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せまゲー生半可集(12)~『Kayles』こと0.77

前回の記事はこちら。

『Octal Game(8進ゲーム)』を紹介しました。
今回は『8進ゲーム』でもあらわすことのできるせまゲーを紹介します。

Kayles

『ケイラス』とは、ワーカープレイスメントの元祖ともいわれるボードゲームです。

すみません。
スペルミスで、全く別のゲームをあげてしまいました。

もとい。
『Kayles(ケイルズ)』は、1908年に Henry Dudeney(ヘンリー・デュードニー)が考案したゲームです。

「Kayles」は、フランス語の「quilles(クイルズ、ボウリングのルーツ「スキットル」)」を英語化したもので、ボウリングをイメージしています。


『ケイルズ』の大雑把なゲームの説明をします。
・ゲームの盤面(フィールド)には、横一直線にボウリングのピンが(無限ではない有限本数)たくさん並んでいます。
・プレイヤーはボウリングの球を投げて、ピンを1本、もしくはピンを2本倒します。
・交互にアクションを行って、すべてのピンを倒したプレイヤーが勝者となります。

なんというか、シンプル。
そして、『ケイルズ』は、『8進ゲーム』で

0.77

とあらわすことのできる、せまゲーなのです。

Octal Game 0.77


まずのお断りとして、『Octal Game(8進ゲーム)』については、前回の記事を参照してください。

『8進ゲーム』で「0.77」であらされるゲームとは、

石1個取ったあとの山は、消滅(山がなくなる)・残存(山が残る)・分裂(山を2つに分ける)する。
石2個取ったあとの山は、消滅(山がなくなる)・残存(山が残る)・分裂(山を2つに分ける)する。
石3個以上は取らない(0.77000000000000……とみなす)

です。
『Kayles(ケイルズ)』では、石がボウリングのピンになります。

ところで、せまゲーは「一次元盤面のゲーム」と「不偏ゲーム」のどちらかの特徴をもつゲームをさしていますが、『ケイルズ』は、双方の特徴を持っています。

さらに、これから『ケイルズ』を図説していきますが、

『8進ゲーム』はせまゲーと大変相性がいい

ことが見えてきます。

一次元盤面とOctal Game

では、『Kayles(ケイルズ)』をテストプレイしつつ、一次元盤面と「Octal Game(8進ゲーム)」との相性のよさを見ていきます。

ゲームの準備として、とりあえず10本のピンを1列に並べます。

これは、ニム(石取りゲーム)的にいえば、石10個の山が1つある、そんな状態です。
第1手は、中央あたりのピンを1本倒しましょうか。

倒しました。
ピン6本の列と、ピン3本の列にわかれました。
これまた、ニム(石取りゲーム)的にいうとどうでしょうか。
石6個の山1つと石3個の山1つに分裂した状態になりました。
また、8進ゲームとしてみると、石1個取って2つの山に分裂(4)した、ということです。

第2手は、3つ並んだピンの端の2本を倒しましょ。

倒しました。
ピン3本の1列は1本のピンが残しました。
8進ゲームとしてみるとどうでしょうか。
石2個取って石1個の山が残存(2)した、ということです。
端側を取ることで、残存のアクションになります。

第3手は、孤独な1本ピンを成仏させましょう。

倒しました。
ピン1本の1列がなくなりました。
8進ゲームとしてみると、石1個取って石1個の山が消滅(1)した、ということです。

というように、並んでいるピンの倒し方(および、残し方)によって、8進ゲームの3つのルール、
・分裂(1列の両端を残して倒す)
・残存(1列の一方の端を倒して残す)
・消滅(1列を全て倒す、つまり、両端まとめて倒す)

と視覚的にもあらわすことができます。

締め

ということで、『Kayles(ケイルズ)』を紹介しつつ、「Octal Game(8進ゲーム)」がせまゲー的にも相性がいいことも書いてみました。

次回ですが、今まで紹介してきたせまゲーのなかで「8進ゲーム」で表せるものがあります。
なので、再紹介します。

では。


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