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【著者が語る】書籍「今と未来がわかる半導体」ができるまで

2024年1月にナツメ社から「今と未来がわかる半導体」を出版しましたずーぼと申します。出版を経験できるなんて当然ですが初めてで、今回は貴重な経験をさせていただきました。

半導体に興味関心がある学生さんやビジネスマン向けに、半導体の基礎やさまざまなデバイスの種類、半導体のつくり方、市場と関連する企業について等々基本的なことを網羅的に書きましたので、是非とも手に取っていただけますと嬉しいです。

瞬間最大風速ですが、電気工学部門の売れ筋ランキング1位にもなっていました。

このnoteでは、執筆依頼のお話を受けてから、実際に出版されるまで1年ほどの経緯について感想を交えながら書いていきます。

まずは私のことをご存じない多くの方のための自己紹介と関連リンクです。
詳しい自己紹介はこちらをどうぞ。

・国内企業に勤める半導体プロセスエンジニア
・半導体業界に関する情報発信を実施中
ブログは全68記事、月間約2万pv
(22年2月から運営)
YouTubeの動画は全69本、登録者約15,000人
(22年3月から運営)
X(旧Twitter)のフォロワー数約4,200人
(22年2月から運営)

数字はいずれも2024年1月時点

ではさっそく参りましょう!


出版依頼の連絡

今回の出版は、2022年12月9日に届いたメールから始まりました。そもそも出版なんて1mmも考えていませんでしたし、まさかここから足かけ1年原稿と悪戦苦闘するとは予想しておりませんでした。

メールはブログの問合せからいただきました。
最初にメールを読んだ感想は、

「本当ですか!?私で大丈夫ですか?」
「これって新手の詐欺ですか!?」

という気持ちでした。
嬉しい反面、半信半疑で信じられないのが率直な感想でした。

そして恐る恐るですが、まずは話を聞いてみるために返信をして翌週にZoomで経緯や内容を教えてもらいました。その結果は以下の通りです。

  • 企画は決まっており、著者を探している

  • 私自身はブログとYouTubeで見つけた

  • 原稿をすべて書いてほしい

  • 図解はイメージを伝えたら、編集サイドで作る

内容は概ね理解できました。そして一番気になっていた点である著者名についても確認をしました。実名を出すことが必須であるならば、お断りをしようと考えていたためです。
その結果は、「ずーぼ」というふざけた名前であっても、ブロガー&YouTuberが出版ということで特に問題ないということでした。むしろ、実名でなくて大丈夫ですか?と心配をされました。

ただ説明された内容は理解したものの、いかんせん経験のないことですので、だれかに相談をしたいと考え、私が所属しているブログのオンラインサロンであるABCオンラインの主催者で著書が2冊あるヒトデさんにご相談をしました。

その結果としては、「時間がかかるため大変だけど、デメリットはないのではないか」ということでしたので、お受けする旨を編集者さんへ連絡しました。

そして編集者さんから出版社さんへ確認してもらい、正式にゴーがかかりました。

全体構成の検討

まず最初に取り掛かったのが全体構成の検討です。これは要するに書籍の目次作成です。

構成案を考えて、編集者さんと打合せをして構成案を再考して、編集者さんが出版社と確認して仮の合意を得ました。この時、2022年の年末目前でした。

当初の構成案抜粋
(この後かなり変わりました)

この作業はブログのサイト設計が大いに役立ちました。一部はある程度そのまま流用できましたので、割と短時間で作製できたと思っています。

最終的に各章は以下のような構成となりました。

序章:半導体の世界へようこそ
1章:半導体の基本
2章:半導体のしくみ
3章:半導体のつくり方
4章:半導体業界を探る
5章:半導体の最新事情
6章:半導体の歴史と未来

原稿執筆開始

2023年1月1日。
元旦から原稿作成を開始しました。

別に元旦から書く必要性はありませんが、新年の気持ちを新たに書き始めたということです。

ただし、さっそく壁にぶち当たりました。
どういった感じで書いたらいいのかがよくわからないため、書いては消して、書いては消してという悪循環に陥りました。

加えて1章から書き始めたのですが、1章では「半導体の基本」ということで、かなり教科書的な内容を取り上げていますので、わかりやすく書くということが非常に難しかったです。

どこまで説明して、どこは削るのか、悩ましい日々が続きました。

参考として類書を何冊も読み返して、少しずつ書いていくことができました。

とりあえず1章分を2週間程度で書き上げて、編集者さんへ送付してチェックしてもらいました。わかりにくいところ、直すべきところやポイントを伝えてもらい、修正をかけました。

その後は自分が書きやすい順番で各章を書いていきました。

3章⇒5章⇒2章⇒4章⇒6章と順番はバラバラですが、何とか当初の目標であった3月末にいったん原稿を書き上げることができました。

原稿自体はWordで書いていましたので、書籍を書いている実感を持つことはこの段階ではほぼありませんでした。

最初の原稿抜粋

図解の方は、こんなイメージでというものを自分のブログや検索したさまざまな図を載せて編集者さんへ連絡しました。

図解イメージ
(自分のブログから抜粋)

ゲラチェック開始

ゲラとはゲラ刷り(校正紙)のことです。
編集者さんが書籍の見開きページになったPDFデータをゲラと呼ばれていました。

初期のゲラ
(この後かなり修正が入りました)

最初に1章分のゲラをみたときは、Wordの文章がかなり書籍に近づいたと思って少し感動しました。

ただ、ここから各章のゲラチェックとして編集者さんや出版社さん側からの確認や質問、リクエストがあり、チェックして修正用の文言を考えて直して返送してということを全体で3周行いました。

これもなかなか大変で、原稿が書き上げた時点で結構進んだと思っていましたが、全然そんなことはなく、ゲラチェックの繰り返しの方が今から思えば大変でした。

誤記や誤字についても何度もチェックしましたが、自分では気が付かない部分が必ずあると思いますので、何かみつけた方はご連絡いただきたいです。

日程感として原稿を書き上げてから期間が少し空き、6月末に初めてのゲラを受け取りました。
1週目のゲラチェックが終わったのが8月から9月にかけて。
そして2周目を10月に実施、3周目が終わったのが11月中旬でした。

さらに「はじめに」の部分や「著者紹介」の部分も書いたり、案をチェックしたりしました。カバーイラストは一切かかわっていませんが、いい感じで作成していただきました。

11月末が印刷所にデータを入れる〆切ということで、最終のチェックをして、ようやくここで完了となりました。
長かったですが、達成感は半端なかったです。

現物が手元に、そして店頭に

書籍の発売日は、出版社であるナツメ社のページでは2024年1月16日となっています。ただAmazonでは2024年1月18日です。この違いは何かよくわかりませんが、ちょうどのその間の1月17日に出版社から献本として現物が届きました。

これまでPDFではさんざんみてきましたが、実際に現物を手に取ることができて感動しました。

さらに翌日に自宅近くの書店へ行ってみますと、店頭に置いてあり、ここでも感動しました。まわりに人がいましたので、写真を撮るのはやめておきましたが、だれか購入してくれないかなと思い眺めていました(私が眺めている間に購入はされませんでした・・・)。

Amazonのレビューもさっそく付いており、大変ありがたいコメントをいただきました。著者冥利に尽きます。

気になる報酬は?

ここまでお読みいただきありがとうございます。
報酬の部分については、大した金額ではありませんが有料とさせて下さい。出版のお祝いとして購入いただけますと、非常に喜びます。
よろしくお願いします。

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