波に漂う
千葉県にある海水浴場に行った。
海浜浴場なんて何年ぶりだろう。海自体、いつ最後に行ったのか思い出せないくらいだ。
海に行く予定は旅行のプランにもともとあったけど、眺めるだけにしようとしていた。入っても膝下くらいまで。でも、いざ海を目の前にしたら、体がうずうずして海に入りたくなってしまった。
思い切って膝下まで入ってみた。日差しに熱せられて温い海水が気持ちいい。
人間、ちょっといい思いをすると欲が出るもので、さらに胸下くらいまで進んでみた。
波が体にぶつかる反動で、顔に水がかかった。しょっぱい味がした。
何度か顔に水がかかるのを繰り返すと、だんだん波との付き合い方がわかってきた。
波がきたら身を任せる。そうするとふわっと体が波に乗って漂うことができる。まさに「流れに身を任せる」という感じ。
変に波に抵抗しようとすると、体に波がぶつかって水飛沫が飛び散り、顔がびしょびしょになる。ただただ、波に体を乗せてみる。
体がふわりふわりと波に乗っていく様がなんだか面白くて私は友人たちと何度も波に乗った。
ただ漂うだけでこんなに楽しいのって不思議だ。楽しいし、何よりとても心地よい。抵抗せずふわーっと浮くだけ。
なんかいいな、こういうの。
私は色んなことを気にしすぎる節がある。でもふわりふわりと浮いているときは、まさに自然体の自分という感じがした。
気にしすぎる私のことも愛せるような。そんなふうに思えた。
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