見出し画像

ボードゲーム「丁字路」はどのように生まれたのか。

私は現在、代官山蔦屋書店にて、2年以上の歳月をかけ制作したオリジナルボードゲーム「丁字路」を販売しています。そのボードゲームがどのように生まれたのか。現在までの過程を書いていきたいと思います。

無いなら自分で作ってしまおう。

きっかけは百貨店で行われていたボードゲームのフェアを見かけた事でした。どれも個性的で面白そうなものばかりでワクワクしました。ですが、その多くは3人以上でやる、いわゆるパーティゲームで、一対一の真剣な頭脳戦を楽しむゲームはほとんどありませんでした。なにか良いゲームはないか、と探しているうちにある日、「無いなら自分で作ってしまえ!」と思い立ったのです。

チェスやオセロ、将棋に並ぶ
新たなボードゲームを作りたい。

そう思い立ってから、昔から存在し、未だ同列のものが生まれていないチェス・オセロ・将棋に並ぶ新たなボードゲームを作りたいと思うようになりました。それから私は、『漢字の部首や意味を揃えるゲーム』や、『オセロの要素を含んだカラフルな碁並べ』などを考えていました。そんな中で行き止まりでもあり道でもある、丁字路をモチーフにした戦略ゲームはどうかと思いつきました。

丁字路のボードゲームとは
どのようなものなのか。

そのあと、丁字のパネルの上で駒を進めるゲームとして進めていく事とし、その上で一度置いたパネルを回転させることができるというルールに決めていました。そのため置いたパネルを動かしやすいように『円の上に丁字路が描かれたパネル』や90°ごとにしか動けない事から『正方形の上に丁字路が描かれたパネル』そして、『丁字路の上に丁字路が描かれたパネル』などを考えていきました。

本当にこのゲームは成立しているのか。

大体の形が定まったらラフモックを作り、3ヶ月ほど、毎日のように友人との対戦を繰り返しました。その対戦の中で見つかった問題を踏まえ、話し合い、ルールを変更すると、また新たな問題が発生する。それを繰り返しているうちに、このボードゲームは自身の色と相手の色以外にもう一色のパネルが必要であるとわかりました。これがどういうことかは、是非ご自身で遊んで確かめてみてください!!

パネルを3色に変更し、
パネルの形状を再検討。

パネルが3色になったことで盤を含め全体で4色。どんな色を選ぶのかと同時に、盤、パネルをどんな形にするのかを考えました。『十字路の一角に色をつけ丁字にしたパネル』や後で動かしやすいように『丁字のつまみがついたパネル』などを検討した上、最終的に最もシンプルなものになりました。

パネルを使用時だけでなく、
その収納方法も美しく。

実家にあるボードゲームは購入時はビニールの袋に入っており、それを自分で箱に入れて使っていました。そうではなく、このゲームを買った人が他に何か用意する必要のないように、そのままプレイできて、そのまま収納できる美しい構造を目指しました。

パッケージはボードゲームの顔

ボードゲームは本来、プレイして見なければその本当の面白さが伝わることはありませんが、だからといって毎回試遊と販売を同時に行えるわけではありません。そのため一目で「かわいい!やってみたい!」と思われるようなパッケージを心がけクールなものやポップなもの等様々なパターンを検討しました。その際、海外の人でも分かるようにとタイトルを丁字路からROUTEへと変更することも検討しましたが、それではこのゲームの魅力が伝わりづらいと考え、丁字路に戻しました。

読みたくなる、
ワクワクするような説明書を。

※ルールの全容を明かさないため、画像はぼかしてあります。

説明書を読むときに感じる「めんどくさい」という気持ちを払拭し、むしろワクワクするような説明書を作ることを心がけました。イラストを多めに使い、最小限の文章で伝わるようにし、また、ルール自体も実際にやってみるとすんなり入ってくるような自然なものを心がけました。

実際に一般方々に
このゲームを体験してもらおう。

そうやって出来たこのゲームが本当に面白いのか、ルールをすんなり理解してもらえるのか、確かめるために以前通っていた大学でボードゲームを体験、購入できるカフェを開くことにしました。カフェにしたのはこのボードゲームの裏のテーマである「カフェでも様になる佇まい」を満たしているかどうか確認するためでもありました。

※これは以前の写真であるため、現在代官山で販売しているものとは仕様に若干の違いがあります。

そうやって行われたイベントは予想以上の大盛況でした。特に嬉しかったのはルールにはないにも関わらず「参りました」と頭を下げている人や、1日目に楽しんだ後、2日目に友人を連れていらした方がいたことでした。

ひとつひとつ丁寧に制作、発送。

※これは以前の写真であるため、現在代官山で販売しているものとは仕様に若干の違いがあります。

楽しんでくださった方々の中には、1ヶ月後の発送という形の受注生産であるにも関わらず、購入してくださった方が数多くいらっしゃいました。この時、大きな喜びや強い達成感を感じ、またこのボードゲームを人々に届けたいと思いました。

代官山蔦屋書店1階
3号館文具フロアにて販売中。

その思いから、今回代官山蔦屋書店にてこのボードゲーム「丁字路」の販売を開始しております。もしこの記事を読んで少しでも興味を持ってくださった方は、パッケージへのこだわりや、ボードゲームの質感など、是非店頭でお手に取って確かめてみてください!

おわり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?