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読書感想文➀学びを結果に変えるアウトプット大全~学びを習慣に変えるためには?~

 どうも皆さんこんにちは。ちゃんでらです。突然ですが皆さんは「訛り」が出ちゃう人ですか?私は山形出身なのですが、どういうわけか全くなまっていません。だから東京来てもそれでいじられることはないだろうな・・・と思っていたら、思わぬ指摘を受ける機会がありました。それは「」の読み方です。
 どういうこと?と思われる方、いらっしゃると思います。普通➀とか⑴は「まるいち」「かっこいち」と読むと思います。しかし一部の山形県民はこれを「いちまる」「いちかっこ」と呼びます。「嘘だろ~」と思う方もいらっしゃると思いますが、私は小中高とこの呼び方で育ちました。そのせいで、会社では「独特の呼び方するよね」と言われてしまいました。気になって軽く調べたところ、以下の記事に「『書く順番』の問題では?」という説が上がっていました。数字よりも丸やかっこを先にかくので、律義にそのまま読んでいる、としています。真相は定かではないですが・・・
ちなみに、山形では「東海林」は「しょうじ」ではなく「とうかいりん」と呼ぶらしいです。こういう訛りだけじゃない細かな違いを見ていくと面白そうですよね。


 さんざん前置きしましたが、今回の本はこれと全く関係ないです。早速紹介していきます。今日は「学びを結果に変える アウトプット大全」について紹介していきます。この本は

・効率の良い学習法が学びたい。
・議論やプレゼン、企画書の作り方がわからない。
・わかりやすく人に伝えたい。​

 という思いを抱いを抱いている方におすすめできます。それでは早速解説に行きましょう。

➀解説
 

 今回ご紹介する「学びを結果に変える アウトプット大全」は樺沢紫苑著で2018年にサンクチュアリ出版から刊行されました。巻末の情報によると2020年3月18日段階で累計52万7千部(電子書籍含む)売れているらしいです。本が売れないと言われているこのご時世でここまで売れるのはすごいですよね。


 作者の樺沢紫苑氏は精神科医でもあり、お医者さんとして働く傍ら、SNSやメールマガジン、Youtubeなどで精神医学や心理学、脳科学の知識をわかりやすく発信しているそうです。一方で月20冊以上(!)の本を読む読書家でもあり、今回紹介する本以外にも「いい緊張は能力を2倍にする(文響社)」「脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術(大和書房)」といった本を出している方でもあります。医者、それも精神科医という大変難しい領域の診療を担当されている方なのに、ここまで別の活動に力を注げるのは、単純にすごいと思います。

 そんな作者が書いているこの本、端的に言えば「アウトプットの必要性」と「正しいアウトプットのやり方」を紹介している本です。特徴として➀精神科医故の心理学・脳科学的裏付けを用いたわかりやすい解説がなされている②1コラム見開き2~4ページで終わるため、空いた時間で簡単に読める③巻末にアウトプット力を鍛えるためのトレーニング方法が書いてあるので、実践に取り組みやすい、となっています。自分は大学では心理学を学んでいたのですが、そこで聞いた用語(選択性注意、記憶の種類など)がよく出てくるため、「これ見たことある~」というプチ進研ゼミ現象を起こしながら楽しく読むことが出来ました。
 この本で紹介されている「アウトプット」は非常に多岐に渡っています。
ノートに書く、人に伝えるといった基本的な事から、議論する、電話する、メールするといったビジネスでよく行わる行為、中には「ひらめく」「落書きする」「断る」といった「そんなことまで取り扱うの?」という行為まで掲載されているので、新鮮な気持ちで読むことが出来ると思います。
 次からは、この本の根幹である「アウトプット」とはそもそも何か、そして様々な場面における適切な「アウトプット」方法を「話す」「書く」「実践する」の3章に分けて紹介していきます。

②アウトプットとは?

 この本のメイン要素でもある「アウトプット」。定義は以下のようになっています。

脳の中に入れた(インプットした)情報を、脳の中で処理し外界に「出力する」という事を意味する。

 例えば本や新聞で知識を得たり、映画やドラマを見るという行為が「インプット」で、その得た知識を人に話したり、感想を文章化して公開するという行為がアウトプットであると言えます。今私が書いているこの記事もれっきとしたアウトプットだと言えます。
 そしてこの本の最大の主張は、人間の成長はアウトプットの量によって決まるという事です。いくら知識を学んでも、自分の脳内で留めるだけではいずれ忘れてしまうので、自分が得たことを何らかの方法でアウトプットすることが必要である、としています。月に10冊読んで1冊もその内容をアウトプットしない人と、3冊しか読まないが3冊ともアウトプットする人とでは、圧倒的に後者の方が記憶に定着しているので成長につながるとしています。
 そしてこのアウトプットにはいくつか法則があるとしています。以下の通りです。

