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コピーが上手くなるラジオ「コピウマ」#1 キャッチコピーとはどんな言葉?

ポッドキャスト「コピーが上手くなるラジオ コピウマ」キャッチコピー編①の文字起こしです。音源は、stand.fmSpotifyApple Podcastsから聴くことができます。


横田:この番組では、現役のコピーライターがコピーライティングや取材などの技術論、 企画を考える上での発想法、言葉を扱う仕事の面白さや難しさなど、コピーや言葉にまつわるお話をしていきます。

今月のテーマはキャッチコピーです。今回はコピーとはどんな言葉かというお話をしていきたいと思います。ところで、うのりなさん。

うのりな:はい。
 
横田:日本最初のコピーライターって誰だか知っていますか?

うのりな:あ、わかります!

横田:はい。

うのりな:わかります!あの…わかります(笑)
 
横田:はい(笑)
 
うのりな:平賀源内さん!

横田:ピンポンピンポン、正解です。


横田:では、平賀源内が書いたコピーってどんなものだったかわかりますか?

うのりな:私、1つしか知らないですけど。土用のうしの…ウナギの日?ウナギの日は?土用の日はウナギを食べよう?

横田:(笑)まとめて?

うのりな:土用の丑の日!

横田:ピンポ〜ン、正解です。そうね、「土用の丑の日」でウナギを食べましょうということですね。今でこそウナギというと夏の食べ物というイメージがありますが、本来、ウナギの旬っていうのは秋から冬なんです。なので、夏は味が落ちるんですね。

うのりな:へ〜!知らなかったです。

横田:そこで、夏に売り上げがなかなか伸びないウナギ屋さんが、平賀源内に何か知恵はないですかっていう相談をしたところ、 「『本日、丑の日』という張り紙を出しなさい」というアドバイスをしたそうです(諸説あり)。

横田:元々、丑の日っていうのは「う」の字がつくものを食べると夏に負けない、夏バテしないという風習があったので、ウナギを食べようというキャンペーンを作ったわけですね。ウナギでなくても、梅干しとか、うどんとか、瓜とか、なんでもよかったんですけど、そこに「う」でウナギを付け加えたということですね。


横田:で、これが日本で最初のキャッチコピーだとするじゃないですか。

うのりな:はい。

横田:「本日、丑の日」ってキャッチーな言葉ですか?

うのりな:いや…キャッチーかと言われるとキャッチーではないと思います。
 
横田:そうですね、平易な言葉ですね。ただ、ウナギ屋さんの店頭にその言葉が貼ってあったことで「丑の日にウナギを食べよう」というところが結びついて1つのアイデアになり、1つのセールスプロモーションになる。そういうわけですね。

うのりな:はい。
 
横田:ここから分かることは、コピーとはキャッチーな言葉とかインパクトのある言葉みたいに言われる節があると思うんですけど、実はそうではなくて。普段使っている言葉や文章となにが違うかというと、課題を解決する言葉。これがコピーなんです。


うのりな:課題を解決する言葉。

横田:はい。平賀源内は夏にウナギがなかなか売れない、ウナギを食べてもらえないっていう課題を、「本日、丑の日」という言葉で解決した。だからこれはキャッチコピーだという風に言われるようになったわけですね。

うのりな:なるほど。
 
横田:ちなみに、平賀源内って発明家のイメージが強いじゃないですか?
 
うのりな:はい。
 
横田:でも、発明家に限らずお医者さんとか、学者とか、俳人とか、あとは浄瑠璃の作者という顔も持っていたそうですよ。

うのりな:え〜!多彩ですね。

横田:多彩だし、いろんなアイデアを持っている人、 いろんな面白いことを考えてくれる人。だから、コピーライターっていう仕事はその時代にはなかったと思うんですけど、ウナギ屋さんも誰に相談しようかって考えた時に平賀源内を選んだんでしょうかね。
 
うのりな:う〜ん、なるほど。

横田:というわけでですね、この「本日、丑の日」は当時のウナギ屋さんの課題を解決しただけではなく、令和の時代を生きる私たちにもその習慣が続いているという点で効果的なキャッチコピーだと言えるのではないでしょうか。今回は、「コピーとはどんな言葉か」というお話をしました。


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