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戦争は不幸の連鎖…。はじめてのベトナム ホーチミンの戦争証跡博物館に行ってきました。

ロシアのウクライナ侵攻によって戦争が世界的に注目されています。日本でもその影響で広島の原爆ドーム、広島平和記念資料館には国内外問わず数多くの人が訪れているそうです。
僕も戦争は遠い存在ではなくすぐそばで、身近に起きるものなんだ。と最近実感しました。
今回はそんな戦争にまつわるお話です。ベトナムのホーチミン旅行で戦争証跡博物館に行ってきたので感想をまとめました。


戦争証跡博物館とは?

ベトナムのホーチミンにあるWar Remnants Museum (ベトナム戦争証跡博物館)はベトナム・ホーチミン市の3区にある、ベトナム戦争の歴史を綴る博物館です。
3階建ての展示館が中心となっており、敷地内にはベトナム戦争で使用された戦闘機や戦車の野外展示の他、コンソン島刑務所の牢獄を再現した建物や売店が存在。展示館の屋内には、大砲や爆弾などの遺物、当時の報道写真などの戦争の足跡をたどる各種記録が展示されている。他にも戦後のものとして枯葉剤の犠牲となった人々の写真や、世界中から集められた反戦ポスターを展示する児童向けのコーナーも存在する。

Wikipediaより

戦争証跡博物館では日本語ガイドを借りることができる

戦争証跡博物館では基本的にベトナム語、英語でしか文字が書いてありません。なので日本人で日本語で知りたいという方にはガイドが必要です。
日本語の音声ガイドは入り口すぐのカウンターで受け取ることができます。ここでは身分証明が必要です。紛失した場合にこの身分証が必要なので、カウンターで一時的に預けることになります。
僕はパスポートのコピーを持参していたのでこちらを渡しました。

生々しい写真と記録で気分が悪くなってしまう

戦争の記録が細かく、また生々しく写真に残されています。アメリカによる介入でそこまでやる必要があったのか…?というものまでたくさん展示されています。
戦争によって一般市民が殺害されたり、虐げられたり、不必要な拷問の様子。すべてが写真として残っていたり、書記に残されています。
その一つひとつを読めば読むほど、胸が苦しくなり…時には生々しすぎた結果吐き気まで…。
近くで見ていた白人の女性も途中でダウンし、椅子に座り込んですすり泣いていました。
僕も途中で気分が悪いのと、胸がいっぱいな気持ちだったのでトイレに行くと同じようにぐったりした様子の男性が何人か居ました。
これがまだ50年くらい前の話なんだと思うと信じられません。まだ戦争を生き抜いた人もいるということです…。

枯葉剤の影響は今もなおベトナム人を苦しめている

中でも一番衝撃を受けるのは枯葉剤の影響でしょう。
僕も除草剤くらいに思っていましたが、これはとても強力で今もなおベトナムに大きな爪痕を残しています。
枯葉剤を使うことでベトナムのジャングルを丸裸にしてしまおう!とアメリカが実行したものです。
それはきれいなマングローブの森を枯らしてしまい、この影響は未だに続いていて元通りになるには1世紀以上かかるそうです。
また、恐ろしいのはここからです。
ダイオキシンを含む枯葉剤は人体に入ってしまいます。
その結果、奇形児が数多く生まれてしまうことになりました。体が繋がった赤ちゃん。生まれながらに足も不自由な人。とにかくどれも写真で見ると衝撃的で胸がしめつけられるようでした。
しかも、それが今もなおベトナム人の体に残っているのです。
ダイオキシンは1500度で加熱してようやく浄化できます…。ということは生きる人にとっては死を意味します。
しかももっと恐ろしいのがこのダイオキシンは子孫にも受け継がれてしまうのです。とんでもない大きな傷跡が今もなお残っています。
戦争がいかにおろかで傲慢な行為なのかを改めて実感しました。

最後のほうは見るのがつらくてガイドをスキップしてしまいました

枯葉剤の影響を展示しているコーナーは写真や模型が生々しくて信じられなくて音声ガイドも聞いてられませんでした。
皮膚がただれた子、体が生まれながらにして不自由な子ども、どの子も何の罪もなく生まれた命であるにも関わらず戦争の傷跡を背負っているのです。
どうやっても戦争を美化できません。
今もなおベトナムにはそういった戦争の傷跡を背負った人が生き抜いているのです。
この展示のエリアはとてもつらく、音声ガイドをストップしてしまいました。もう写真だけで十分です。聞いてられませんでした。

外にはもっと恐ろしいものが…

Tiger Cage

すっかり気分が悪くなってしまい、体調が悪くなってしまいました。なので、展示をいったん見るのをやめて水を買って休憩しました。
そこから外にある戦闘機などの展示を見ていると右側に何やら建物(Tger Cage)があったので入ってみると…
当時のベトナム人を閉じ込めていた施設などが展示されていました。
ここはすごく恐ろしかったです。もちろん今は誰も収容されていませんが、なんだかそこにはなにかを感じます。
ベトナムのホーチミンはとても暑い日だったのに、ここは外でもあるにも関わらずひんやりしています。
劣悪な環境で亡くなってしまったベトナム人の方々のご冥福をお祈りします。こんなひどい戦争は二度と起こすべきではありません。

戦争はそんなに遠い昔の話ではないし、明日にも日本に起きないとも限らない話

日本人は島国であり、日本はずっと日本という国です。歴史もかなり長く他の陸続きの国とは大きくことなります。
その分平和ぼけしてると言われることもあります。
僕も実際に戦争の歴史を知ったり、今もなお起きている戦争、紛争を見るたびにそう感じます。
戦争ってなんとなく、普通に生きてると大昔の話で自分には関係ないもの。だけど怖いもの。みたいなイメージを持っていました。
しかし、戦争は今も起きているし日本にもいつそのときが来るかはわかりません。
しかも我が国は基本的には自衛するのみで、武器を持ちません。市民が兵器や武器を使うことはありません。
そんな日本がいつ、戦争に巻き込まれるかはわかりません。
100年あれば何度も戦争が起きているんです。
今日、今の平和を本当に噛み締めたいなって思いました。
まずは戦争で家族を亡くされた方、戦争で命を落としてしまった方のご冥福をお祈りします。
これからのベトナムが、幸せが、続きますようにお祈りしています。


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