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天気の一コマ

電車に乗っていると、向かい側の窓の景色が薄暗い。振り返って、自分が座っているほうの車窓から見える空を確認すると少しだけ青空が見えて明るかった。

自分が乗車している電車を境に天気が分かれているように思えて不思議な心地がする。

視線を前に戻して、再び向かい側の車窓から見える景色を見る。海が見えた。その上に曇天が広がっているなあと思ったのも束の間、窓ガラスに斜めに夥しい数の線が走っていく。雨が窓に叩きつけられている。

あっという間に雨の勢いは強くなり、遠くで雨音が聴こえる。しばらくするとゴロゴロと音がしたと思えば、ドンッとこれまた大きな音が響いた。向かいの席に座っていた何人かの乗客が、思わず振り返って窓の向こうを眺めている。

そういえば、今日テレビの天気予報で午後から雨が降る確率が高いと話していたことを思い出す。晴雨兼用の、折り畳み傘だとどうにも心許ないな、と電車を降りた後のことを考えて憂鬱になる。

もしかしたら降りる頃には止むのかな。そう思っていたら、「しばらく雨みたい」。隣に座っていた友人がそう告げる。天気予報アプリで、これからの天気を確認していたようだ。

天気予報めっちゃ当たってるねーなんて返しながら、振り返ってみると明るかった景色もすっかり曇天になり、境目はすっかりなくなっていた。

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