ずんだもち

雑木林出身の勤め人。見たり読んだりしたものを記録します。

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最近の記事

【温泉一人旅】石和温泉「旅館深雪温泉」で夏のぬる湯を満喫

去年、花巻の鉛温泉(藤三旅館)の足元湧出湯に出会ってからというもの、気になって仕方がない…源泉かけ流し!! 温泉ではゆっくり読書がしたいので、一人旅もいいんじゃないかなあと行くたびに思っていて、6月末に連休がとれたのでまずは1泊2日で決行することに。 さてどこに行くか…。 調べたところ、山梨県石和温泉に、源泉かけ流しの「深雪温泉」さんがあるらしい。アクセスもいいし、初めての一人温泉旅にぴったりだ。 行きも帰りも「特急かいじ」に乗って。窓も大きくて空いている。出かけたい!

    • 6月の読書記録(と漫画)

      6月の記憶があまりない…ぞ。気が付いたら終わってしまっていた。何をしていたんだろうか。そんな感じなので、いつもよりボリュームふんわり軽めです。 重力ピエロ/伊坂幸太郎6月末に連休があったので、一人で石和温泉に行ってきた(これも思い出記事にしたい)ときのお供。学生の時に一度読んだことがあって、当時はちょっと現実ではありえないかもしれないなあという設定(しかしとてもいい)や、始めと終わりの構成の美しさに「これは…小説だからできる…小説という枠を使いこなした…名作!!」という感想

      • 5月の読書記録(とラジオの話)

        現実逃避のため、とにかく知識かじり虫になっていた5月。頭の中を言葉や思想でいっぱいに埋め尽くしたひと月に。 成瀬は天下を取りにいく/宮島未奈久しぶりに実家に泊まりに行くと、父が珍しくじっと本を読んでいた。聞くと、母から「本屋大賞をとった本、前に読んだから家にあるよ」と言われ借りたらしい。翌日、読み終わったらしい父が「ねえねえ、2巻があるらしいよ。2巻があるらしいよ。」と仕切りに言うので、一緒に本屋へ行って2巻を買ってあげた。そして1巻と交換してもらった。家に帰って机の上に置

        • 人混みを避けてのんびり、新緑の鎌倉さんぽ

          縁があって大好きな街、鎌倉。ただ、人混みがどうしても苦手なので、なかなか足を運べないのがさみしい。 GW明けで紫陽花がまだ蕾の5月はもしかしたら人が少ないのでは?と、ふと思い至り出かけたところ、まったりゆっくりできた気持ちのよい1日になったので、記録しておきたいと思います。 海とベーグルとトンビと/長谷 テラスで生チーズ/鎌倉駅禅と珈琲と/北鎌倉そして今日一番楽しみ、かつドキドキしていた建長寺の座禅体験へ…! 座禅に夢中で写真を撮っていなかったので、備忘録にHPを。 座り

        【温泉一人旅】石和温泉「旅館深雪温泉」で夏のぬる湯を満喫

          4月の読書記録(本と漫画と)

          4月に入って職場環境が激変。居心地の良い距離の探り合い、とても、疲れるひと月でした。4月をともに乗り越えてくれた、興味もジャンルもバラバラの書物のみなさま、ありがとう…。 ナチスは良いこともしたのか?/小野寺拓也,田野大輔ちょうど映画『オッペンハイマー』を見た後に、ふと家の本棚に挟まっているのを発見。(オッペンハイマーもとんでもない映画体験でした。)この時代の社会背景を考えるのにナチの動きをよく知らないとは恥ずかしい…と思って読んでみることに。 情報がすぐに手に入る今、「

          4月の読書記録(本と漫画と)

          3月の読書記録

          川上弘美/大きな鳥にさらわれないようこれからも大切に大切にしたい一冊に出会ってしまった‥。小さな短編の連作が生み出す、びっくりするほど大きな物語。 人間が人間として在るエゴ、ものすごく嫌なところをも、これでもかという慈愛の心で書き抜かれた川上弘美先生のまなざしよ‥。 キーワードのように出てくる、神話という言葉が気になって。ずっと考えているけれど、神話って今ここから遠い過去まで地続きになっている願いみたいなものだよなあと。 文学は人間の内面を見つめるための素晴らしいツールで

          3月の読書記録

          あなたとわたしの、いちばんやさしい距離 『推し、燃ゆ』

          2021年第164回芥川賞受賞作を受賞したとき、著者の宇佐美りんさんは21歳だった。今更になるが『推し、燃ゆ』を読んだ。 今なぜたくさんの人が「推し」を大切にしているのだろうか。下記の一節が心に残っている。 推しとの隔たりのある距離が「優しい」というのだ。 この小説の主人公である「あたし」と「あたしの肉体」にはいつも距離があって、思うように動かない。肉体と「あたし」の関係は、「あたし」と家族を傷つける。学校は中退し、バイト先はクビになる。まるで優しくない、傷だらけの関係

          あなたとわたしの、いちばんやさしい距離 『推し、燃ゆ』

          切り離さず、抱えて生きていく 『百の太陽/百の鏡』新井卓

           『百の太陽/百の鏡』はダゲレオタイプと呼ばれる写真技法を用いた作品を発表されている、アーティストの新井卓さんのエッセイ集だ。  特に好きだったエッセイの一つが「維管束」で、その中にこんな一節がある。  百合の花の作品の隣に据えられていたこの一節を読んで、驚きを覚えた。ダゲレオタイプの写真が言葉や物語に触れたとたん、空気や匂いがまるでその場にいるかのように感じられるようになった一方で、暗く光る百合の花が突然とても偉大で恐ろしいもののように──この世のものではない──いかに

          切り離さず、抱えて生きていく 『百の太陽/百の鏡』新井卓