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デカ過ぎる中指

シャッシャッシャッシャッシャッイタッ!

あっつう!(熱)

スライサーで中指の先っちょを削ぎ落としてしまいました。漫画のように、ボタボタと血が止まりません。しかも夜です…そう、救急に行くしかありません。

病院を転々とする羽目になるってのは、初めてのことで、ええ、自分の肉が無くなるのも人生初の経験でございました。ハー…。

受け入れてくれた病院は、そこそこデッカいところで、問診を書いて、アレルギーについての記載と、体温を計って、コロナに関する云々も書いて…文字を書くのも大変で。ええ、中指がアレなもので。

綺麗な、肌も白く、ツヤツヤの髪を清潔にひとつにまとめた研修医の先生、ベテランの優しい看護師さんと若い看護師さんが最初の処置をしてくださった。

生理食塩水で患部を洗い流してもらった時の気持ちよさと安堵感、忘れられない。止血をしてもらっているうちに、外科の先生がいらして、ちょっとというか、かなりパンチのある先生だったんだけど、縫合はしないってことになり、軟膏を塗ってガーゼを巻いておわりとなった。先生のメッチャ派手なマーブル模様の青いペディキュア。健康サンダルから飛び出している絵が脳に焼き付いている。

急いで出てきたから裸足だし、外気温に似合わず半袖だし。23時過ぎにチェーン店でご飯を食べさせてもらう時にも、箸が閉まらないんだよ!中指がデカ過ぎるから!ハー…。

お腹が満たされると、安心したのか、ドッドッドッドッと指先に心臓を感じた。物凄く痛いし、私は弱い。そして間抜けだ。

怪我をしたり、病気に罹ると、いつもできていたことが出来なくなる。ああ、当たり前じゃなかったんだなって、毎回思うのに、毎回忘れる。

人の優しさを感じたら、自分も自然と人を助けられるような人間でいたいと、いつも思うのに、行動できない。所詮、と言い訳して逃げ回る人生をやめたい。

笑えるくらいにデカい中指となり、そんなつもりはなくても、自然とファックかましてるヤベー奴になってしまった。

パソコンで文字を打つにも八卦六十四掌になってしまうし、スマホリングにも中指が入らないんだよな。ハー、嫌になっちゃう。

自然と肉が復活するのを待つしかないのだけど、それまで色々な不便を感じ、人のあたたかさを知ることになるだろう。

私の肉入りスープは捨てた。

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