【カンヌ映画祭2024】パルム・ドールは"Anora"に/めちゃくちゃ外した
第77回カンヌ国際映画祭が閉幕、最高賞のパルム・ドールは、ショーン・ベイカー監督の"Anora"が受賞しました。おめでとうございます!
早速ですが振り返っていきましょう。
やっぱり星取表一位の作品はパルム・ドールは穫れない
星取表は当てにならないという記事を書きましたが、最も星を獲得した"The Seed of the Sacred Fig"(モハマド・ラスロフ監督)はパルム・ドールを受賞できませんでした。
このScreen Internationalの星取表は12の選者が星をつけるわけですが、星取表にも"Average"とあるようにあくまで平均でしかないわけです。
カンヌ映画祭は審査員団による選出ですし、アカデミー賞などと違い、審査員長がいますから、個人の嗜好はかなり反映されるはずです。
そのように考えると、やはり今後も星取表トップの作品がパルム・ドールを受賞する可能性はとても低いと言っていいと思います。
四ツ星を獲った作品の受賞率は7割超え
一方で四ツ星を獲得した作品で受賞を逃したのは"Caught by the Tides"(ジャ・ジャンクー監督)と"Parthenope"(パオロ・ソレンティーノ監督)だけでした。
カンヌ映画祭は各賞の重複がありません。なのでアカデミー賞のように1作品で複数部門を制することはありません。
四ツ星を獲得した作品は何らかの受賞をする可能性は高いと言えるでしょう。(逆に獲得していない作品の受賞確率はかなり低い)
RottenTomatoes
受賞作品のRottenTomatoesの数字も見てみましょう。
どれも80%以上で、スコアは7.00以上となっています。
過去10年のパルム・ドールは、RottenTometoesのパーセントは85%以上かつスコアが7以上(過去10年で『逆転のトライアングル』のみ59%で6.9すスコア)でしたので、それがまた証明された形になります。
今後の賞レースの可能性は…?
それでは最後に今後の賞レース参戦の可能性を見ていきましょう。
作品賞
2回連続でアカデミー賞作品賞のノミネートを獲得しているパルム・ドール。"Anora"が候補に上がる可能性は高い。
前回はグランプリの『関心領域』も作品賞にノミネート。"All We Imagine as Light"も可能性あり。
"The Substance"は興行成績次第
監督賞
ショーン・ベイカー監督は『フロリダ・プロジェクト』の余韻もあり、ノミネートの可能性は非常に高い。
モハマド・ラスロフ監督は、国際映画賞の候補に上がれば可能性が出てくる。
パヤル・カパディア監督、コラリー・ファルジャ監督は(こういうことあまり言いたくないけれど)女性枠を狙う
主演女優賞
受賞は逃したが、カンヌで一番の話題をさらったのは明らかにデミ・ムーア。アカデミー賞は復活劇が大好き。興行成績次第でトップコンテンダーへ。
トランスジェンダーの女優としてはじめて女優賞を受賞したカルラ・ソフィア・ガスコンも可能性あり。『ナチュラルウーマン』のダニエラ・ベガも候補まであと一歩だった?
主演男優賞
チャンスなし
助演女優賞
仲良く受賞した"Emilia Perez"組のセレーナ・ゴメス、ゾーイ・サルダナ、アドリアナ・パズの3人はスターパワーが強み。興行成績次第で可能性も。
デミ・ムーアの片割れを演じたマーガレット・クアリーもチャンスあり。
助演男優賞
『憐れみの3章』のジェシー・プレモンスはトップコンテンダーへ。嫁のキルスティン・ダンストも『CIVIL WAR』のヒットで絶好調
脚本賞
RottenTomatoesのスコアも高い、"Anora"、"The Substance"はその可能性あり。
"All We Imagine as Light"、"The Seed of the Sacred Fig"は非英語のため、他部門のノミネート次第。
国際映画賞
"All We Imagine as Light"と"The Seed of the Sacred Fig"はトップコンテンダーへ。
"Emilia Perez"と『グランド・ツアー』も可能性がありそうだが…。
本日のドレス:レジーナ・キング
助演女優賞獲得後は監督業にも進出し、高評価を獲得。アカデミー賞のホストも務め、アフリカ系アメリカ人の女優としてはひとつ抜きん出た存在に。
ガッツリスリットの入ったドレスはドルガバ。(★★☆)
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