貧血・隠れ貧血があるとギックリ腰を起こしやすい

前回に続いて腰痛に関する記事です。

ギックリ腰は急激な強い腰の痛みを引き起こし、酷い場合はその場から動けなくなったり、横になったら起き上がれなくなったり等、生活に支障をきたすことになります。

動けなくなるほどの痛みではなくとも、歩くのがやっと、どうにかトイレで用がたせる等、症状にある程度幅があったりします。

多くの場合で、重いものを持ち上げたり、急激に身体をひねったり等でギックリ腰になったりする方が多いです。
中には、くしゃみでギックリ腰を起こす方もいるので、キッカケは人それぞれです。

ギックリ腰になると完全安静をとろうとする事が多いですが、日常生活に必要な最低限の動きはしていただいた方が回復が早いので、無理のない範囲で動く方が良いですね。


でも、重たいものを持つ仕事をしている人でも、ギックリ腰を起こさない人もいるのは不思議じゃないですか??
ギックリ腰を起こす人の特徴を観察したり色々と調べた結果、重いものは確かにギックリ腰のリスク因子にはなるけれども、もっと重要なポイントがあることに気づきました。

それが、『貧血(隠れ貧血含む)』や『鉄分不足』です。

貧血の種類はいくつかあります。
・鉄欠乏性貧血
・悪性貧血
・溶血性貧血
等、色々とありますが、鉄分が不足している状態の鉄欠乏性貧血が一般的には多いとされています。

個人的には病気は予防が最重要だと考えているので、それはギックリ腰に関しても同じです。もちろん頭痛も予防が最重要です。

貧血は病院で血液検査の結果から判断されますが、『爪』の状態を見ることで貧血または鉄分不足があるかどうかを予測することが可能です。
ちなみに、貧血とは判断されない『隠れ貧血』の方は非常に多いと言われています。
カウンセリングをしていると、貧血は無くとも隠れ貧血・鉄分不足の方がほとんどで、鉄分が豊富な方(特に女性)は見たことがない程、多くの方が抱えている問題です。
貧血は血液検査のヘモグロビン(Hb)が一つの指標とされていますが、これの基準値は検査会社によって微妙に違うのです。なので、同じ数値(例えば女性でヘモグロビン 12g/dl)であっても、検査した病院や提携している検査会社によっては正常とも見られるし、異常とも見られる。

この検査会社だと女性(F)は正常となる

上記の画像の検査会社だと正常となるが、下記の画像では、

この検査会社だと異常となる

検査会社によってヘモグロビンが同じ12g/dlだとしても解釈が変わってくる。解釈が変わるということは治療内容も異なるということである。一方は鉄剤等の処方がされるのに対して、もう一方では特に治療なし(経過観察)ということになる。
ここで施される治療(鉄剤の処方飲み)が正しいかどうかはここでは一旦置いといて、この基準値が検査会社によって異なるという事は一般的にはほとんど知られていない。なので、診断するドクターの意見に疑いを持つことも無いのです。

ちなみに、『フェリチン』という体内に貯蔵されている鉄分を見る項目もありますが、これもだいぶ幅があります。


フェリチンは栄養療法を行うドクターによっても基準とする数値は異なります。30ng/mlあれば十分というドクターもいれば、最低100ng/mlは必要というドクターもいて意見が割れるところではあります、様々な方を見ていると30〜50ng/mlあれば元気に過ごせている方が多い印象です。
※フェリチンは炎症で上がってきて、その場合のフェリチンの値は鉄の指標としては使えません。その他の検査項目や身体の状態から炎症が無いかを確認した上で、出てきた数値が純粋に鉄分の指標となるかどうかの判断が必要なので、それなりの知識とスキルが求められます。

フェリチンはこちらの検査会社では3.6〜114ng/mLが基準値となっていますが、まず間違い無いのは、フェリチンが一桁の場合はかなりの鉄不足で、かなりの不調持ちだったりします。
例えばフェリチンが4ng/mLだったとしても、この検査会社の基準値からすると異常無しと判断されるのです。絶対的に栄養状態の改善が必要なのにも関わらず異常無しとされて放置されるのです。。
体調が悪くて受診・検査したにも関わらず異常無しと判断されて途方に暮れている人が多いのはこのような背景があることも一つの要因なのです。悲しいですがこれが現実です。。
個人的にいつも思っていることは、患者として一人の人間として賢くなり、不調がある場合は理解のあるドクターやセラピストにかかる事が重要だと感じています。

