認知症ケアに効果的な回想法

回想法とは、アメリカの精神科医によって1960年代に提唱された心理療法です。内容は、患者に昔の出来事や思い出などを話してもらうというシンプルなもので、認知症の患者に対して効果が認められている手法でもあります。

昔のことはよく覚えている、という認知症患者の特徴を活かして開発された治療法であり、大切なのは思い出すだけではなくそれらを話すことです。なぜなら、思い出すという行為だけでも脳の血流は増加し、話すという行為でさらに脳に良い刺激を与え、認知症の進行を遅らせることが期待できるためです。さらに、認知症の予防にも役立つため、薬物を使用しない治療法としてもおすすめの認知症ケアなのです。

なお、回想法にはグループで行うものと個人で行う2つのパターンがあります。グループでは10人弱の人数を揃え、「子供の頃の遊び」などのテーマを決めて話をしてもらいます。この時、事前にメンバーの情報や性格などを把握して、メンバー同士が言い争うことの無いように人選を行うことも大切です。

個人で行う時は、グループと同じようにテーマを決めることもありますが、普段の会話から始めることもできます。注意点は話を遮ったり否定をしないことで、スタッフには患者の話をしっかりと聞く姿勢が求められます。また、回想法を行う時には昔の写真や思い出の品、音楽などを用意するのも効果的です。

回想法は良い思い出について話してもらうため、患者の心理状態も落ち着き、コミュニケーションも円滑になるというメリットもあります。回想法の参考サイトを紹介しておくので、確認してみてください。⇒http://kaisoho-chikara.com