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すごい中途半端な時期に、日本未発売のボードゲーム『Einstein: His Amazing Life and Incomparable Science』を紹介してみる。

日本未発売のボードゲームは、そらもうたくさんあります。
珍ぬの今までのnoteでもいくつか紹介しています。

今回紹介するボードゲームは、先月存在を知って取り寄せたものになります。
しかし、本当ならば数ヶ月前に知っておきたかったのです。
というか、だれか紹介してよ、という代物でございます。

では。

そのタイトルじゃ、わからんわ

2017年にKickstater経由で発表されたのが、『Einstein: His Amazing Life and Incomparable Science』。

タイトルを翻訳すると『アインシュタイン:彼の驚くべき人生と比類のない科学』。
プレイヤーは、4つの時代のアインシュタインのうち1人になります。

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左から、青年アインシュタイン(スイス)、壮年アインシュタイン(ドイツ)、世界漫遊アインシュタイン(地球)、賢人アインシュタイン(アメリカ)。
年齢の早い順番にプレイをします。

ゲームのジャンルは「タイルプレイスメント」。
4つの形のタイルを置いていき、条件が揃うと勝利点がもらえます。
勝利点の合計が1番多いアインシュタインが勝ちとなります。

で、そのタイルなんですよ。
今回1番のいじりたおしポイントは。



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ペンローズタイル。

ペンローズタイルのボードゲームがある!……嬉しかったのですが、早く教えろとやり場のない怒りも沸々沸くのですよ。

アインシュタインとペンローズ……つながるかーい。

旬を逃す

というのも、ペンローズタイルの考案者は科学者の(ロジャー・ペンローズ)さん。

2020年ノーベル物理学賞受賞者です。

つまり、2020年10月〜12月が、このゲームを紹介する絶好のタイミングだったのですね。

たとえば、HAL99さんのYoutubeチャンネル「The Game Gallery」とかで見たかった……んだけど、HAL99さんはタイルプレイスメントのゲームが苦手なのでダメだった。

タイルの説明

気を取り直します。
下のリンクは、ペンローズタイルについて、ダイヤモンド・オンラインが書いた記事です。

ペンローズタイルは1972年に考案されました。
来年で50周年。
上の記事では、2つのひし形のタイルのことを指しています。
この2つのタイルで平面を埋め尽くそうとすると、規則性や周期性がバラバラで敷き詰めることができる、という特徴を持っています。

ボードゲームを遊んでいる方ならおわかりでしょうが、ゲームの盤面のマスはたいてい正方形や正六角形で、規則的・周期的に敷き詰められていますよね。
それが、もうバラバラですよ。

Wikipediaにもペンローズタイルの項目があります。

英語版のほうが、情報量充実しています。

ところで、ペンローズタイルにはこんなエピソードがあります。

【Wikipediaから引用】
このペンローズ・タイルは無断でトイレットペーパーの図柄に使われたが、裁判の結果、ペンローズに対する不遜を理由として使用禁止となった。特許となったペンローズ・タイルは、ペンタプレックス社がパズルとして商品化している。


そう、特許を取得しています。
下のリンクは、USパテントの情報になります。

資料によると、
イギリスでの出願(番号:GB2690475A)が1975年6月25日。
アメリカ(番号:US4133152A)と日本(番号:JPS5234528A)での出願が1976年6月24日。
1977年3月16日に日本で申請許可。
1979年1月9日にアメリカで申請許可。
1979年7月4日にイギリスで申請許可。
となっています。

現在は、全て期限切れによって特許権は失効となっています。


ゲームで使用するタイルについて

遠回りしました。
『Einstein: His Amazing Life and Incomparable Science(アインシュタイン:彼の驚くべき人生と比類のない科学)』に戻りましょう。

下の写真は、『Einstein: His Amazing Life and Incomparable Science(アインシュタイン:彼の驚くべき人生と比類のない科学)』で使用する4つのタイルです。

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『Einstein: His Amazing Life and Incomparable Science(アインシュタイン:彼の驚くべき人生と比類のない科学)』では、タイルの形状で左から、数学タイル、物理学タイル、化学タイル、哲学タイルを呼んでいます(下にある記号でもあらわしています)。

通常は上にある面を表にして使用します。

英語版のWikipediaに書かれていますが、ペンローズタイルには3種類(P1、P2、P3……Pはおそらくパターンをあらわす)あります。

『Einstein: His Amazing Life and Incomparable Science(アインシュタイン:彼の驚くべき人生と比類のない科学)』では、
・左側の数学タイルと物理学タイルがP2(矢じりと凧)
・右側の化学タイルと哲学タイルがP3(2つのひし形)
になり、実は2種類のパターンを混合しています。

タイルの辺を接するようにして置きますが、辺は2種類(わかりやすいように、青と黄に塗り分けて)あります。

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青と黄に塗り分けています。

タイルの表デザインですが、辺の中央にある1本線と2本線で区別しています。

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青円と黄円に塗り分けています。


おおまかな遊び方

このボードゲームの遊び方を大雑把に書きます。
それぞれのプレイヤーは、自分の色のタイルを持っています。
さらにそれぞれのプレイヤーごとに、お題カード(特定のタイル配置が描かれている)も持っています。
ほかに、全プレイヤー早いもの勝ちのお題カードもあります。

プレイヤーは順番に、1つずつ既に場にあるタイルに接するように置いていきます。

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お題カードに描かれた配置をつくると、ポイントが得られます。

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上の写真の例だと、赤のプレイヤーがお題カードの配置どおりに置いたらポイント(このカードでは5点)を獲得できます。

お題カードに描かれている配置ですが、反転してもOKかどうかはルールには書かれていませんでした。
個人的な意見としては、反転はNGでよいかと思います。

ちなみに、このゲームで使用するペンローズタイル4種は線対称の形なので、反転しても同じ形です。

ゲーム終了の条件が達成されると、ゲームは終了となり、合計ポイントの1番多いプレイヤーの勝ちとなります。


締めともう1つのボードゲーム

ということで、『Einstein: His Amazing Life and Incomparable Science(アインシュタイン:彼の驚くべき人生と比類のない科学)』を紹介しました。

ペンローズタイルを使ったボードゲームですが、以前noteでも紹介したKadon Enterprisesからも販売されています。

P2の『PENROSE KITES & DARTS』、P3の『PENROSE DIAMONDS』それぞれあります。
アクリル製でしっかりしていますが、そのぶんなかなかの値段となっています。

『Einstein: His Amazing Life and Incomparable Science(アインシュタイン:彼の驚くべき人生と比類のない科学)』のタイルは厚紙製です。
しかし、その分格安になっていると思います。

ペンローズタイルのみが目当ての方は、どちらが良いか好みで決めてください。

では。

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