ロマンの生物学(6) ~シリコンちゃんの夜明け~

その後の展開は、いくらも考え得る。
シリコンちゃんは闇の帝王と化した長老と対決して勝ったりするかもしれないし(シリコンちゃんの帰還)、新たなインターフェイスを手に入れてもっとわがままになるかもしれない(シリコンちゃんの覚醒)。
個々の歴史的な出来事には、偶然による影響も大きいのだ。

けれども長い尺でみれば、必然なこともある。
二酸化炭素の濃度にかかわらず、いずれ地球は熱くて住めなくなるらしい。
太陽が膨張するからである。
しかもその後は縮小して燃え尽きる。
なんぼ人類が寿命から解放されても、これらを乗り越えるのは難しいのではなかろうか。

けれどもこの頃になれば、さすがに生体分子の観測技術も完成しているかもしれない。
そうなれば人類が生き残ることはできなくても、そのコピーをシリコンの中に残すことはできるだろう。

クローンくん: よ
シリコンちゃん: !

更にずっと遠い未来には、宇宙空間が膨張しすぎて原子も素粒子も崩壊してしまうらしい。

クローンくん: 年貢の納め時かなあ
シリコンちゃん: そんなことないわよ#1
クローンくん: どうすんの
シリコンちゃん: タイムマシンにお願いすんのよっ
クローンくん: ああ、西暦1988年のサイエンス誌の#2
シリコンちゃん: そーれオホホホホ、オホホホホ

シリコンちゃんとクローンくんの運命や如何に。

#1 シリコンちゃんが女言葉なのは女だからである。重要な機能がいっぱい詰まったX染色体が既にあるというのに、わざわざY染色体も作ろうとする研究員がいるだろうか。

#2 宇宙空間に半径数十キロだか数百キロだかの、特殊粒子でできた輪を建造して、それを高速で振動させると過去へ行けるらしい。できるんかそんなことがw

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