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景色に艶々した緑色が差し始めて、雨音と春の足音を聴きながら、ソワソワしています。
だって、4月になったら…私、先生する、みたいなんだもの。
こんな展開は全く想像していなかったので、自分自身が一番驚いています。もちろん、周囲にも驚かれましたが。

最近は、ソワソワの波が大きくなってきて、気持ちが落ち着かずに過ごす日も出てきました。
まるで、学生の春休みが終わって新学期を迎える時のように。
それなのに、まだ自覚の足りない へっぽこ模様。

それで、人と話したり、部屋の片付けや庭の手入れをしたり、犬の散歩の回数を増やしたり、ボランティアをしたり、ロクロを回したりして過ごしています。ソワソワしている割には、お気楽ですね。
あ、それと最近、YouTube のマリコ先生のヨガレッスンも取り入れました。(↓これイイですよ!エリーニさんありがとう)


大学のレポートは捗りません。スケッチも捗りません。
肝心なことは捗らない、謎。


行動が多動化していますが、どうやら心を落ち着かせるためにイイことは、人と話すこと、そしてロクロを回すことのようです。

◇◇◇

〜人と話す〜


現役の高校教師をしている友だちのMちゃん。

私が先生するのかと驚いて、でも笑って「なんか元気出たよ」と言う理由はよくわかりませんが、
背中を押してもらい、古い教科書だけど参考にしてねって、お菓子と一緒に詰め込んで送ってきてくれたりと、
毎日忙しいだろうに世話を焼いてくれるんです。
もう泣きそうです。

これからも頼ってしまうだろうけど、Mちゃんの時間をあまり奪いたくはないから、どうしてもの時にするからね。


元高校教師で陶芸仲間のNさん。

奥さんも元高校教師、娘さんも現役で高校教師をされている先生一家。同じ県内なので、具体的な学校名を交えてのお話が心強いのです。

長年の教師生活は大変だったでしょう?と尋ねると、

 うん、だけどね、教育には浪漫があるよ
 将来この子たちがどうなるんだろうって夢が見れる。
 そこが面白いんだ……

 確かに現役の時は忙しくて、今、孫の世話をしながら
 子どもってこうやって育つんだなって初めて知ったね。
 自分の子どものことは、みる時間がなかったよ……

 でもね、教師をあまり長くするのはいいと思わないよ。
 先生という人間に向かって、
 違うと思ってもうるさく言うような人っていないんだよ。
 だから引退後は、
 ボクはすぐに先生の肩書きにこびりついた意識を捨てたんだ……

 先生は、やるなら堂々とやらなきゃダメだよ。
 働き始めたら、愚痴でもなんでもいいから、メールちょうだいね。


隣りで土を捏ねながら、昔を思い出してニコニコと話すNさん。

半ば面白がっているような雰囲気も醸し出しているけれど、ご期待に応えるような やっちまったメールを送りたくはないので、頑張りますから!
浪漫飛行に出てしまうよ、私。


◇◇◇

〜ロクロをまわす〜

腰痛や手荒れ、腱鞘炎になるのが怖くて、しばらくロクロから遠ざかっていました。
それどころか、ロクロに限らず、造る行為自体に消極的になっていました。

というのも、私の住む自治体では、食器以外の陶磁器(特に陶板やタイル)は、家庭ゴミとして捨てることができずに産業廃棄物扱いになるからです。
1〜2年前から、家庭ゴミでは捨てられなくなりました。

それで、ちょっとズルいですが、トンカチで粉々に叩いて元の作品の形を消し去って、燃えないゴミとして捨てているのです。
ところが、これがなかなか悲しい作業なのです。
失敗作ばかりを生み出す虚しさに、心が折れかかっていました(涙。


ロクロ再開のきっかけとなったのは、
ある日の陶芸指導員のボランティア担当日での出来事でした。


「ロクロの1日体験のお客さんが来るから、みてくれる?」


あれっ⁉︎ 私に言ってる???

汗 汗 汗

私がしばらくロクロに触っていないのを知っているAさんがこう言うのは、何故だろう…

Aさんが決して意地悪で言っているのでないのは、わかっています。
普段から素敵で優しすぎる方だから、悪意など感じようがないのです。
でも、なぜに…


ドキドキしながら、なんとか、お客さんが希望する小さなお皿をサポートして作りましたが、これは、もう、てんやわんやの大焦りでした。

 ちょっと待って、それ以上はあかん、わー、もう一回、
 あー、またそこ止まっちゃダメ、そのまま、そのまま、、、

ロクロは、作るのも難しいけど、教えるのも難しいです。

だからといって、ほとんどこちらで準備してお膳立てしすぎたら、体験としてどうなんだろうと悩みます。ほどほどに達成感を感じてもらえたらいいなと思うのですが、こればかりは人によって様々ですものね。
今回はなんとか形にしましたが、もっといいお皿に導いてあげたかったなぁ、と後悔が残りました。

でも、このことをきっかけに、私なんぞが教えるなんて厚かましい、教える資格もないと落ち込み、反省しました。

こうして私は、しばらく遠ざかっていたロクロの練習を、一からやり直すことにしました。
食器ならば、失敗作も家庭ゴミとして出せるから、大丈夫だろうし。(←SDGs的にどうよ?とは思いますけどね。ごめんよ、地球。)


・・・ん? あれれ?
これって、よく考えたら、Aさんは理想的な先生なのかもしれないよ??

Aさんは、「のんびりサボってないで練習しようね」と直接に忠告することなく、私の行動を変えてしまいました。私はロクロの練習をしています。
Aさんの手のひらの上で、うたた寝しながらコロコロと転がされているような気分です。

そして、ロクロを回し始めた私の気持ちは、とても落ち着いています。
まるで、くるくる回りながら形を変えていく土が、次々と生まれる種々雑多な心配事を巻き取ってしまうかのようです。

どうやら、土には不思議なパワーがあるようです。


私が浪漫飛行に発つことができるのは、こんなにも心根の良い方々がいてくださるから、そして土のおかげです。
ありがとう。ありがとう。


拙い文章表現で、上手く伝えきれずにモヤモヤするし、こんな私に書かれてしまう人に失礼な気がして、本当は人様のことを書くのは気が引けますが、今回は、どうしても書き留めておきたくなりました。

最後まで読んでくださり、どうもありがとうございました。




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