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じっくりコトコトnote

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(ほぼ)毎日更新している『毎日note』から、じっくりコトコト丁寧に書いたnoteをまとめたマガジンです! どこから読めばいいのかわからないときもこちらから読んでもらえたら。
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「自分を許す」ことのむずかしさをほどいてくれた、2冊の読書体験

「ひとりで生きていけるようにならなくてはならない」と心の底でずっと思っていました。人に頼れず、なんでも自分でできるようにならなくてはならないと。そしてそれゆえに、人と比べて落ち込んで、劣等感に苛まれる。 そんな自分に気づいて、受け止めて、少しは生きやすくなったと思っていたけれど、その奥にはまだ違う思いがありました。 それは、「今の自分をずっと許せないでいる」ということ。 それに気づくきっかけになったのが、土門蘭さんの『死ぬまで生きる日記』。そして、「許すためにどうしてい

だんだん生活にしていこう

お土産にと持参したカレーライスをふたりで食べる。わたしはチキンカレー、彼はビーフカレー。 テレビのロケ弁で有名な配達専門のカレーで、彼は具の大きさに驚き、喜んでいる。「おいしいなあ、幸せですねえ」と言うので「そうだね」と大きな共感を持って返した。 「来年の目標はありますか?」 年内に彼と会うのは、この日が最後だった。年末らしい締めの質問に、少し間を空けてから 「まずはふたり暮らしの実現かなあ」 そう答えると、彼はにこにこっと目尻を下げながら、うんうんと頷く。 「よ

毎月変わり続ける自分を肯定できた、パーソナル編集者・みずのさんとの1年を振り返ってみる

「パーソナル編集者」というサービスを、ご存じですか? みずのけいすけさんによる、個人の情報発信を支援するサービスです。わたしは2022年12月~2023年11月の間、まるっと1年利用させてもらいました。 このnoteでは、その1年を振り返ろうと思います。 締め切りを共有すれば、何かできるかもエントリーシート(ES)ってあるじゃないですか。わたしは大学生のとき、このシートの存在にすごく苦しめられました。 今思うと、ただの分析不足としか言えないのですが、自分の強みとか、わ

600本のnoteを書きながら、ずっと頭に浮かんでいた「何のために書いているんだっけ?」が解消された話

毎日更新しているnoteが、600本になった。つまり毎日書くようになって、600日経った。 現在は土日祝日はお休みの週日更新だけど、それでも書き続けている自分をどこか誇らしく感じている。 一方で、苦しいときもある。いや、ほとんどそうで、自分の文章に目をつむりたくなったり、顔から火が出そうになったり、時に開き直りながら、書いている。 魂が抜けたような、死んだ目をしながら、なんとかポチポチとキーボードを打ったり、スマートフォンをスワイプしながら文章を書くことがしょっちゅう。

あたたかなホームパーティーに参加して、満たされている今の自分を許せた話

コーチングに出会って、オンラインスクール『THE COACH Academy』の基礎コースを受講したのが2021年2月。学びはじめてから、気づくともう2年半ほどが経った。コーチングが好きだということ。それはずっと変わらない。 けどいま、「コーチ」をいったん手放そうとしている。 しばらく、そうしようとしている(したい)自分に気づきつつも、なかなか認められなかった。けどやっと、「いいんじゃないかな」と思える、腹落ちする瞬間があった。 それは8月に参加したコミュニティ(THE

noteが500本になったので、続けられた理由を振り返ってみた

今日で、毎日更新しているnoteが500本目になりました! 期間にすると約1年5ヶ月。長いような短いような……。 というわけでこのnoteでは、「なぜnoteを500本書けたのか?」について振り返ってみようと思います。 500本書けた理由 やっぱり毎日書いても、文章がうまくなったなあなんてとても思えないし、むしろ書けないことに唸ることのほうがずっと多い。 それでも、どうして続けてこられたんだろう。考えてみると、色々と理由はあるように思います。 たとえば、ルールをゆる

noteの感想を書きまくったら「ラブレターが欲しいなら、自分から書こう」と思えた話

「Twitterで『いいね』をしてくれた人のnoteに、感想を書いてツイートする」という企画をやりました。 このnoteでは、企画を振り返り、やってみてどんなことに気づいたかについて書いていきます! noteの選択が大変! 感想ツイートは、全部でnote41記事分。はじめましての方から、よく知っている方まで、幅広く「いいね」をいただきました。 一番苦労した(時間を割いた)のは、感想を書くnoteを選ぶこと。 企画を始めたのは2023年3月30日。終了したのは4月18

