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エレベーターで職場の人と一緒になるのが嫌な私はコミュ障だろうか。

PM8:00すぎ

仕事が終わると、更衣室ですぐに着替えてエレベーターまで一番乗りで直行する。

うちの医院は10階建の最上階

エレベーターは2連あるが、なぜか10階のみは1連しか使えないのでかなり待つ。

そして私は一番乗りでたどり着いたエレベーターの前で、心の中でいつも祈っている。


誰も来ないで!誰も来ないで!!と


エレベーターがやっと来た


カツカツカツとヒールの音が聞こえる


その音が7メートル以内だとゲームオーバー


その場合は諦めて私は《開》を押してニコニコしながら待っている。

「お疲れ様!今日も忙しかったね〜」


足音の距離が7メートル以上の場合


《閉》を長押ししながら、早く閉まれ、早く閉まれと唱えている。


誰も来なければセーフ。


心の中でガッツポーズしてスキップして帰りたい気分だ。いや、小躍りしたっていい。

私の今日の運勢は帰りのエレベーターで決まる。


そう、私の心の器はおちょごみたいに小さい。


私はエレベーターの中でスタッフと一緒になるのが大の苦手。

エレベーターで一緒になってしまうと、そのまま一緒に帰りましょうコースになるからだ。

職場から最寄り駅まで行く時間、電車を待つ時間、電車の中

しめて30分。気が狂いそうになる

いつものニコニコしている愛想の良い私でいないといけない、お給料が発生しないのにこれ以上苦痛な事はない。

帰り道、仮に途中で用事があると断ったとしても、エレベーターの密室でスタッフと一緒の空間にいるという事自体に心が疲労する。


普段愛想よくしてるのはあくまでも仕事を円滑にする為のもので、仕事が終わってタイムカードを押した瞬間私は無でいたい。世間話をするのも表情を作るのも疲れてしまう。

だからなるべく仕事終わりは、だれとも帰りが一緒にならないように避けながら、祈りながら、帰宅するのである。1日で1番ドキドキする、スリル満点なゲームだ。


そんな私は滑稽かもしれない


両親に姉に姪っ子と夫、1人くらいの親友、私の事をあだ名で呼んでくれる人たち。


狭い世界で生きていると言われたとしても、大切な人が数人がいれば私は充分満たされてるのだ。


そう、そして今もエレベーターの前で祈っている。

どうか、どうか、誰も来ないで!!!!と。




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