だいぶ脱線しました。。
でも、経験上、脱線したところが意外に役立ったという方が多いと思ってます(笑)
貧血や鉄分不足に関しては社会全体的(特に女性)にもっと広く知られる必要があると思っています。

で、爪に戻ります。

爪って、男性はなかなか意識して見ないと思いますが、ネイルされる女性は自分の爪の状態については敏感じゃないでしょうか。

爪がぺったんこだったり、反り返っていたり、ボコボコしていたり、柔らかかったり等、形が様々で気にされる方は女性では少なくないように感じます。
男性はあまり気にしていない人が多い印象^^;

ネイリストの方以外では人の爪を意識して見る事はなかなか無いと思いますが、僕の場合は、相談に来られる方の爪は貧血や鉄不足の有無を確認するためにもギックリ腰の方はもちろん、全員チェックさせていただいております。

そこでわかってきた事は、ギックリ腰を起こすほとんどの方は上記で示したような爪の形をしている特徴があります。

聞くと、過去に貧血の治療をされていたり、現在治療中だったり、レバーは絶対無理!という方がほとんどです。
ちなみに、「レバーは絶対無理!」という方は、貧血または隠れ貧血持ちである事が非常に多いです。経験上、9割は貧血または隠れ貧血です。
鉄分補給の観点から考えると、せめて月1ぐらいでもレバーは食べてた方が良いと思ってます。

ところで、なぜ爪の状態とギックリ腰が関係するの??と思いますよね。一見関係無さそうなのに。

キーワードは『コラーゲン』です。

ギックリ腰は筋肉や靭帯、椎間板の問題など様々な要因が指摘されていますが、経験上、筋肉に問題が起こっている事を多く経験します。

筋肉も爪も共通するのは『コラーゲン』が組織を構成する一部です。

このコラーゲンは体内の栄養素から作り出されます。
コラーゲンを作り出すために必要な栄養素は、
・タンパク質
・鉄分
・ビタミンC

です。

これらの栄養素が十分に満たされていることで豊富にコラーゲンを作り出すことができて、爪も筋肉も十分に補強されていきます。

タンパク質は肉、魚、卵、大豆製品に豊富に含まれていますが、鉄分はレバーに特に多く含まれているため、レバーが食べられないというのは鉄分の補給がしづらいとも捉えられます。
実際に貧血や鉄不足がある方はレバーが食べられない方がほとんどです。
中には食べられる方もいますが、食べられたとしても、「家族が食べられないから作らない」、「下処理が面倒臭い」等の理由で、実際には食べていなかったりするのです。

レバーが食べられない代わりにほうれん草や小松菜、ひじき等を摂ったとしてもその食材に含まれる鉄分は少量であったり、吸収率が悪かったりで、実際には鉄分を十分に補給できていません。

これらの栄養素は摂取不足はもちろんですが、日常のストレスを受けることによって消費量が増えていき、どんどん体内から無くなっていくのです。

なので、ギックリ腰を起こす方は、日頃の食生活を見直すことはもちろんで、特にタンパク質や鉄分、ビタミンCを意識して積極的に摂るのがオススメです。

また、日常的なストレスを減らす工夫も大事で、これは場合によっては食生活を見直すことよりも重要となる事も少なくないので、ストレスが多いと感じている方は可能な限りストレスを受けない環境を作りたいものです。
ちなみに、カフェインは鉄分の吸収を阻害するので、その点も注意が必要です。

一般的には摂取不足によって栄養状態が悪いと考えられがちですが、このようにストレスやカフェイン等によっても栄養状態に影響するという事を理解できると良いなと思います。
「カフェインも…」とショックを受けた方はカフェイン依存気味かもです(笑)そのような方は少しずつ減らす方が離脱症状に悩まされずにすみます。


今回はギックリ腰から血液検査、栄養、ストレス、爪などと、それぞれを点で見ると一見関係無さそうな部分も、このように見ると点と点がつながるような感じで見てとれたのではないでしょうか。

年末にはギックリ腰を起こす方が増えてくるので、今この時期から対策しておくと良いですね。


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