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【前編】まだまだ授賞式に間に合う年末年始に観る第96回アカデミー賞有力作品

 役所広司さんがカンヌ国際映画祭で男優賞を受賞した今週末公開の『PERFECT DAYS』、同じくカンヌで脚本賞を受賞した『怪物』、ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した『悪は存在しない』、先週見事北米ウィークリーチャートで一位を獲得した『君たちはどう生きるか』、視覚効果賞でのアカデミー賞ノミネートが期待される『ゴジラ -1.0』と今年は邦画がめちゃくちゃ豊作な年です。

 このうち国際長編映画賞にエントリーしたのは『PERFECT DAYS』ですが、ほかの作品がエントリーしていても候補の可能性は非常に高かったでしょう。
 連続受賞が狙えた可能性も考えると非常にもったいない感じもしますが、とにかく日本のオスカーウォッチャーには堪らない年です。

 ですが、昨年『西部戦線異状なし』(ドイツ語)が複数部門での受賞を果たしたとはいえ、まだまだアカデミー賞のメインは北米作品です。

 授賞式は来年の3月10日ですが、余裕を持って臨むためにはこの年末年始にある程度の作品の視聴は済ませておきたいところです。

 ということで、これまでの賞レースにおいて、複数の賞にノミネートを果たし、現在日本で観られる映画についてまとめてみました。

◎:受賞の可能性あり
○:候補確実
▲:当落線上
×:落選可能性あり

劇場公開中/近日公開作品

PERFECT DAYS:▲

 12/22(金)公開。筆者は試写を逃したので、公開初日に観る予定です。

ウィッシュ:×

 日本では初登場一位となったディズニー100周年記念映画。日本人はディズニーやっぱ好きですね。
 これもほかの取材で試写に行けなかったのですが、ノミネートされない可能性もあり、自分は観ないかもしれません。

ウォンカとチョコレート工場のはじまり:×

 シャラメたん初来日の作品となりました本作。ジョニー・デップみたいに悪い女に引っかからないでね。

オール・ダート・ロード・テイスト・オブ・ソルト:×

 インディペンデント中のインディペンデントという感じなので、候補となる可能性は低いですが、同じ部門じゃなくて「撮影賞」と「編集賞」に別の賞でノミネートされているので作品の出来は良さそう。

ゴジラ-1.0:▲

 現在最も勢いがあると言ってもいい作品。
 ただピークが現在(年末)な場合、ちょっと難しくなってくる。

ザ・クリエイター 創造者:○

 無料プレビューが公開されているなど、興行成績的にかなり厳しい位置にいるようですが、ゴジラのライバルは実はこの作品。
 『デューン 砂の惑星PART2』が年内公開されなくて一番得した作品がコレ。 

ナポレオン:▲

 ホアキン・フェニックスは『ボーは恐れている』と『ナポレオン』で2作連続撃沈中。

ポトフ 美食家と料理人:×

 フランスのアカデミー賞代表になったのに、蹴落とした'Anatomy of a Fall'が賞レースを快走しているもんだから、悪い作品じゃないのになんだか可哀想な位置になってしまった作品。

 ジュリエット・ビノシュの助演女優賞候補のほうが可能性ありそう。

君たちはどう生きるか:◎

 『ウィッシュ』の評価が伸びなかったために、受賞の可能性がぐんと高まりました。ライバルの『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』が続編ありきなのもプラスに。

枯れ葉:○

 公開中作品のなかで一番のオススメ!

レンタル開始済み

アステロイド・シティ:×

 豪華キャストも可能性があるとすれば美術賞。

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー:○

 長編アニメーション映画賞の候補はほぼ確実。でも受賞はなさそう。
 よく考えればこれも日本関連作品。

すずめの戸締まり:×

 何気なくゴールデングローブ賞とサテライト賞の候補に上がっていますが、『ウィッシュ』を蹴落とすほどの勢いはなさそう。
 公開日も早すぎましたね。

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース:◎

 長編アニメーション映画賞の本命。
 続編で、途中で終わってるのに高評価のお化け映画。おそらくこの続編は受賞確実なので、宮崎駿監督に華を持たせたいと思う会員は少なくなさそう。

バービー:◎

 『オッペンハイマー』かこの『バービー』が第96回の本命で、どちらかが対抗馬。
 日本で検索しちゃうとフォーリンラブしちゃうのがSEO的に微妙だったかもしれない。

ブラックベリー:×

 ひっそりとレンタルリリースされてました。
 日本語版予告すらなくて、気づいていないひとが多い気がする。

マイ・エレメント:○

 こちらはディズニーじゃなくて、ピクサー。
 ピクサーは大外しがなくてほんとにすごい。ジョブズすごい。

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE:▲

 こちらもゴジラのライバル。作品評価はゴジラの方が断然上。
 トム・クルーズは『マグノリア』で獲れなかったことで完全にアカデミー賞は諦め、エンタメ街道まっしぐら。
 でもファンはトムにアカデミー賞獲ってほしいのよね。

ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!:▲

 ミュータント・タートルズって北米では根強く人気があるのだけれど、チョコレートブラウニーや激甘のカップケーキみたいに日本人にはなじめないもの、という分類をしています。
 観ればそれなりに楽しめるんだけど、自分では買わないというか。

シアター・キャンプ:×

 試写にご招待いただきました。
 悪い作品ではないのですが、キャストがいかんせん地味すぎます。

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン:◎

 作品賞も狙える位置。

後編予告

 明日公開予定の後編では、見放題配信/公開予定/公開未定作品を紹介する予定です。

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