□□□とボードゲーム(0.9)〜「アーティストは技術者」の再認識
前回の記事はこちら。
いつもとは違う傾向の記事で、タグに「書籍」を加えたこともあったのか、普段よりも「♡」が素早く多くいただきました。
ありがとうございます。
こちらとしては照れることくらいしかできません。
なかなか本題に入らない「□□□とボードゲーム」ですが、今回も寄り道な話となります。
祝物由来のダイヤモンド
Google⇒Toggeter経由で、こんなXのポストを見かけました。
Toggeterはこちら。
Xの写真のガードマンの格好をした人こそ、本作品「植物からつくったダイヤ」の制作者である中村暖(なかむら だん)さん(当時、東京藝術大学大学院2年生)です。
この作品について詳しく書いているXのポストはこちら。
ざっとかいつまみつつまとめると、
◯ダイヤモンドといいつつ、炭素をメインとしていない分子構成
◯その化学式は非公開
◯どちらかといえばアクリル樹脂やプラスチック寄りのいいビミョーさ
◯透明度や硬さを出すために、いろいろとやって2年間試行錯誤した
◯土に埋めると約7ヶ月で土に分解しはじめる(多分、バクテリアとかが食べちゃう)
◯要するに「永遠に輝かないダイヤモンド」というアンビバレンツな存在
です。
とまあ、面白い話題だなあと読み漁ったのですが、やはり疑問が湧くのですね。
新素材をつくるって、
芸術というよりも
もはや化学とか工学の分野じゃないか
と。
アーティストというサブジャンル
とまあ一旦否定してみたわけですが、もうちょっと考えてみると、塩梅のいいのがありました。
陶芸家です。
新素材はいってみれば土探しや土作り。
作品の形成は、ろくろや焼きの作業。
それになにより、思い通りに作れるわけではなく、環境や気候、温度や状態の無数の条件が重なりに重なって、結果唯一無二の再現複製困難な作品が創成します。
曜変天目茶碗が代表例でしょう。
「植物由来のダイヤモンド」もまた、現時点では量産できるわけでもなく、創成までに様々な不確定要素が入り込んでくるでしょうから、そりゃもうやってることは陶芸でしょう。
中村さんの作品の記事を読んだことで、気づきました。
アーテイストは技術者のサブジャンル
ですね。
そもそも「Art(アート)」の語源が「技術」や「技能」の意味を持つラテン語の「Ars(アルス)」なので、再認識です。
モダニズム
美術関係の本をちびちびとかじり読みしておりますが、ボードゲーム的に注目したいのは、19世紀後半のモダニズムです。
前回紹介した『美学の数理』も、印象主義・表現主義を取り上げていたのでモダニズムにかかってきます。
個人的な仮説ですが、
モダニズムはアーティストの役割が
大転換したイベント
と考えました。
モダニズム前後のアーティストに多大な影響を与えた出来事として、
◯カメラ(写真機)の発達
模写の技術に取って代わる技術の改良・躍進。
カメラの持つ精密さと異なる技術の開拓・発展を見出さないと、お払い箱の危機。
◯産業革命
大量生産により、味気ない地味な製品しか作らなくなる。
そこにデザイン(意匠)を施すロールを見出す(代表者はウィリアム・モリス)。
アーティストはデザイナーとして活動場所を転身・拡大する。
があるかなと。
特に、アーティストという技術者が、そのまま残って技術を磨くか、デザイナーにフィールドを移して技術を磨くか、はっきりではないにしろ大きく分岐しているなあ、と。
その点気になりますので、さらに勉強したいと思いまして、ある本を見つけて読むことにします。
『画商が読み解く 西洋アートのビジネス史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)です。
著者の高橋芳朗さんは、東京京橋にある翠波画廊の画商です。
モダニズムの前後あいだに流行した出来事に、ジャポニスム(日本趣味)があります。
当時数多のアーティスト(1人あげればゴッホとか)が影響を受けました。
とはいえ、アーティストの好みだけでジャポニスムが起きたわけでもなく、それを支えているのは……と考えると、画商だよなと。
そんなわけで、画商の視点からの情報も知りたくなりました。
締め
ということで、今回もボードゲーム関係なく、気になったこと思ったこと考えたことの垂れ流しでございました。
次回はどうしましょ。
違うこと書くかもしれませんが、わかりません。
今後ともよろしくです。
では。
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