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超動くマンカラ(6)~2種類の石を使うマンカラのゲームルール『Floaters(仮)』を考えてみる

前回の超動くマンカラはこちら。

しばらく、ボードゲーム方面の話題から遠ざかっていたので、今回は真正面に取り組みます。

複数種類の石のマンカラ

マンカラで遊ぶ時、ほとんどのルールは使用する石には区別なく1種類として扱っています。
石に区別をつけて複数種類に分けているルールは、最近になってちらほらとあります。
BoardgamegeekやMancala Worldをみると、『The Glass Bead Game』があります。

製品化はされていませんが、米国雑誌『GAMES Magazine』に掲載(1986年)されています。

『The Glass Bead Game』がどのようなゲームなのかは、また別の機会にnoteにして紹介したいと思います。

2種類の石を使うマンカラを考える

今回は、2種類の石(今回は「黒」と「赤」)を使います。
2人対戦で、それぞれのプレイヤーが1種類の石を受け持ちます。
現在、1番流布している「マンカラ・カラハ」の6穴が2列+両端に大穴の盤面を使います。
石は、それぞれ24個ずつ。
ゲーム開始の配置も「マンカラ・カラハ」にならい、盤面の列ごとに同じ種類の石を各穴に4個ずつ置きます。

ゲームルールですが、「マンカラ・カラハ」に収録されている「ベーシック」を元にします。
このルールの目的は、「自分の側にある手前の穴6個全てから石を失くす」です。
「カラハ」のルールだと、石を得点として計算する手間がありますが、上のルールだと盤面の状況だけで判断できます。

赤の石のプレイヤーは、赤点線で囲った6個の穴から
赤の石をすべて移動させてなくします。
黒の石のプレイヤーは、黒点線で囲った6個の穴から
同じようになくします。

プレイヤーは先攻後攻を決めて、交互にアクションを行います。
手番のプレイヤーは、自分の側にある手前の穴6個から1個以上石のある穴から(赤も黒も)すべての石を取り、通常のマンカラと同様に反時計回りで穴もしくは大穴1つに石1個を播きます(置きます)。
播く石は、手持ちにあればプレイヤーの意思で赤・黒どちらも選べます。

青の矢印の向きに、石を撒いていきます。
両端の2つの大穴にも石を撒いてきます
(「カラハ」はプレイヤーの右側の大穴のみ
播くので、異なります)。

石を播くことを「ラップ」ともいいます。
「ラップ」を終えて、最後に石を撒いた穴の状態で、以下のように手番が終了したり、追加の「ラップ」を行います。

0)最後に石を撒いた穴が、大穴の場合:
 手番が終了します。

赤(下側プレイヤー)の手番。
赤4個ある穴から「ラップ」を終えた状態。

1)自分の石の数が、相手の石の数よりも多い場合:
 手番が終了します。

赤(下側プレイヤー)の手番。
赤4個ある穴から「ラップ」を終えた状態。
最後に石を撒いた穴は、
自分の石が5個、相手の石が0個。
手番が終わります。

2)1)自分の石の数と相手の石の数が、同じ場合:
 その穴の石をすべて盤面から除外します(大穴に入れます)。

黒(上側プレイヤー)の手番です。
赤3個黒1個石のある穴から、
黒・赤・赤・赤と石を蒔きます。
「ラップ」終了後。
最後に撒いた穴には、赤2個黒2個の石があります。
赤・黒ともに同数なので、
穴にある4個の石が盤外から除外されます。
黒の手番は終了します。

3)自分の石の数が、相手の石の数よりも少ない場合:
 最後に石を撒いた穴から、再度「ラップ」を行います。「ラップ」が終了したら、最後に撒いた穴の状態をみて、同様に手番を終了したり追加「ラップ」を行います。

赤(下側プレイヤー)の手番。
赤4個ある穴から「ラップ」を終えた状態。
最後に石を撒いた穴は、自分の石が1個、相手の石が4個。
追加「ラップ」になります。
赤の追加「ラップ」。
赤1個黒4個の石を黒・黒・黒・赤・黒と撒いて
「ラップ」を終えた状態。
最後に石を撒いた穴は、自分の石が4個、相手の石が1個。
手番が終了します。

ゲームの勝敗は、手番が完全に終了した時点で判定します。
「ラップ」を終えた状態で、自分の側にある穴6個に自分の色の石がなくなっても、追加「ラップ」ができる場合は、ゲームが終了しません。

【ゲーム勝敗間近の例】

黒(上側プレイヤー)の手番。
赤1個黒1個の石のある穴から
赤・黒と播きます。
最後の石は大穴に撒いて、手番終了。
黒の側の穴6個には黒石がなくなったので、
黒の勝ちです。


これ、面白いの?

あまりダラダラとプレイ時間や手数が長くならないように、ルールを考えてみました。
自分の側の穴から石をなくすには、
1)大穴に自分の石をいれて、盤外から除外する。
2)相手の側の穴へ自分を石を動かして、自分の側の穴から追い出す。
2つの方針があります。

1)の方針は、1手番に除外できる石の数は多くありません。
2)の方針は、1手番で多数の自分の石を追い出すことができます。

ただし、互いの石が同数だとすべて除外できる場合を考えると、自分の側の穴で除外できたほうが得です。

黒点線囲った穴から赤2個黒2個除外すると、
黒(上側プレイヤー)は、自分の側の穴から自分の石が2個なくなるので、得。
赤(下側プレイヤー)は、自分の側の穴から石が減らないので、損得なし。
結果、黒の得。


是非、プレイしていただいて感想をいただけるとうれしいです(先手必勝なのか後手必勝なのかは、わかりません)。

なぜ「Floaters(仮)」?

さて、このマンカラルールの名称をどうするか。
色々考えて仮称ですが「Floaters(フローターズ)」とします。

floaterには「浮遊物」「いかだ」「救命具」などの意味がありますが、疾病名としてつかわれる「飛蚊症(ひぶんしょう)」もあります。

私事ですが、おおよそ1ヶ月半前に「飛蚊症」になりまして、現在も左目に小エビ状のデカい奴が、視界のど真ん中をフラフラしております。
慣れましたがうっとうしいったらありゃしない。
そんな経験もあり、石の飛び交う様相と重なってしまったので名付けます。
右目左目どころか14個の目(穴・大穴)を飛び回りますが。

みなさん。
とっと蚊(石)を追い出してください。

次回もよろしくおねがいします。
では。

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