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ハエトリグモ

あいつの名前、初めて知った。最近まで部屋の中で見かけなかったあいつ。今日、いた。網戸の向こう。これでトコジラミ対策万全。やっぱりいい奴だった。寂しい時ペットと思い込んで殺さず逃さずそのままにしてた。いなくなったと思ったら死んでたんだよな。寂しかった。が、また現れた。しかし、網戸の向こう。窓と網戸の間。どうやって入って来たんだろう。しばらくまたあいつとの同居生活が続く。


ニコマコス倫理学の100分で名著の録画を見た。2巡目。アリストテレス。好きだ。理性があるのが人間。動物と人間の違い。友愛のくだり。勇気、節制。良かった。自分という人間を信じてみたくなった。


私は石橋を叩いて渡る人間では無く、石橋を叩き壊してしまう人間だった。自分が信用できないし、所謂インポスター。最初の3文字、パワーワードだな。しかし、考えてみると、勇気出して踏み出したことって結構自分にとって良いことだった。ボクシングにしろ、資格学校にしろ。就活にしてもそうやって踏み出してみようと思う。


今キャリアコンサルタントを受けながら就活対策をしている。人に頼るって悪くないな。孤独が人を育てるとか、芸術を産むとか思い込んでたが、私にはそれは当てはまらない。これが分かっただけで資格学校へ行ったことは正解だった。結局、内向的だけど、外向的を演じることは良かったと思う。ニコマコス倫理学じゃないが、無理、じゃなくてやっていくうちに身について行く。疲れたら休めばいいし、休んでからまた始めればいい。学校を卒業したが、定期的に集まって試験対策をしている。みんなで協力して勉強をしている。転職のことも話したりして、ずっと孤独よりずっといい。楽しい。この前、『パトリシア・ハイスミスに恋して』というドキュメンタリーを観たが、ハイスミスは晩年一人で閉じこもるようになり、差別的な発言を繰り返すようになったそうだ。孤独は人の心を蝕んでしまったりするのだろうか? それとも別の要因があったのか。両方なのか? わからないけど、私には孤独を飼い慣らすなんて無理だ。バランス、中庸を目指そう。たまに人に会って、たまに一人になろう。


今、みんなで協力する楽しさを覚えたので、あるプロジェクトを進めている。プロジェクトと言ったら大袈裟かもだけど、ワクワクしている。創作グループを作っている。今は私入れて2名。すでに作業効率は上がっている。人間が人間であると言うことの利点を最大限に利用して、幸福に向かおうと思う。これも大袈裟。だけどニコマコス倫理学読んでほしい。



さて、私のメンタルといえば、浮上したり低空飛行したり。低空飛行は離職日が近づいてるのと、前の職場の対応が杜撰でめんどくさいやり取りをする羽目になったり、立て続けに重いテーマの映画を観たり。「テイク・ディス・ワルツ」「ソルジャーブルー」「市子」特に「市子」は観終わってからジワジワきた。寝る前に思い出して頭の中がぐるぐる。オススメです。結局私は重い映画好きなんだよな。今年のランキングには「トリとロキタ」「アフター・サン」「ウーマン・トーキング」「市子」が上位に残ると思う。まだ面白そうな作品が12末まで沢山あるのでわからんが。


あ、あとスーツと靴買った。面接用の。店員さんに話しまくった。別に思い悩むことなかったし、店員さんは優しい。私も就職して人を優しく手助けできる仕事がしたいな。終わり。あ、でもメイク憂鬱。あー憂鬱。結局憂鬱。憂鬱で安定してるからいっか。

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