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なぜ東京藝大の大学院に、進学することにしたのか。

私は福岡の高校を卒業後、上京し日本大学に4年間通ったのち、今現在東京藝術大学の大学院にいます。なぜ卒業後大学院へ、それも藝大に進学したのか。その経緯について書きます。

卒業後はインハウスの
家電デザイナーになる予定だった。

私が大学院への進学を考えたのは志願書を出す2ヶ月ほど前でした。そもそも私はプロダクトデザイナーとして家電メーカーへの就職を目指していて、四年生の5月ごろには内定も頂いていました。しかし、面接で伺うたびに提示される条件が変わっていくことや、最終的には内定を頂いた後に「デザイナーとしての採用ではない」と告げられたことを理由に就職を断念した。

ルールに沿ったデザイン手法に
覚えた「違和感」

基本的にその企業以外、就活を行なっていなかった私は一から就職先を探すことになりました。その際、ポートフォリオを作り直すべく、自身のデザインの手法を振り返る中でその手法に違和感を感じました。大学生活で私は問題解決を基本としたロジカルな思考を大切にしており、その中で生まれたものづくりのルールのようなものに沿ってデザインを行なって来ました。しかし、その手法は安定して機能的なものを生み出せる一方で、人の心をつかむような魅力を排除してしまっているように感じました。

物理的な面だけでなく、
精神的な面での満足を。

また、世の中においてもAIやIotなどの様々な最新のテクノロジーが生み出される中で、より人々にとって便利で機能的なものにするという物理的な要素に尽力するあまり、そこに生まれる人々の喜びや驚きなどの精神的な要素に目を向けていないように感じました。
そのため、私は物理的な面だけでなく精神的な面においても人々を満足させるような魅力を持つ作品を生み出したいと考えるようになりました。

アートの精神に及ぼす力を、
デザインの領域に。

それから私は、アートの精神に及ぼす力に注目しました。絵画や彫刻などの多くのアートは、そのもの自体に利便性や機能性はないものの、人々に大きな感動を与えています。それは、その作品に込められた作者の想いや、その想いを伝えることのできる表現力によるものであると感じ、それらの力をデザインに取り入れるべく、自らの感性や表現方法を身に付けたいと思うようになりました。

もう一度新たな見方を持って
デザインと向き合いたい。

そこで、私はこのまま世の中に出るのではなく、まずそれらを身につけたいと考え日本で最も有名な芸術大学である、東京藝術大学の大学院を志望することになりました。そこから、大学における卒業制作と並行して、人生における受験の中で最も力を尽くし、なんとか合格通知をいただくことができました。コロナで大変なことも多いですが、新たな環境に身を置き、今までにない考え方を持ち、より一層自身の制作に励みたいと思っています。

おわり

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