで雨音が聴こえる。し

たまごごはん

たまご一個をボウルに割り入れて、菜箸で軽く解きほぐす。 醤油と砂糖を、好きな割合で適当に入れる。甘いのが好きなら砂糖が多くなり、そうではないと醤油が多くなる。 玉子焼きのレシピのようだけど、そうじゃない。これは「たまごごはん」の作り方。わたしが小学校低学年のころ、母から教わった「名もなき料理」だ。火の扱いだけ気を付ければ、とても簡単なもの。 このあと、熱して油を敷いたフライパンの上にほぐしたたまごを流しいれる。適当にぐるぐるとスクランブルエッグ上にしたら、好きなタイミン

マスターハイパー

「マスターいった?」 そう同僚に昼休み聞かれて、「いったことないですよぉ、ハイパーが限界です」と答えると「やっぱり? 大変だよね」。ポケモンスリープのことである。 リリースされた日から続けているので、なんだかんだで1ヶ月半ほど経過した。「一週間続けばいいかな」なんて思っていたのに、性分に合っていたようで続いている。 「マスター」「ハイパー」とは、ゲーム内の評価のことで、画面上でデーンと大の字で寝ているカビゴンに、仲間のポケモンが集めてくれた木の実や、食材で作った料理を献

生存確認

「生存確認用のInstagramアカウント作ったから、よかったらフォローしてね」 1年間は海外で生活することになった妹が、出国直前くらいに家族のグループLINEに送ってきたメッセージ。それと一緒に二次元コードをスクリーンショットした画像が送られてきた。 「フォローの仕方がわからなかったら、のんに聞いて」といった内容も続く。これは父と母に宛てたものだろう。 妹とLINE以外のSNSで繋がるのはそれが初めてだった。二次元コードを読み込むと、すでに何人か相互にフォローし合って

バーこたつに行ってきた

9月9日の土曜日、「バーこたつ」に行ってきた。みずのけいすけさんが一日だけマスターを務める、二部制のイベント。 実際行ってみると誰が誰だかほとんどわからない状態。行く前にちょっとだけ「あの人が来るらしい」「あの人は自分と来る時間帯が違うんだ~残念!」みたいにふわふわした情報だけ持っていたくらいだった。知らない人がいっぱいで、ちょっともじもじしてしまう。 バーこたつでは自分の簡単なプロフィールが書けるスタンプカードをもらえる。それを首からぶら下げるので、もじもじタイムはちょ