映画マニアを名乗りた〜い!(11) サムライはどちらで会えますか
まえがき ─ 矜持
いよいよ追い詰められているがまだ現実逃避中のずっちゃんです。
アカデミー賞で久しぶりに邦画が賞を獲ったことだし、邦画をいっぱい見ようじゃないの。という回です。
色々言われがちだけど、やっぱり大好きなので。
どうぞ。
ルームロンダリング
天涯孤独になった女は伯父に雇われて事故物件に住むバイトをしてるけど幽霊バッチリ見えちゃうよ
聞いたこともない映画だったけど面白かったです。フィーリングで見ると当たりが多い気がする。
設定のわりに全くもってホラーではなく、ほっこりコメディヒューマンドラマ。邦画らしい良さがあって良かったです。
お母さん関連の所とか何だか情緒がよくわからなくてちょっとピンと来なかった所もあったけど、幽霊たちがめちゃくちゃ良いキャラしてて見てて楽しかった。
そして何より、池田エライザ・オダギリジョーの魅力!!!今更ながらすんげー良い役者さんですね。脚本に違和感あってもキャラと演者が魅力的なら大体楽しく見られるのは俺の偉い所。
かなり好きな感じの映画でした。それだけに母親のとこが惜しい。
映画 すみっコぐらし 青い月夜の魔法のコ
すみっコたちの街に魔法使いのきょうだいが訪れる
我が愛すべきBUMP OF CHICKENが主題歌を担当しているので見てみました。
一作目から引き続き大人でも泣けると評判だったので気になっていましたが、なるほど確かにとても丁寧で、感動できる良い映画でした。
すみっコぐらしのことを全く知らないまま鑑賞したけど、それでも世界観がスッと入ってきて良かった。
でも肝心の主軸となるとかげの「お母さんに会いたい」という夢が、そもそも何故お母さんと一緒にいられないのかがよくわからなくていまいち入り込めなかったかも。また母親関連の描写で理解が及ばなかったので、これは俺の家庭観がおかしい説があるな。
あとここまでしっかり低年齢向けの映画を初めて見ましたが、言語的要素をなるべく省いて映像や音楽で感覚的にも楽しめるように作ってあって素晴らしいですね。
主題歌も凄く合ってて良かったです。流石だぜ。
ファミリー☆ウォーズ
仲良し一家の爺さんが認知症になって子ども轢き殺して死体持ってきて大騒ぎ
何か良い感じの映画が続いたので最悪の映画が見たくなり、以前見た「ハングマンズノット」の監督さんの作品でジャケットが良すぎたこちらを視聴。
本当にカスみたいな最悪映画でめちゃくちゃ楽しかったです。
多分今まで見た映画で一番笑いました。
でも完全なバカになってからがちょっと長かったのと、流石にチープさを押しすぎな感じがしたかも。そこらへんの配分は園子温映画が好みドストライクなので、それに比べるとちょっとやりに行きすぎてる感は否めなかったような。
でもとことんぶっ壊れてて良かった。もう道徳心とかをかなぐり捨ててどうでもよくなりたい時に見るのがオススメ。つまりまともな人は一生見なくていい。
淵に立つ
家で工場を営む男は昔馴染みの男を家族に断りなく雇い入れ、共同生活が始まるが
これも違ったベクトルで最悪の映画でした。何かこれは……もう……駄目だと思う。嫌だ。こんなのは。ねえ。
脚本演出も芝居も素晴らしくて、無理も嘘もなく人物が動いてお話が進んでいくので、とてもよく出来た作品だとは思うんだけど、あまりにも辛いんだ。
不穏な要素が案の定結実して最悪の結果になり、それが本当に何も解消されずにひたすら苦しいまま終わります。
これを物語と呼んでいいのかもわからない。現実に起こった悲劇の殆どはこうなんだろうという絶望感だけがある。似た雰囲気の映画に「葛城事件」があったけど、あれよりも更に現実味が深いというか、創作感が薄いというか、生臭いというか。
多分こういう気持ちにさせたくて作ったんだろうから、大成功の大傑作だとは思います。でもこの映画がすごく嫌いです。これはめちゃくちゃ褒めています。
獣道
宗教にハマる母の元に生まれた少女は居場所を求めて彷徨う
何か凄く不思議な映画だったな。掴み所がないというか。
モノローグで進行していくからか妙に淡々としていて、盛り上がりが無いけど別に退屈な訳でもない。
テーマは明確だけどそれをしっかり伝えようっていう感じも無い。
とことん現実味を追求している訳でもなくいかにも物語的に進んでいくけど妙なリアリティが散らばっている。
何かどういうテンションで見ていいかがわからない映画でした。決してつまらなかった訳ではない。けどハマりきれなかったかも。
花束みたいな恋をした
サブカル趣味で意気投合した男女の恋物語
いや〜なんか今まで見た映画で一番美しかった。めちゃくちゃ良かった。
美しいというのは構成であり、演出であり、物語の内容であり、キャラクターのディテールであり。別に何の事件も起こらないのに作り込みでここまでドラマを作れるのすげ〜。
実在の固有名詞いっぱい言わせて質感出すのはよくある技法だとは思うけど、そのピントが一ミリもブレてないのも良かった。天竺鼠にきのこ帝国に。個人的には浅野いにお、フジファブリックなんかも挟んでほしかった所ではありますが。
恋愛映画でこんな刺さったの初めてかもな。こういうのが最高だし、そういうのが最悪だよね、って胸にギュンギュン来ました。
キャストと公開当初のプロモーションの感じから完全に舐めてましたが、お見逸れしました。すみませんでした。ありがとうございました。
僕はすべてにおいて言葉を重要視する価値観の人間なので、ネイティブレベルで理解できる言語が使われてないと嫌だ〜という感覚がどうしてもあり、それゆえに邦画が好きなのですが、
やっぱりそういう遺伝子レベルで染み付いた言語表現で描かれている作品というのは良いですね。クリエイターの伝えたいものがちゃんと咀嚼できる感じが好きです。
良いものいっぱい見れた。楽しかった。ほな俺もう先に上がらせてもらうから(天竺鼠のサゲのくだり)
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