お前は自分の年齢を鑑みろ

夜の街へ繰り出した事はあるだろうか。例えば歌舞伎町、六本木、すすきの、北新地、祇園等名前をあげるだけでも様々な夜の街が日本各地に存在する。
この記事では私が北新地のとあるバーに勤務していた時に経験した女社会ならではの嫌な話もとい愚痴を語っていこうと思う。
20歳になりたての私は元々夜の街に少し抵抗があり安い昼キャバで勤務していた。しかしながら、お客様の質の悪さ(罵詈雑言を浴びせられる、ストッキングを破かれる)等で嫌気がさし北新地のバーへ転職した。バーと言ってもお客様の横に座って接客をするので風営法的に大丈夫なのか?と思ったり、キャバクラやクラブに比べて給料は劣るものの、昼キャバよりはいいお給金を頂いていた為それなりに満足して働いていた。
新人という事もあり控え室や営業前にすれ違ったキャストにはきちんと挨拶と自己紹介をして回っていたのだが、ある日の待機中ベテランのキャストに顔をジッと見られ挨拶漏れがあっただろうか?いや、この方には挨拶をした筈だしお席もご一緒させていただいたし、お客様のお見送りの際にお礼もお伝えしたはずなんだけどなと内心焦りながら会釈したら「なんや、聞いてたよりは可愛いやん。」と一言伝えて去って行ったのだ。
いくら鈍感で察しが悪くてもこれには流石に「ああ、裏でキャスト同士でブスの新人が入ったとバカにされていたんだな」と思いショックを受けると同時にわざわざそんな事を言いに来るベテランもどうかしているのではと思ってしまった。
女社会も女社会。女子校の嫌な所を煮詰めた様な場所だなと思った。
バーでの容姿いじりはキャスト内だけでは収まらない。
その当時ヨシンモリヘアー(所謂韓国風のセンター分けの巻き髪)が流行り始めた頃、ミーハーな私は流行に乗ってヨシンモリで出勤したのだが、15も離れたキャストに「何その髪の毛!聖子ちゃん風?レトロ系好きとか?写ルンですとかめちゃくちゃ好きそー笑」と名のある企業の役員がお目当てのキャバクラのオープン時間の暇潰しで遊びに来ている前で大声で言うのである。
肝心の15歳上、つまり35歳のそのキャストはショートウルフにインナーターコイズブルーとお前こそ年齢を考えろという髪型なのをぐっと堪え「そうそう、好きです写ルンです。流行ってますよね、今とても」と適当に誤魔化したが、本当によくそれでこの夜の世界でやって行けるなと感じた次第である。
私自身顔は無修正で確かにお世辞にも可愛いとは言い難い顔である。しかし、祇園のクラブに移籍して案にブスだと言われているのは分かっているがチーママに「えらい可愛らしいお顔やねえ」と言われた時、京都人なりの皮肉だと分かっていてもそちらの方がまだ上品だなと感じた。
夜の世界はやはり容姿もそうだが所作や言葉遣いが物を言う。お客様にもキャストにも沢山容姿で嫌味を言われた今、再度あの頃のいつまでも北新地の安バーで燻っているあの女に言いたい。
「お前は自分の年齢を鑑みろ」



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