制作ノート 春の気配(1)
春といっても、当地はまだこんな風。
暖かい地方にお住まいの方は「どこが春?」と首をかしげる風景。春のお彼岸のお墓参りは除雪から始まる。それでも春は春なのだ。
こんな装いで過ごしていたお人形。そろそろ衣替えさせてあげよう。
桜模様の古布。布屋さんが丹念に洗ってもとれなかった汚れが全体に広がっている。
ちょっと絵柄がずれている感じが愛おしい。化繊ではない絹地。手触りがやさしい。
だれが着ていた着物なのか.・・・汚れは着ていた時のものか、それとも仕舞い込まれた年月がそうさせたのか、想像は膨らむが、とにかくこの布を使うことにしよう。
帯には、この板締めの染物を使おう。薄い薄い絹地。人形の着物だから帯にもできる。
土・日では仕上がらなくて「スギちゃん」みたいな袖なしを着たお人形さんは恥ずかしそう。せめて、古い糸巻きを置いてそっと隠した。
今日はここまで。