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ペットを飼ってみたら、人生が豊かになった。

 4ヶ月前からデグーを飼い始めた。

 自分は性格がずぼらなので、ペットの世話など出来る自信が無く、ペットなんて一生飼わないものだと思っていた。

 だが、去年の夏に子供達と一緒に田んぼの用水路で拾ったフナやらタナゴ、カニ、エビなどの世話をするうちに、もしかして自分は動物の世話もできるのではないか?と思えてきたのだった。

 そう思えてくると、チャレンジしたくなる気持ちが出てきた。怖い気持ちもあったが、アクアリウムの経験から大丈夫だろうという気持ちの方が大きかった。アクアリウムは、環境さえ作ってしまえばあとは割と暇というか、やることが大して無いので最近はすっかり退屈してしまっていたというのもある。

 当初は小動物定番のハムスターかうさぎを飼う予定だった。犬猫は住宅環境的に飼えないので、必然的に選ぶのは小さい生き物になる。

 しかし、いざペットショップに行くと、息子がデグーをずいぶん気に入ってしまったらしく、ハムスターやうさぎを飼う線は無くなった。
 『デグー以外は飼いたくない』とまで言うし、ケージの前から離れようとしない。

 デグーについて、見たことも聞いたこともなかった私は、すぐにスマホで検索した。
 世話はうさぎなどとほぼ変わらず飼いやすい上、人間の3歳児程度の知能を持ち、芸も覚え、懷く……複数のサイトを見てデグーの特徴を知った結果、すっかり私もその気になってしまい、近隣のデグーを取り扱うペットショップを複数見て比べ、その日のうちに生後一ヶ月のメスのデグーを購入した。


 最初はデグーも私も環境に慣れないから、ステップ台の位置や、寝床の試行錯誤が多かった。あとはケージをかじってしまうので、ケージかじりの対策。ケージ内が今のレイアウトに決まるまで、1ヶ月半は格闘したと思う。

 餌なり環境なりを個体に合わせてカスタムする作業はまるで人間の赤ちゃんを育てているようで、非常にやりがいがあり、楽しい。
 よく、ペットと子供は違うなどと言うが、しっかり世話をしている人にとっては、案外そうでもないのではないかなんて思ってしまう。

 デグーは『アンデスの歌うネズミ』と言われているぐらい、鳴き声の種類が豊富な生き物だ。15種類ほどあるらしい。
 https://pet-tan.com/archives/2400

 私が近付くと、嬉しいのかピピピと小鳥のような声で鳴き、寂しい時はキュゥ〜キュゥ〜と鳴く。興奮している時はプー!プー!と鳴く。警戒している時はキッキッキと鳴く。めちゃくちゃかわいい。

 デグーはマッサージされることを好む。マッサージされた時の気持ちよさそうなニヤケ顔は、他の動物にはないような魅力がある。

こんなふうに。

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 飼い始めてまだ4ヶ月だが、すでにこの愛デグーがいない生活は想像できないし、したくない。
 最近は外で散歩している犬を見ると家のデグーもこれぐらい大きければ散歩が出来るのかな…と思ったりする。

 いくら懐いていても、小さい生き物なので、踏んでしまったり、いなくなってしまうような事故はつきものだ。デグーはほぼ部屋んぽ(部屋散歩)必須のペットだが、事故防止のため我が家ではジャンプして届かないような広めのサークルを用意し、その中で遊ばせたり、砂浴びをさせたりする。
 芸を覚えさせるのもサークルの中だ。今のところ、輪くぐりと回転、お手、指定した容れ物に入ることが出来る。あとは『フォージング・トイ』と呼ばれる、餌探しのための知育おもちゃで遊んだりする。

 うちのデグーは非常に人懐っこい。私がケージの前にいると身体全体をケージに押し当て、早く触ってというアピールをしてくる。

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 ここまで人懐っこく、スキンシップを好む生き物なのに、小さいからって、ケージから出してずっとモフモフ出来ないなんて…!と思ってしまう。
 うちのデグーの場合、ケージ外では基本トイレをしないので、余計にそう思ってしまうのかもしれない。

 デグーが犬猫だったら良かったのにと思うが、それはもう犬猫だ。


 ペットを飼って本当に良かったなと思うことは、外でどんなに嫌なことがあっても、『まあ家には可愛いデグーがいるんですけどね』と思えるようになったことだ。実際、どれだけしんどい気持ちになっても、デグーとスキンシップを取っている間はなにもかもがどうでもよくなってくる。
 
 ペットをずっと飼っている人の気持ちが中年になってやっと分かってしまった。もちろんペットに対する感情の重さ・癒やされ方は人によって違うと思うが、こんなにストレス軽減効果があったとは驚きだ。自分がそういう癒やされ方をする人間だとは想像もつかなかった。動物のことは人並みには好きだが、特段好きというわけでもない、そんな人間が。
 人生、やらなければ分からないことが山ほどある。

 デグーの部屋んぽや、ほぼ毎日行うケージの清掃については、大変だとは思わない。子供の世話と同じで、しない選択が無いからだ。やっぱり、ペットと子供は私にとって似た存在のようだ。どちらも、そこまで好きではないはずだったのに、実際に育てると、かけがえのない存在になった。

 デグーの寿命は6~8年ほどらしいが、今からペットロスが心配である。

 では、また。

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