・インプットとアウトプットの黄金法則は3:7。
・知識の定着をするには、同じ知識を繰り返し使うことが必要。2週間に3回ほど使えば、側頭葉の長期記憶に定着する。
・インプットとアウトプットは一回で終わるものではなく、繰り返すことで螺旋的に能力が向上する。インプット→アウトプット→フィードバックのサイクルを繰り返すことが必要である。
 

つまり「少なくともインプットの倍はアウトプットする」「繰り返しアウトプットする」「アウトプットした内容を評価してもらい、そこから新たなフィードバックを得ていく」ことが知識の定着に必要としています。そしてアウトプットを続けることは以下の6つのメリットをもたらします。

➀記憶に残る
②行動が変わる。
③現実が変わる。
④自己成長する。
⑤楽しい。
⑥圧倒的な結果が出る。

 このように自分が見聞きした情報をアウトプットするだけで、自分の人生がいい方向に向かうきっかけとなる事が記されています。アウトプットのもたらす恩恵が何となく伝わったでしょうか?次の章からは、それぞれの場面における適切なアウトプットの方法を紹介していきます。

③「話す」

 この章では口を用いたアウトプット「話す」という行為にフォーカスして様々な方法を紹介しています。伝える、挨拶するという基本的な事から議論する、質問する、説明するといった応用・ビジネス的なアウトプットの方法が記してあります。それだけでなく、なかなか教わることが難しそうな「叱る」「褒める」「謝る」といった感情に大きく関係しているコミュニケーションのコツも紹介されています。例えば

・ポジティブな言葉とネガティブな言葉のバランスを変えることで、仕事やプライベートが上手くいく。ネガティブな事の3倍ポジティブな事を話すと良い。
・感想を話すことから始める。まずは自分の意見や気づきを1ついれることで、だんだんアウトプット力が増す。


 このように、自分の身を取りまく身近なアウトプットから変えていくことが大事だと言えます。この章ので自分が印象に残ったのは以下の内容です。

・断る
 安易に仕事を引き受けたり、我慢してやりた苦もない仕事をすると、
➀自分のやりたい事にリソースを割けない。
②ストレスが溜まり、身も心も衰弱していく。
③「何でもやってくれる」と思われて、むしろやりたくないことをやる機会が増える

という良くない循環が待ち受けている。逆に断ることで、自分のやりたい事に時間を割けるだけでなくストレスが無くなり、意思の強い人だとも思われやりたい仕事が出来るようになる、としている。ここで大事なのは「断り方」である。上手く断るには
➀自分の中で確固たる優先順位を決め。それに基づいて行動する。
②迷わず常に同じ基準で断る。
③断るときは「謝罪(感謝)+理由+断り+代替案」の流れで断る。
例)「すみません(謝罪)。選んでいただいて大変ありがとうございます(感謝)。本日~の用件があるので(理由)、残念ながらお引き受けできません(断り)。明日の午前中なら終わらせることが出来るのですが、いかがでしょうか?(代替案)」
 
 とすればいいらしいです。自分は結構断るのが苦手で、いつも大変な仕事を引き受けて「はぁ・・・」とため息を漏らすことが多かったのですが、これを見て断らないことのディスアドバンテージを痛感しました。さらにそれを解消する「断り方」も書いてあったため、理論は分かるけどどうやって実践すればいいかわからない、というがない為非常に安心できます。このように「どうすればそれが身につくか?」というアウトプットの方法が明確である点が、この本の魅力であるとも言えます。
 

④「書く」

 この章では、書くことで得られる学習への効果や、書き方の違いによる差、さらには何かを書いてまとめる時のコツなどを紹介している章となっております。そもそも、書くという行為は学習において非常に重要なファクターを占めていると言われており、脳内の注意や記憶を司る神経が活性化すると言われています。また、同じ内容をPCで入力するのと紙に書いて入力するのでは、後者の方が後のもよく覚えていた、という実験結果や、なるべくインプットした直後にアウトプットした方が定着するという内容がが記載されている章となっています。この章で自分が印象深いのは以下の内容です。

・TO DO リストを書く
 やるべきことは、なるべくその日の朝に紙に書き出して、整理しておくべき、という内容になっています。人間は朝起きた時の2~3時間がゴールデンタイムと言われており、最も集中力が高い時間と言われています。その時にやるべきことをリスト化することで、様々な恩恵がもたらされる、としています。具体的には
1日の仕事の流れが明確化する。
・集中力が途切れない(次何しよう?と考え、集中力がリセットされる時間がなくなり、業務の時間ロスが少なくなる。)
・脳内の作業容量が増え、うっかりミスが少なくなり仕事が効率化する

といった恩恵があると述べています。さらにこのTO DO リストの使い方としては➀紙に書く②常に机の上に置き、確認できる形にしておく③達成したら豪快に斜線で消す、この3つの方法で運用することが望ましいとしています。いずれも集中力を途切れさせないようにする、終わった達成感を味わえるなどの副次的効果が期待できる方法になっているので、ぜひ試してみてください!