自己紹介が苦手な人は、(恥ずかしいけど)自分の本棚を晒してしまえばいいと思うよ

自己紹介が苦手な人は、自分の本棚を晒してしまえばいいと思う。かなり、勇気はいるけれど。 わたしは自己紹介が苦手だ。いつもなにから話せばいいかわからない。ほぼ全くいい思い出などない大学生の時の就職活動期間、自己分析がとても嫌いだった。ましてや「好き」を表現することがむずかしいと思ってしまっていた。 いま、noteのコンサルティングやこたつラジオのパーソナリティなどで活動されているみずのけいすけさんにお世話になっている。わたし個人の情報発信をサポートしてもらっている。 一番

自分の好きが、伝播する写真を撮っていきたい

「思わず、見てしまうものを撮りましょう。それが“好き”ってことです」 「嫌いなものは、そもそも見ようとすらしないでしょう」 「自分の好きを、くだらないなんて思わないでくださいね」 それらの言葉に、マスクの下、鼻の奥がほんの少しだけツンとした。 2023年2月5日、写真家の幡野広志さんによる『いい写真は誰でも撮れる』ワークショップに参加してきました。 本当はイベント終了後、すぐnoteを書いた方が良かったのかもしれませんが、丁寧に書きたいなあと思っていたら、もう3週間ほど

戻ってきた のんちゃん #かくつなぐめぐる

「書くこと」を通じて出会った仲間たちがエッセイでバトンをつなぐマガジン『かく、つなぐ、めぐる。』。10月のキーワードは「宇宙人」と「憂鬱」です。最初と最後の段落にそれぞれの言葉を入れ、11人の"走者"たちが順次記事を公開します。 突如、空からUFOに乗ってやってきた宇宙人に攫われてしまいたい。「遅刻だ遅刻だ」と懐中時計片手に走っていく白ウサギの後を追いかけて、穴の中に落ちていきたい。 頭の中で非現実の世界へ逃走を試みようとも、中学校へと続く通学路から逃れることはできなかっ

恋愛相談ループ #かくつなぐめぐる

あのとき、まるで台風の真ん中にいるみたいだった。巻き起こる暴風雨のせいで、周りで起こっていることが認識できない、聞く耳を持てない状態。逆にわたしが大声をあげても、周りには届かない。 行きつけのカフェ、斜め前のテーブル席で女性2人が向かい合って会話をしている。たぶん大学生くらい。 どうやら、恋愛相談をしているらしい。女性の1人がヒートアップしてきて、そこそこ大きめの声量で話している。心なしか、目が血走っているように見えた。ぼんやりしていると、結構ダイレクトに言葉が耳に入って

8月15日 #かくつなぐめぐる

車の後部座席から降り、夏の強い日差しに目を細める。額から流れる汗を、Tシャツの袖に押し付けた。ファンデーションがつかないことを祈る。 2019年の8月、祖母が旅立って1年経ったころのこと。そのまま、先にゆっくりとお墓に向かって歩いている祖父のあとを追う。その後ろ姿が、なんだか愛しいと思った。彼の隣で、背の低い祖母が一緒に歩いている姿を想像しながら、スマートフォンで写真を撮る。 *** 「例年以上の猛暑日となりそうです」、「今日の熱中症予防を見てみましょう」……テレビの天

ヒビを入れる。

*** 2022年6月に、コーチングスクール・THE COACH Academyのプロコース(6期)が修了した。 正直に言うとーーわたしはこのコースの受講途中まで、ずっとぼんやりとした不安を感じていた。コーチングに対する学びが身になっていないようで怖かった。薄い、黒い靄のようなベールを常に纏っているようで、そのことを漫然と先送りにし続けていた。 プロコースでは、自分自身と向き合うことにとても時間を割く。わたしは、他人と比較し劣等感に塗れてしまう性質で、少しでもそれをぬぐ