見出し画像

雑誌『クライテリオン』の面白かった「外山恒一」の文についての話と、SNSの話。

外山恒一はすごい


ニコニコ動画の懐かしいネタ


今月でた『表現者 クライテリオン 「反転の年」』に
外山恒一氏が寄稿されていた。

彼が有名になったのは東京都知事選に出馬した際の
政見放送からであろう。

ニコニコ動画世代の人間であれば、この動画を一度はみたことがあるだろう。

当時、私もこれを何度もみた。

今、表示されているコメントと異なり、この動画が流行っているときは
コメント職人と呼ばれる人々が大勢いて、再生数の多いものであれば
面白おかしく装飾されていた。

自分の文体をもっている人ー何が面白いかー

そんな外山氏がクライテリオンに寄稿されていたのだが、これがまた面白かった。

第一に文体がこの演説そのものだったことだ。
テレビに出る際は原稿を書いて、暗記しているのだろうから文体と喋りが同じになるのはあたりまえかもしれない。

しかし、この動画を惹起させ、懐かしみを覚えた。

ロシアVSウクライナも、安倍元首相殺害も問題ではない

第二に内容である。

寄稿文の題は『「二〇二二年に「大事件」は起きたのか』で、
今年の総括をしているのだ。

本年も色々あった。
皆さんもふりかえってみると、思い出されるのではないだろうか。

ウクライナとロシアの戦争、安倍元首相の殺害、長引くコロナ対応など。

私たちの将来に影を射すようなことばかりであった。
日本や世界はどうなるのだろうと思うのが普通であろう。

しかし、外山氏はきっぱりと「何か時代を画するような“歴史的”な出来事であるとは私はまったく感じていない」。というのである。

氏にいわせると

日本は一九九五年のオウム事件を機に、世界は二〇〇一年のアルカイダ事件を機に、「反テロ戦争」の異様な戦時体制に突入したのであり、以降のさまざまな出来事は、この戦時体制をますます強化させる意味をしか歴史的には担ってこなかった。

ということなのだ。

その認識の是非はともかくとして、さすがは「スクラップ&スクラップ」といっただけのことはある。
放言ともとられかねない大上段に振りかざした一節に驚かされてしまった。

紳助・竜介の漫才の破壊力

ところがそんな氏がyoutubeの動画をみていたところ
「ちょっと引いた」ものがあったらしい。

「え、こんな人でも引くことあるのかよ」と皆さんは思われるかもしれない。

それがあったのである。

氏はYouTubeで紳助・竜介の漫才をみたらしい。
ネタとしては一九八二年の三月のもので
ゴールデンタイムに放送された『THE MANZAI』であった。

ここから先は

1,303字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?