⑤「実践する」

 この章では、「どんなインプットも、行動に影響を与えなければただの自己満足である」という前提の元、どのように学んだことを実際の行動に生かすか?が記載されています。得た知識を人に教える、自分のコンフォートゾーンから抜け出る、続けるためには目標を細分化し今日の目の前の事に集中する・・・といった、どうすれば行動によって知識を自分の物に出来るか?といった悩みを解決してくれる内容がたくさん記載されています。この章ではこの以下の内容について紹介します。

・5分だけ「やってみる」
 人間は生きていると、やる気に満ち溢れている瞬間もあればまったく何もしたくなる瞬間の両方があると思います。そういった「やる気」をコントロールするのは非常に難しいです。しかし、時には「絶対にやらなきゃいけない」こともあると思います。そんな時にやる気を出すためには「5分だけやる」ことが重要だと言っています。これは精神科医のクレペリン(内田=クレペリン検査で有名)が発見した「作業興奮」と言われているものになります。脳の調子を上げる「側坐核」という部位は、ある程度神経細胞が活発にならないと動かないのですが、それに至る時間が「5分」とされているため、まずは5分やってみることが大事だと言っています。
 長時間やろうと思うのではなく、まずは5分やってみる。そしてからやる気を出す。とりあえずやるという姿勢が大事だと言えます。

⑥アウトプット力を上げる7つのトレーニング法

 この本の最後のまとめとして、アウトプット力を鍛える為の7つのトレーニング方法を紹介しています。日記を書く、SNSやブログを更新する、読書感想文を書く・・・など、手軽に始められるアウトプット・トレーニングが記載されています。この中では一番手軽に始められる「日記を書く」ということについて紹介します。

・日記を書くメリットとその書き方
 日記を書くことによって➀アウトプットする習慣が身につく②自己洞察、内省力が上昇する③楽しいことを発見する力が高まる④ストレスに対処する力が強まる⑤長期的に幸せになれる、という効果があるとしています。そして効果的に日記を書くために、まず制限時間と書く行数を決め(5分で3行)、ネガティブな事を前向きに書くことから始めるのがいい、としています。

 自分はこの本を読む前、大学1年生の頃から日記をつけているのですが、確かに書いていると自分の認知や物の見方の癖に良く気づかされます。またむしゃくしゃする時、落ち込んだときにそこに書き込むことで、気持ちの整理がつきやすくなるメリットはひじょうに実感しています。その一方でついついネガティブな事ばかり書いてしまうので、よい終わり方になるようポジティブに捉えることも必要だとわかりました。自分を客観的に捉え、次の行動を起こすためにも大事だと思います。

⑦感想

 そもそも、自分がこの本を読もうとした理由として、「社会人に入ってから沢山研修を受けているけど、それは果たして自分の知識になっているんだろうか・・・」「本を読み始めたはいいけど、この知識は果たして自分に身についているのだろうか?」という、自分自身の知識の定着に関する不信感が高まっていったというのが挙げられます。そうした中で「知識がキチンと身につくようなアウトプットをしたい!!」と思うようになった矢先、たまたま入ったコンビニでこの本を手にし、「これだ!」と思い購入したという経緯があります。この本を読んだおかげで➀世の中の大半のことはアウトプットであり、自分は意外とその機会を見逃している②知識をただ入れるよりも、どんどんその内容をまとめたり発信することが必要だと感じました。
 自分が最も印象的だったのは「雑談」についてです。高校くらいから、人と仲良くしたいと思うあまり「完璧に話さなきゃ」と思う気持ちが強くなり、人とコミュニケーションを取るのが億劫だと感じていました。時には「人と話すこと、ある?」という気持ちを抱いていました。しかしこの本を読んで「雑談は中身より回数、どうでもいい話でもいいからすることが大事」であると学び、「そんなに内容にこだわらなくていいんだ」と感じるようになりました。その結果、少しずつではありますが雑談出来るようになりました。これからもぜひ続けていきたいです。


⑧最後に

 いかがでしたでしょうか。かなり長くなってしまいましたが、アウトプットの重要性を少しでも理解していただけたら幸いです。ここまで読んでくださり、誠にありがとうございました!次回もよろしくお願いいたします!



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