映画マニアを名乗りた〜い!(13) 女の子は誰でも
まえがき ─ 心根
どうもこんにちは、ズチャーン(ケコーンの言い方のずっちゃん)です。
今回は女性が主人公の映画を見ました。
僕は別にトランスジェンダーとかではないんですけど、感性が女寄りな部分が多いのか、女性主人公の物語の方が感情移入しやすい傾向にあるので。そんな感じです。どうぞ。
哀愁しんでれら
一晩ですべてを失ったけど何だかんだで子持ちの開業医とゴールインしたよ!!なおその後
公開当時話題になっててめっちゃ気になってたので見ました。
コンセプトというか大筋はかなり好きだったんだけど、こう……取捨選択が上手く行ってないような感じがしたかも。
前フリとしての馴れ初めのシーンが凄く丁寧な割にそこからの転落があっという間に進んでいくので、感情移入がしづらいというか。
「そりゃそうなるのも無理ないかもしれんな」のジョーカーパターンなのか、「いや何やこいつヤバいな」のタクシードライバーパターンなのか、どっちに見せたいのかが分からなくていまいちハマりきれなかった。
あとこのセリフ後から効いてくるから覚えといてね〜!!って強調が露骨すぎたのもあんまり……。
ただラストのショッキングっぷりは嫌いじゃないです。なので尚更そこに至るまでの説得力が欲しかったなと思ってしまいました。
何か色々わだかまりが残る、惜しい映画。
Swallow
息苦しい新婚生活で妊娠が発覚し孤独が深まる中、彼女はガラス玉を飲み込みたい衝動に駆られる
つまり異食症について扱ったお話です。
精神が病理に冒される理由付けがめちゃくちゃしっかりしていてしんどかった。もちろんそれゆえに良い映画だと言える訳ですが。
周りの人間もみんなゲボすぎるんだけど、ただ悲劇的な状況を作るための舞台装置としてのゲボじゃなくて、全員がゲボとしてそれまで生きてきたことが伝わる説得力のあるゲボだったので、最悪で良かったな。泣きそうになっちゃった。“居てもいい場所”を模索することの悲痛さ。
衝撃的な展開などは特になく、ひたすら環境と精神に向き合う物語でしたが、とにかく細やかに描かれているので全く退屈さは感じず。
映像も綺麗だし、とても好きな映画でした。
ただキャッチコピーダサくね!?!?
先生、私の隣に座っていただけませんか?
漫画家夫婦の旦那が不倫したけど嫁の新作が自分らにそっくりな夫婦主役の不倫漫画でやべえ
何か………あの……………
すっごいダサくて………………
設定の妙とか虚実が入り混じって最後までどうなるか分からない感じは本当に良かったんですけど…………
すっごいダサくて……………
メイン2人以外のキャストのデカい芝居とかタイトル回収する感じとか音楽とか「女の怖さ」を押し出したい雰囲気とか………………
全部がすっごいダサくて…………………
何か………びっくりしました…………はい……………こんな映画初めて見たってくらいでした………………はい……………
マーターズ
監禁拷問から生還した少女は収容された施設で少女と出会い心を取り戻していく、が15年後
スプラッター復讐劇だと思ったら地獄の百合だと思ったら胸糞拷問ものだと思ったらカルト、というとんでもねえ構成の映画でした。
なんじゃこりゃ……って思いながら見てたけど結構好みだったな。俺みたいなのがこれを好みとか言っちゃうと犯罪者予備軍でしかないな。
ただ拷問の内容がバカみたいだったのは気になりました。シンプルに殴りまくって放置するって何かそれ目的に対する手段として合ってる?もうちょっと効率的にやれない?知らんけど。
あとこういうホラーで敵がどうやら警察すら牛耳ってそうなレベルのデカい組織っぽいってなった時の絶望感って良いですよね。ホラーは完全に詰むほど良い。絶対に人には薦めないけどわりと好きな映画でした。
かしこい狗は、吠えずに笑う
不細工さ故に蔑まれる少女は可愛さ故に妬まれる少女と出会い友情を深めるが、やがて彼女の狂気に気付く
こういう小規模邦画独特の匂いってありますね。くっせーけど好きです。
何かもっとやるせない感じに行くと思ったら結構しっかり狂気でびっくりしました。
主演の2人は演技未経験だったそうですが、どちらも雰囲気あって素敵。特に可愛い役のほう、いかにも女に妬まれるタイプの可愛らしさでとても良かったです。
ただ、生まれながらのサイコ野郎なのか、何かきっかけがあって歪んだコンプレックスの発露なのかがいまいちピンと来ないというか、もうちょっとだけどういう奴なのか分かりやすくしてくれた方が嬉しかったかな〜。キャラクターがわりと戯画的だから余計に気になったのかも。
あとは概ね好きでした。
ブルー・マインド
15歳の少女は転校先で仲間と悪い遊びを覚えていく中、身体に奇妙な変化が起こる
思春期と第二次性徴のどうしようもなさをファンタジーでグロテスクに描いた不思議な映画。
結局何故そうなったのか、結局両親との関係性は何なのか、とかそういう部分は放ったらかしで終わる潔さが凄かったです。
何かあんまり何考えてるのかわからん所もあったけど、実際思春期って周りから見たらそんなもんだし、何なら自分でもよく分からないものですわね。そういうのも含めて凄く良く出来ていると思います。
あと性への目覚めみたいなのも軸に据えながら変にエロエロにしないで美しく纏めてるのも偉いぜ。
ただ本格的に身体が“そう”なった時の美術面が途端にちょっとチープで勿体なかったな〜。あれはな〜。映像が全体的に綺麗だからこそな〜。
ほんとにそこだけです。あとは素敵な映画です。
何か今回アクの強いのが多かったな。
色んな映画がありますね。中でも「Swallow」はかなり刺さりました。俺は精神の話がしたい。
もう次どんなの見ますとかは言わないことにします。それでは。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?